DVシェルター利用者がDV被害者とは限らない!?DV加害者の主張と共同親権

何かしらの要因により、親が伴侶に無断で子を連れて家を出る事例があります。

それに対して、子どもの連れ去りを法によって防止し、共同親権を認めるべきと求める団体があることをご存知でしょうか。

かつて父親の暴力により母と家を出た経験のある方が、共同親権を求める団体の活動を危険視するツイートを読みました。

その方にはDVをする父親がおり、母と逃げた経験があります。その父親は妻が戻ってこないとわかると、今度は子どもを標的にしようと「連れ去りを認めるべきでない」と主張を変えたのだそうです。

もし無条件に共同親権が認められるようになってしまったら、被害を受けるのは子どもであると訴えていました。

私の父親は暴力をふるう人でした。

両親に離婚してもらいたくても叶わず、母はどんどんとおかしくなり、私に当たることでストレスを発散するようになります。

その結果、私は長い間、精神的に不安定になりました。

共同親権が認められる社会で離婚されていたら、私はどうなっていただろうと想像します。

父親が私や弟を面倒見る姿は想像ができません。むしろ子どもが親の面倒をみさせられるケースが出てきて、危険ではないかと思います。

共同親権が“よい”かどうかは、ケースによって大きく異なるでしょう。

身体的精神的、経済的DVやモラハラ等で逃げ出すしかなかった結果、子どもの連れ去りが起こることもあれば、母子シェルターに駆け込んだ妻が、夫のDVをでっち上げていることもあります。

ケースバイケースのため、私は一概に「共同親権が認められるべきだ」とは思えません。

これらについて具体的事例を述べる記事です。

離婚しない夫婦が犠牲にしたもの

私は両親の激しい喧嘩を見て育ちました。

父が母に手をあげる姿、物が飛びかう様子や、両親の怒号と母の泣き叫ぶ声に晒される毎日。

父は癇癪が酷く、いつ何のきっかけで爆発するかわからなかったので、私も弟も常に顔色を窺い、ビクビクしながら過ごしていました。

父の父である祖父は、自営業を営んでいました。祖父は暴力と暴言が酷かったと言います。

祖母と、父の兄と姉が暴力にさらされている間、末っ子の父は縮こまっていたのだそうです。

社会に出た父は母と出会い、結婚をしました。

婚姻届けを出した直後から、母への暴力が始まりました。
父は祖父のやり方が「正しい」と思っていたのか、それしか方法がわからないのか、暴力にさらされて育った精神的なしわ寄せが図らずも出てしまったのかわかりません。

とにかく父は、話し合うという事ができず、母と折り合わないと暴力でねじ伏せるのが常でした。

長女である私は、それを目の当たりにしてきました。

母は母で気性の激しい人でしたから、父を煽る言葉を投げかけて、常に体に痣を作っていました。

弟は普段私の陰に隠れるか、部屋に籠って時間をやり過ごしていました。

母は生活で思い通りにならないことを、全て私のせいにして当たるようになりました。母にとって、「かわいそうなこと」は全て母と弟に起こり、加害者は父と私であるとみなされました。

母は毎日のように、一時間から二時間程度私に泣きながら怒号を浴びせました。

私は視界が白く狭くなり、耳の聞こえが悪くなり、この世から消えたくなりました。

私と弟は何度も「離婚して欲しい」と母に頼みましたが、母は「あんたがお腹にできたから悪い」とか「今更」とか何かと理由をつけてしませんでした。

世間体を守りたいのと、金銭的な問題だったのだと思います。

弟は一流大学の偏差値の高い学部に入学をしました。

父の自慢になった弟は認められるようになり、実家での居場所を手に入れました。

私はこの家に居たら生きていけないと思い、大学入学を機に実家を出ていました。

やっと自由の身になれた。
誰にも責められない、怒号や暴力にさらされない毎日。とても快適でした。

しかし何故か死への願望が異常に高まったり、過食嘔吐が始まります。

母と私、家族についてはこちらの記事に詳しくまとめています。

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精神不安による様々な症状は、その後も長く続くことになりました。
育った環境がいかに子どもの心を蝕むのか、身をもって体験しています。

こんな環境で育ちましたので、「子どものために離婚しない」という言葉を信じていません。

親がこれを言う時は子どものためでなく、生活を維持していく自信がないなど、親自身のために離婚しないのだろうと思うのです。

私も今は親になりました。
簡単に離婚できない理由もわかります。

しかしもし私が「子どものために離婚しない」と思うことがあれば、「私が離婚しないほうが都合がいいから、離婚しないのだ」と言おうと決めています。

「子どものために離婚しない」と子どもが聞いたらどれだけ傷つくか、知っているからです。

私は、父が離婚を拒否するなら、母に連れて逃げてほしかったです。

DV加害者の主張と共同親権

両親が離婚してくれていたら、少なくとも私の精神的な不調はもっと少なかったのではないかと想像します。
母は強い人ではありませんでしたので、離婚したらもっと荒れてしまったかもしれませんが。

「あんたがお腹にできたから悪い」

母は私を妊娠したから人生が狂ったのだと言い続けることによって、本当にそうだと思い込んでいるようでした。父の暴力は結婚当初からであり、私を妊娠したのは結婚から二年後だったにも関わらず。

