遺産相続で揉めるなんて他人事!と思っていた私が、相続でストレスを抱えた話

遺産相続で揉めるなんて他人事だと思っていた平凡な主婦である私が、遺産相続でモヤモヤとストレスを抱えた実体験です。

主に愚痴です。

遺産相続で揉めるなんて他人事!と思っていた私が、相続でストレスを抱えた話

夫の父である義父が、闘病の末に亡くなりました。

義父亡きあとは嫁の私が車で30分弱の距離にある義実家に通い、葬儀手配や遺品整理、義父が担っていた団体の引き継ぎ、義父が背負っていた厄介事をどうにかするべく数十の会社や団体、行政に相談に回りました。

現在は義父が亡くなって4ヵ月近く経ちますが、厄介事は解決法がない社会問題でもあるため片付いておらず、悩みの種となっています。

並行して、体が不自由な義母の通院にための送迎や付き添い、買い物等生活のサポート、義母が空回って招いたトラブルの処理、名義変更や各所への訃報連絡等、何から何まで嫁の私がやってきました。

義母は精神的に弱っていましたので、私は義母のサポートとしてではなく主導する形となりました。

義父が好きでしたし義母にも世話になりましたから、見返りは求めていませんでした。

私が毎日のように義実家に通っている間、無職の義姉が長期で義実家に帰ってくることがありましたが、これまでもそうであったように、体の悪い義母が一切の家事をしていて変化は見られませんでした。義父の死後に関する手続きや片付けも、手伝うことはありません。

義母が、「訃報を知らずに年賀状を送ってきた方へどう返答をするべきか」と私に訊ねてきた際も、義母の隣には義姉がいました。

その時私は義母や義姉とその息子への食事の用意でバタバタしていたこともあり、明確な返答をせずに様子を見ていましたが、義姉は「わからない」と何度か繰り返してその場を離れました。

義母は「どうしたらいいかわからない」と言って私にすがり、義姉にもこれらをどうにかしようという意欲がないことが見て取れたので、結局私がデータを作りプリントし、宛名入力まで全てやらざるを得ませんでした。(義父は著名な方だったので各業界に知らせても訃報漏れが出てきますし、またその数が多いのです)

義母の息子である私の夫はその様子を見て、義姉が何もやらないことや義母が私に頼りきりであることを感じとり、問題だと感じたようでした。

(夫は家計のために目一杯仕事をしていて超多忙です。私は家族や親族間の処務をするという役割分担をしています)

訃報を知らせるハガキ作りは数時間あればできますが、こういう降って湧いたような仕事が義母の口から多数出てくるので、私が一手に引き受けるとかなりの時間がかかってしまいます。

義姉はPCで株投資をするくらいですから、PCが扱えないわけではありません。義父亡きあとの手続きについて「わからない」と言って避ける行動が目立っていますが、私も知識がないので調べたり問い合わせたりして物事を進めています。

義姉に義母を助けようという意欲がないことが、気になっていました。

最も違和感を感じたのは、義父のために義母が購入した仏壇が搬入された際、義姉が義実家にいたにも関わらず祭壇も仏壇もそのままにされ、数日後に私が訪れるまで放置されていたことでした。(義姉が滞在中は私が訪問する日を減らしていました)

義姉とその息子の話
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義母は体が不自由なため仏具の移動が難しいことはわかりますが、義姉も我関せずなことに疑問を抱きました。

結局私がセッティングをしたのですが、丸で見えていないかのように放置された祭壇の義父が、気の毒に感じました。私が手を尽くさなければ、延々と空の仏壇が置かれたままとなったでしょう。

義父の死後の手続きが粗方片付けば私の負担は減るものと思っていましたが、むしろ少しずつ増えていきました。
義母が私に頼ることに、慣れたからです。

義母の中で私はよく言えば「頼りになる嫁」で、悪く言えば「何でもやってくれる人」となりました。

「これ以上義実家の仕事を請け負うと、私の子ども達にも負担を強いることになるので断りたい」と私が夫に漏らすようになった頃、義父が代表を務めていた団体の幹部からこんな話を聞きました。

