ワンモアはジャニーズ事務所のアイドルグループA.B.C-Zが主演を務めるドラマです。
一話~六話の感想は別記事に書いています。
ワンモアをご存じない方はこちらからご覧ください。
★大人が制服着て何が悪い・第二話感想
★大人が恋して何が悪い・第三話感想
★大人がHRして何が悪い・第四話感想
★大人が運動会して何が悪い・第五話感想
★大人が居残りして何が悪い・第六話感想
ワンモア最終回「大人が青春して何が悪い」あらすじ
定時制高校の教室。
黒板には「自習」と書かれている。
副担任の水野真二郎(五関晃一)が学校に来ていないことを、生徒たちが心配している。
片山昭三(渡辺哲)は結婚記念日が明日に迫っているにも関わらず、添削を頼んだ妻宛の手紙が水野から返されていないことを気にするが、水野は明日が結婚記念日であることを知っているので、絶対(添削を)持ってくるはずだと信じている。
学級委員長の空田公平(塚田僚一)は、水野先生は片山の結婚記念日に向け、サプライズを仕掛けているのだと思い至る。
水野ならやりそうだと沖田莉奈(森田想)等が盛り上がる。
そこに担任教師の地井誠(河合郁人)が次の授業も自習になったことを告げに来る。理由を問う沖田に、地井は水野と連絡が取れていないことを打ち明ける。
火村直哉(戸塚祥太)が何があったのかと聞くが、「わからない。これから家行ってくる」と答える地井。
地井が教室を出ると、スマートフォンに着信がある。
地井が佐野中央病院に走り込む。
教室で火村が、「遅くね?絶対(サプライズとは)違うだろう」と疑問を感じている。
沖田はバイトがあるから帰ると言い出す。グエン・ギャン・ミャン(鈴之助)も翌日の仕事に響くと言い、片山も妻に手紙を書きたいからと帰宅しようとする。
空田は水野を待ってあげたいと引き止めるが、叶わず、3人は帰っていく。
火村や風間翔(橋本良亮)も帰宅しようとするが、空田はサプライズに気付いてもらえないのは寂しいから残ると言う。
そんな空田を見て、風間も残って待つと言い、火村も面倒臭がりながら残って水野を待つことにする。
火村が資格を取ったら戸建ての家を建てられると聞き、感激する空田。
空田は火村の肩に手を置き、「目標は高ければ高いほど、人は成長できるよ」と水野の真似をする。風間は「ちょっと似てた」といい、一同が和む。
空田は学校を卒業するという亡くなった妻との約束を果たし、再度娘のあかりと暮らすのが夢だと話す。
空田ならできると風間は激励する。
風間は夢や目標はないと言うが、「女だろう」と火村に突っ込まれる。「(志保のことは)遠くから見ているだけで十分だから」と否定しつつ、「ずっとやりたかったことは全部叶った」という。やりたかったことは何だと聞かれると、風間は「友達と放課後にどうでもいい話をすること」と答えた。
そこに地井が力ない表情で現れ、「水野が死んだ」と伝える。
3人は沈黙する。
病院の霊安室。
地井が水野の顔にかけられた布をめくる。
空田と火村、風間が近づく。
空田が水野に「サプライズだと思ってずっと待っていたんですよ」と話しかけ、泣き出す。
「これを拾おうとして……」と地井が片山に託された手紙を差し出す。
添削は終えられており、「心に伝わるお手紙でした。奥さんと末永くお幸せに」という水野のメッセージが書き加えられていた。
火村は水野の肩を掴み「みんなで卒業するんじゃなかったのかよ、おい」と語りかける。
定時制教室。
沖田が「嘘でしょ」と呟く。
片山は「なんで俺より若い奴が死ぬんだ」と怒る。
地井が片山に、添削済みの手紙を渡す。
泣きながら、曲がった手紙を伸ばそうとする片山。
地井が段ボールを片手に、水野の部屋を訪れる。
カーテンを開け、水野の教師コスプレが並ぶのを見て、「ばかやろう。何で死ぬんだよ。早すぎんだろう」と言って泣く。
江尾市営火葬場で、喪服姿の生徒たちが佇んでいる。
実感がないと呟く火村。これがサプライズならと空田が望み、風間が同意する。
空田のスマホに地井からメッセージが入る。
「今から学校に来い」という内容だった。
教室に入ると、黒板を向いてたたずむ地井の姿があった。
空田が「地井先生?」と声をかけると、元気よく振り返る地井。
地井は金八先生のコスプレをしていた。
「何やってんの」と沖田が突っ込むが、構わず金八の真似を続け、席に着くよう生徒に求める地井。
怒りを込めながら「やめろ」という火村。「先生に向かってその口の利き方は何だ」と地井は金八の真似をしながら話す。「やめろってんだろう」と火村が怒る。
空田が今日はそんな気分ではないと訴える。しかし地井は止めない。
風間は大きな声を出して地井を止め、「励ましてくれてるんだろうけど、まだそんな気持ちには(なれない)」と話す。
沈黙する生徒たち。
地井は「俺は止めない。今日は水野の卒業式なんだ。俺が、あいつがやりたかったことをやってやる」と言う。