自分のせいではなく、誰かのせいにしないとやっていられなかったのでしょう。

私は母の所有物で、感情を無視された存在でした。

そんな私がこのツイートを見た時、「羨ましい」と思いました。

この母親は自分の生活を守るためではなく、本当に子どもを愛していたから離婚を選んだのだと思い、羨ましく感じたのです。

しかしこのツイートが問題視していたのは、その後のことでした。
母と子どもを追い詰めた、父親の言い分です。

ツイートは長く続いています。
興味がある方は是非Twitterで読んでみてください。

要約すると、DV加害者であると自覚がないのか、都合が悪いことは隠したいのか、加害者であるツイート主の父親が、不倫をした上に暴力をふるっていた事実を棚に上げて、「妻が子どもを連れ去った。誘拐を許すべきではない。親子を断絶させない法律を作るべき。離婚後の共同親権を認めるべき」と住民票閲覧制限されているDV加害者(であろう)人たちを支援する団体と同じ主張をしていて、憤りを感じているという内容です。

肝心なのは、子どもであるツイート主が、「父親から逃げたい」と思っている点です。
父親と会うようになったら被害を被ると、子ども自身がわかっているのです。母親の勝手で連れ出したのではありません。

父親は都合よく主張を変えて、あたかも社会問題を解決したい“被害者”を装っているのが、この問題の恐ろしい点です。

DVシェルター利用者がDV被害者とは限らない

ツイート主の主張とは相反する実例です。

私にはこんな環境で育った友人がいます。

友人の母親は精神的な病を抱えていました。
結婚後に発症したのではなく、以前から持っていたようです。

子どもは兄と姉と、末っ子である友人(女性)の三人です。

母親は姉だけを「居ない者」として生活を送っていました。

きっかけがあったのかはわかりません。
友人が物心つく頃には、姉だけが母に無視をされ、食事も与えられないのが普通でした。

父は飲食店を経営していましたので、姉はそこで食事を摂っていました。

父親は姉を不憫に思い母親に話をすることがありましたが、母親は怒って話にならなかったようです。

末っ子である友人は、家族のだれからも可愛がられました。
自分が笑えば家族が笑顔になると思い、常に笑って暮らしました。

ある時、母親が幼かった友人の手を取り、「行くよ」と言いました。

友人はわけがわからないまま、しかし「嫌だ」と言えば母が機嫌を損ねることがわかっているので、手を引かれるまま母についていくしかありませんでした。

行った先は母子シェルターでした。

母親は、なにやら大人の人たちに「夫から暴力をふるわれた」と必死に訴えていました。

父親は穏やかで、手をあげるような人ではないことをわかっていました。
母お得意の作り話だとわかりましたが、やっと小学校に上がるかどうかくらいの幼かった友人は、なにも言えずにその様子を見ていました。

シェルターで暮らす間、兄や姉はどうしているだろうと想像しました。
姉は母親がいなくなってのびのびしているだろうと思いました。

友人は大好きな兄と姉の元に帰り一緒に暮らしたいと思いましたが、母親を一人にしてしまうのはかわいそうだと思い、ただただ大人しく“その期間”を過ごしたと言います。

どんな流れでそうなったのか幼かった友人にはわかりませんでしたが、父親のDVをでっち上げたことで両親の離婚が成立しました。

姉と友人は父親の元で暮らすことになりました。この時点で役所は父親をDV加害者ではないとみなしていたようですが、どういった経緯でそうみなされたのか詳しくはわかりません。(母親の通院歴でしょうか)

兄も父親の元で暮らしたいのが本音でしたが、「母を一人にするのは可愛そうだ」と母元につきました。

母親はギャンブル中毒でもありましたから、離婚してからも父親に金の無心をしました。

父親が金をくれなくなると、子どもたちにせびるようになりました。
それは兄姉、友人が結婚して所帯を持った後も続いています。

兄は「母のためにならないから金は一切貸すな」と友人に言っていますが、友人は「貸さなければ母の生活が立ち行かない」と思い、恐怖から度々渡してしまうと言います。姉は母親が「〇ねばいい」と言っているのだとか。

夫婦の食い違いと離婚

友人の話から分かるのは、DVシェルターに駆け込む母子が必ずしもDV被害者ではないという事です。

「でっちあげ」はあります。

被害者意識が強い妻が過大に物事を語ることで、故意なくDV加害者を生み出すこともあります。しかしDV加害者にその自覚がなく、自分を被害者だと認識していることもよくあることなのです。

実父から性的暴力を受けたり、無職で借金と女遊びを重ねて離婚に至ったのに、都合がいい時に子どもの前に現れて精神的な圧力をかけて金をせびる父親がいます。
これは架空の話ではなく、実際私の友人達の話です。

こんな加害者に共同親権を認めてしまったら、被害を被るのは子どもです。
身体よりも、傷んだ心の修復は難しいものです。この記事で紹介した友人達は、皆、精神的な病に苦しんでいます。場合によってはその子どもまで影響していきます。

これは非常に大きな問題です。

前述したツイートでは「子どもの連れ去りと親子引き離しの禁止」を求める活動が批判されています。
“子どもを連れ去られた被害者”と名乗る人たちの中には、理不尽な連れ去りに遭った人もいれば、DV加害者も混ざっているからです。

ケースバイケースで詳細に事実を把握する必要があり、同一視するのは大変危険です。

共同親権を認めるのであれば、DV等の加害者への罰を厳格化する必要があると考えます。
未成年者への金の無心や言葉の暴力、身体的暴力、性的暴力を「家庭内のこと」とせず警察を介入させて逮捕対象とすることです。

今もそうでしょ、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

違いますよ。
残念ながら実父からの性的暴力があっても、「逃げられた。断れたはず」と同意とみなされ、罪として認められるまでのハードルが高くて泣き寝入りしているのが日本です。

父親が家事育児に不参加でも「男はそんなもの」とみなされやすい現状があります。暴力があっても「妻が言葉で追い詰めたのだろう」などと、生死に関わらない限り擁護する風習が残っているのが日本なのです。

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