ジャニーズファンの愛に感動した話・元コンサートスタッフの実感

大手芸能事務所、ジャニーズのファンについて述べる記事です。

ジャニーズのコンサートスタッフをしていた時の印象や、芸能イベントの企画側を生業にしている友人から聞いた話を元に、個人的意見を述べています。

ジャニーズファンの愛

先日、ジャニーズグループA.B.C-Zが主演しているドラマ「ワンモア」の記事を書きました。

「ワンモア」を見るまで、アイドルがたくさん出ているドラマは好みではありませんでした。
アイドルの押し売りを感じる演出があったり、芝居がイマイチなことがあり、観るのを辞めてしまうことが少なくなかったからです。

しかしたまたま見たドラマ「ワンモア」はこれまで観たアイドルドラマとは違い、テーマや演出、芝居がよく、面白かったので記事にしました。

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私は度々映画やドラマのレビュー記事を書いています。その一環でしかありませんでした。

記事をあげた時はTwitterやSNSで宣伝をしています。
弱小ブログサイトは、宣伝しないと即日人が来てくれないからです。

ゆくゆくは検索に載るのですが、少し時間がかかるんですよね。

そのSNSにあげる時、若干怖さを感じました。

「A.B.C-Zを知らない人間が中途半端な知識で書かないで!」とファンの反感を買うことがあるかもしれないと思ったからです。
でもここでビビっていたらそれこそ記事が人目に触れないので、一歩踏み出すつもりでいつも通り宣伝をしました。

すると「グループを知らない人がドラマをいいと言ってくれている!」 と歓迎する声が多数聞こえてきました。主にファンと思われる方たちの声でした。

その声は、彼らの魅力を広めたいという、押しつけ感が全くない深い愛情に満ちていました。

私はただ良いと思ったドラマを勧めただけなのに、ファンの方の愛情を感じて、私まで幸せな気持ちになりました。

それと同時にA.B.C-Zに向けて、「あなた達、こんなに愛されてるよ。すごいよ。自信もって。そしてファン大事にして」ってめちゃくちゃ言いたくなりました。(上から目線でスミマセン)

芸能関係者の話

芸能関係者の友人がいます。

芸能イベントの企画製作側の仕事をしています。(身バレ防止のため具体的な仕事内容は伏せます)

A.B.C-Zが舞台活動をしていると聞いたので、一緒に仕事をしたことがあるかと友人に聞いたところ、A.B.C-Zはないが別のジャニーズタレントとは仕事をしたことがあると言いました。

A.B.C-Zファンの愛情を感じた話しをしたところ、友人はこんな話をしてくれました。

「ジャニーズファンは心から彼らを応援しているから、何度もイベントに足を運んだり、企画団体に出演者が愛されていることを一緒に喜ぶし、団体そのものの魅力に気づいて好きになってくれたりする。すごくいい子たちで、毎回企画側が驚くんだよ。熱心で誠実で実直」

ジャニーズファンに、当のタレントだけでなく現場全体が支えられるのだそうです。それは興行収入の面でもそうなのですが、愛情を感じる要素が大きいんですよね。

因みにジャニーズの出演者の楽屋に、ジャニーズの超々有名グループ(活動休止中)のメンバーが顔を出しに来た時は、「驚くくらいオーラがなかった」とも言っていました。オーラを消しているのか素朴な感じで、好感度が高いんだよねと。(人によるのかもしれませんが)

それを聞いていた一般人の私は、ジャニーズ事務所の力もさることながら、やはり本人の人柄やファンの質で主催に愛されるのかなと感じました。

コンサートスタッフから見たジャニーズファン

友人の話しを聞いて、イベント案内のバイトをしていた頃の事を思い出しました。

私は学生時代アルバイトを掛け持ちしていました。その一つが、芝居やコンサートなどのイベントの場内案内のアルバイトです。
当時人気絶頂のSMAPのコンサートスタッフをしたことがありました。

数万人入る会場の案内に、数社の運営会社が入っていました。
座席のブロックごとに、受け持ちエリアが分かれています。

私が登録していた派遣会社は芝居の劇場案内をメインで請け負う会社でしたので、コンサートの仕事は多くありませんでした。
そのため受け持ちエリアは二階席の一部のみでした。

私はその日チーフとして入っていましたので、苦情の対応もすることになりました。

開場し続々と観客が客席に着きます。
今は少なくなったのではないかと思いますが、20年近く前の当時は、柱でステージが見にくくなる席が多々ありました。

高いチケット代を払っているのに、運だけで見にくい席になってしまうことがあるのです。
「見えない」と苦情を言うのは当然です。苦情と言うか、報告ですよね。見えないのだし。