火村が怒りを抑えながら、先陣を切って席に着く。
続けて生徒たち全員が席に着く。
地井が「水野が卒業する時の贈る言葉、みんなに書いてた」と言って手帳を見せ、「(卒業は)4年も先なのに……」と笑う。
「全部覚えたからお前らに伝える」と言って、額に入った運動会の集合写真を教卓に置く。
金八先生の真似をしながら、一人ずつに向けたメッセージを言おうとするが、言葉に詰まる。
「普通で(金八の真似をしなくて)いい」と火村が言い、「地井先生のままがいい」と風間が言う。
俯いてカツラを取る地井。水野が残した言葉を一人一人に話し出す。
「沖田莉奈。いつも昭三さんやグエン君のことを気にかけているのを見ていました。人に優しい沖田さん、これからはもっと自分にわがままに生きて行ってください」「はい」と返事をして、優しく微笑む沖田。
「グエン・ギャン・ミャン。異国で家族のために勉強するあなたを尊敬しています。故郷に帰ってもここでの日々を忘れずに、素敵な学校を作ってください」「ありがと、ございます」と泣きながら返事をするグエン。
「片山昭三。年下の僕を教師として敬っていただき、ありがとうございました。あなたのお陰で学べる幸せを、教える楽しさを知ることができました。奥さんといつまでもお幸せに」片山は「はい!」と力強く返事をする。
~想像(あるはずだった水野の姿)~
黒板に卒業を祝う文字と、桜の絵が描かれている。
黒板をバックに、水野が金八のコスプレをして教壇に立っている。
金八の真似をしながら、水野が話し出す。生徒たちは水野のモノマネに満面の笑みを浮かべている。
空田が「水野先生、普通でいいから」と突っ込むと、「じゃあ、普通で行きます」と水野がカツラをとる。
「空田公平」と水野が声をかけると、「はい」と元気よく返事をする空田。
「学級委員としていつもクラスを明るくしてくれてありがとう。どんなに辛くても明るくできるその力、これからも大切にしてください。いつも僕の授業に、まじめに真っ直ぐ取り組んでくれる姿勢に勇気づけられました。これからも娘さんと仲良くね」と笑いかける水野。空田は力強く「はい」と言って頷く。
「風間翔。きみが初めて声を発した時、とても感動しました。きみの表情が少しずつ柔らかくなっていくのが幸せで、クラスでもいろいろあったけど、風間君の勇気ある一言で解決したことがたくさんあります。ありがとう。きみはもう、言いたいことが言える。大切な人を守る力を持ってる。自信を持って。そしてこれからも人に敬意を払って深い関係を築いて行ってください」風間は優しい表情で頷いた。
「火村直哉。人は変われる。人は成長できる。いくつになっても、どんなに大変な時でもそこに意志さえ持っていれば、決して負けない。それをきみが証明してくれました。火村君はいつも教室の一番後ろから頼れる兄貴として皆を見守っていてくれましたね。そんな火村君が運動会の時に見せてくれた、負けず嫌いな姿。むきになって球を投げる姿。ぼくは忘れられません。これからも強くて優しい人でいてください」しっかりと頷く火村。
水野は教卓に座る地井に体を向け、「地井誠先生」と声をかける。驚く地井と生徒たち。
「俺もかよ」と驚きながら「はい」と返事をする地井。
「未熟なぼくを引っ張ってくれてありがとうございました。ぼくのたくさんのわがままも聞き入れてくれて、ものまねでの授業も止めずに自由にやらせてくれて、地井先生が横で見守ってくれていたから、今日という日を迎えられました。地井先生、やっぱりあなたはいい先生です。心から感謝してます」
水野の言葉を受けて、地井が話し出す。「だったら、俺も言ってやる。水野真二郎、お前はいい先生になる。俺よりずっと。だからどんなに辛くても、教師をやめるな」「はい」水野ははっきりと返事をする。
水野は生徒たちに体を向けて話し出す。「先生、みんなとこの教室で4年間過ごせて、本当に幸せでした。みんなぼくよりずっと大人で、教えてもらうことの方が多かったけど、みんなはぼくの初めての生徒です。これから先、悩んだり辛いことがあった時はまた来てください。ぼくはいつでもここにいます。いい歳した大人が青春して何が悪い! 最高でした。みんな、卒業おめでとう!」
泣きながら水野が告げると、教室が拍手に包まれた。
~想像終わり~
喪服姿の地井と生徒たちが、運動会の集合写真を覗き込んで微笑む。
卒業式。(四年後)
サクラが散る中、生徒たちが笑顔で校門をくぐる。
「いい卒業式だったな」と空田が言うと、「やっぱり水野先生と一緒がよかった」と風間が言う。
一同無言で校舎を見つめる。
沖田が、祝卒業の文字が書かれたリボン記章を地井の胸に着けて「おめでとう」と祝う。
一同は笑顔で手を振り、各々の方向に歩いていく。
教室の黒板には、メッセージと、水野や地井、生徒たちの似顔絵が書かれていた。