私はその対応に当たりました。

数席動かせることもあるのですが、その日は上司から運営本部に掛け合っても動かすことができず、そのまま観劇してもらわなければなりませんでした。

……今でも申し訳ないなと思うし、客はもっとブチ切れてもいいんじゃないかと思うんですが、(私なら不満を淡々と言うかも)彼女たちは体を傾けながら観てくれました。
特例で出演者のサイン入りグッズがもらえるなどあればいいのにと思ったものです。

 

コンサート中に、スタッフが観客に向かって踊る場面がありました。
出演者と一緒に観客にも踊ってもらうための演出でした。

スタッフが立つ位置はあらかじめ決められています。予定通りそこで踊っていると、観客に「見えないからどいて!」とジェスチャーされました。ファンは踊りの見本を見なくても大抵踊れますし、スタッフで出演者が見えないなんてもったいない。邪魔でしかないんですよね。

私は「そりゃ邪魔だよね!」と心で大笑いして規定ポジションからずれ、観客から見えない出入り口階段前で一人で踊りました。他のスタッフに指導する立場でしたので、棒立ちになったりしゃがむわけにいかなかったのです。なんだか面白くて、笑いながら階段前で踊りました。いい思い出です。

さて、ここからがジャニーズファンならではのエピソードです。

コンサートが終わると、大抵は規制退場となります。
規制退場とは、運営側が規制をかけながら観客に退場を促し、会場を後にしてもらうことを言います。

何万人という人が一気に会場から出ようとすると、階段で将棋倒しになったり、近くの駅のホームが人で溢れ、危険が及ぶことがあるからです。

ブロックごとの出入り口にプラ柵(自立式のプラスチック柵)を設けて、勝手に出られないように規制し、場内アナウンスで待機を呼びかけます。本部の指示に従い、ブロックごとに順番に退場を促していきます。これが結構時間がかかります。

夜の公演だと急いで帰らないと終電に間に合わない! という方も出てきます。その場合はブロックの出入り口に立つスタッフに詳細を伝えてもらえれば、退場が可能です。終電の路線名や行き先を聞くこともあります。早く出たいあまり、適当な嘘をついて出ようとする客が多いコンサートもあるからです。

当時イケイケというか、オラオラギャル系? のシンガーのコンサートは、最悪な現場として知られていました。ジャニーズではありませんよ。別の事務所の売れっ子歌手です。

その歌手の観客は、規制退場を呼び掛けても我先にと出入り口に詰めかけるので、プラ柵を男性スタッフが数名がかりで抑え抵抗しなければなりませんでした。「ふざけんな。コロすぞ。どけ!」と場内の各出入り口でもみあいになり、スタッフがどさくさに紛れて殴られたり蹴られたり髪の毛をむしられたりして怪我をするのが常でした。力が必要なため、規制退場を担当するスタッフは男性ばかりが集められていました。

プラ柵ごと倒され下敷きになり、詰めかけた客も階段で将棋倒しになって、幼い子どもが怪我をし、その親が怒るというケースもありました。

スタッフの中では入りたくない現場として有名でした。出演者が一言でも最後に「規制退場に協力してね」と言ってくれたら、きっとファンも違うだろうと思ったものです。

それに対し、ジャニーズのコンサートは客層が良いことで有名でした。

終電で早く帰らないといけない方は多数いますが、プラ柵に詰めかけて怒号を浴びせる客はまずいません。怪我もありません。
みな規制退場に快く応じてくれるのです。

グループにより客の年齢層は違うのでしょうが、SMAPは子どもから年輩の方まで幅広く、女性が大半を占めるものの、男性もいました。
十代の少年たちが来ていることも。

また、父親が子どもを連れて来ているケースも多々見られました。父親は表立ってはしゃごうとはしないものの、平静を装いつつ目を輝かせながらステージを見つめていて、微笑ましく感じました。

コンサートが終わり座席の清掃をしていると、ふと夢の終わりを感じました。
ジャニーズのコンサートは、企画会社と出演者とファンが作り出す夢でした。

因みに退場で揉めるアーティストのコンサートは悪夢でした……。

夢を支える人

その後私が就職したのはイベント関係の職種でしたが、芸能人はたまに見る程度の仕事内容でした。

特別な誰かのファンになったことがない私は、就職して以降、かつて感じた「夢」に触れることはありませんでした。

でも今回の一件で、思い出したんですよね。

誰かに憧れて応援して支えるって、素敵だなと。
A.B.C-Zファンのファンになりそうです。

ファンは芸能人から夢をもらっていると言いますが、芸能人が「もらっているのは自分の方」と言うことがありますよね。
綺麗ごと言っているのか? と思ったこともありましたが、こういうことなんだとわかりました。

愛って人を救いますよね。
凄い。

 

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