~メッセージ内容~
「俺ら全員卒業できましたよ。ありがとうございました」
「手紙を渡したときの妻の顔がわすれられない。勉強してよかった」
「幸せで楽しい学校を、今度は僕が故郷に作ります」
「ここは僕の人生を変えた学び舎です。皆ありがとう」
「私のことを心配する人がいるから、自分を大切にするんだって教えてもらった。先生、ありがとう」
「皆と過ごした時間は、病室で見ていた僕の夢そのものでした!!!」
「6人全員で卒業する君たちを誇りに思う。本当におめでとう」
最終回終わり。
ワンモア最終回感想
非常に濃い内容のドラマでした。
ワンモアは、立場の違いがあれど、人としてぶつかり合う大事さを描くヒューマンドラマでした。
生徒たちより人生経験の薄い水野先生が、それでも真っ直ぐにぶつかった結果、生徒たちの輪を作りましたね。地井先生が言うように、水野先生はいい先生になる人でしたし、既にいい先生でした。
胸にこみ上げる余韻が長くて、涙がこぼれました。
愛情深い、いいドラマでした。メンバーの魅力も非常に光っていました。それでいて決して押しつけがましくなく、一役者として水面の反射のような輝きがありました。
A.B.C-Zは橋本さんを除く全員が30代です。(2021年5月31日訂正。教えて頂いてありがとうございます)
30代ってそれまで積み重ねたものが滲み出る年齢だと思うんですよね。物事を軽く考えて生きてきた人は軽率に見えるし、葛藤を抱えながらもひたむきに生きてきた人は、深い魅力が滲み出てくるように思います。
若い時にあったような棘が抜け、自分を見つめる力が出てきて虚勢や自意識といった守りを外すから、より魅力が現れやすいように感じます。
そんな彼らの深みが現れた作品でした。
ああ、終わってしまったんですね……。
メーテレとA.B.C-Zの企画として放送されたドラマ「ぼくらのショウタイム」が好評を博したことがきっかけで、実現したのが「ワンモア」でした。
2019年4月に、A.B.C-Z×メ~テレ企画として放送されたドラマ「ぼくらのショウタイム」。
メ~テレの情報番組「デルサタ」で、よゐこ濱口優の一言から始まったA.B.C-Z主演ドラマ企画は、ドラマ放送のみならず全国の劇場で上映され、ミニシアターランキングで動員1位を獲得。さらに公開期間が延長されるなど、人気と注目を集めた。
その舞台挨拶の際に出た、「次やるなら何がやりたいですか?」という質問に、A.B.C-Z橋本が「学園ドラマがやりたいです」とコメントすると、榊英雄監督が「定時制だな」と切り返し、その場は笑いに包まれた…が。その一言から本作の企画は動き出した!
ちょこちょこよゐこの濱口さんが出演されていた理由は、これ☝だったんですね。
ぼくらのショウタイムも良かったんですね。見てみたい! と思ってAmazon videoで検索したら、「現在ご利用いただけません」となっていました。なぜ。
こういった企画ものは一作目が上出来で、次はイマイチ……なんてこともあると思うのですが、ワンモアは秀逸でした。
空田役の塚田さんはこんな事を言っています。
メンバーがいかに役作りしていたかがわかります。
それを表すように、風間役の橋本さんは撮影を終えた感想をこのように話しています。
「正直言うと」から始まった言葉は、本当に正直でした。
橋本さんの中で役が生きていたのだと思います。
ワンモアはストーリーが詰まっていて、どれだけでも膨らませられると思います。
6話のレビューの最後にも書きましたが、
〇 風間と志保や家族との話。
〇 火村の二級建築士試験や職場での話。沖田と兄弟の話、掘り下げられなかったグエンの環境、片山と妻の話。
〇 水野がどんな家庭で育ったのか。
〇 地井の女性関係(一話で一夜限りの女性が出てきたので)の話
数年後の話になると、水野先生の登場が減ってしまいそうなのでそこだけ問題ですが。
風貌が普段と変わらないのは、地井役の河合さんと、空田役の塚田さんくらいですよね。
私の中では大好評なので、また企画が立つものだと思って待ってます。
ワンモアが見られる動画
ワンモア第七話最終回は名古屋メーテレにて2021年5月17日に放映されました。
関東では2021年5月22日深夜に神奈川県のローカルチャンネルTVKで放映されています。
主題歌
これ観てじーんとしてしまうのは私だけですか。
Amazon Prime Video
Prime Videoでは1~7話の全話を見ることができます。
Amazon Prime会員は無料で視聴ができます。
ワンモアは人を描く秀逸ドラマ
学校に楽しみを持つこと。
生徒の方がずっと経験を積んでいることなどです。
勉強になりましたし、感動させられたいいドラマでした。
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