「娘さん(義姉)は昔から家事を一切しない。長期で帰省しても何もしないため、『少しは手伝ってくれないか。今日は風呂掃除をしてくれ』などと言ってもやらない。妻(義母)が間に入って止めることも多い。娘は無職のシングルマザーなので妻が少なくない額を援助し続けているようだけど、妻に額を聞いても教えてくれない。妻と娘とその息子だけで旅行に行くことも多く、自分は蚊帳の外だ」と生前漏らしていたのだそうです。

食事の用意は義母がしていましたが、風呂掃除や家の内外の掃除、義母の送迎、庭仕事、ごみ捨ては義父がしていました。

義父が愚痴や不満を漏らすことは滅多にないため、幹部はこの話をよく覚えていました。

因みに義父は大きな声を出したり荒げることもない人でしたし、モラハラの気質も皆無です。

義姉が離婚した際に実家に戻ることを希望しましたが、仕事や家事をしないことが目に見えていたため義父が強く反対し、同居に至らなかったという話も幹部から聞きました。

私は義父亡きあと、義母のサポートのために義実家に通いつめることになりました。義実家に通う負担を減らすため義母に同居を提案しましたが、断られています。義母は義実家で、義姉とその息子と同居することを選びました。

義姉が同居するのなら、私の負担は半分以上減るだろうと期待していました。しかし義母は同居が決まっても、面倒事を私に頼り続けました。

義実家に問い合わせがあると「ややこしい話はわからないから」と、義母は業者に私の携帯番号を勝手に教えてしまうので、対応に追われました。

不動産や法に関わることが多く、私の独断ではどうにもならないことばかりです。私は相続人でもなければ血縁者でもないため、何かを進めるには義母達に説明をして許可をもらわねばなりません。二度手間三度手間がかかっていました。

全く聞かされていない新たな問題について突然電話がかかってくると、事態を把握するまでに時間がかかりました。子どものイベントや習い事の送迎中などに突然対応を迫られるので、ストレスとなります。

義母に何度か説明したことが忘れられてしまうこともあるため、何をするにも時間がかかり、疲れを感じるようになっていきました。

義姉の我関せずの姿勢に疑問を感じるようになった頃に幹部から前述の話しを聞き、義母と義姉が同居をしても私の負担が増えるばかりになるのでは、という危機感を抱きました。

「遺産は全て義兄弟に渡す」と宣言された嫁の戸惑い

自分の子どもが高熱を出しても義実家に行かなければならないことが多々あり、疑問は膨らむばかりでした。

そんな中、義母に「私が亡くなった後の遺産は義姉に渡そうと思っている」と聞かされました。

シングルで無職の義姉を義実家に住まわせるのだから義実家の権利を渡そうと考えていることはわかっていました。

横浜のある駅からそう離れていない場所なので、土地だけでいい額です。私は遺産関係も含めた各種手続きをしているので、実際の評価額を知っています。

見返りなど求めていませんでしたが、面倒事を一切合切引き受けている今、面倒事から全力で目を背けている義姉に「家を含めて全て渡す」と聞かされて悲しくなりました。

空しくなったというのが正しいかもしれません。

家の名義変更も私がすることになるのです。

「義姉にかなり長い期間援助していると聞いていますが、いくら渡してるんですか?」と聞きたくなりましたが、義父にさえ言わなかったことを私に言うとは思えませんし、お金の使い道は義母が決めることです。

嫁には遺産分配に口を出す権利はないと思い、何も言えませんでした。

介護の負担量と遺産

遺産が欲しくて義実家に尽くしてきたわけではないのに心がモヤモヤするなんて強欲だ、と自己嫌悪に陥りながら帰宅しました。

夫にこの話をしたら、「相当な時間と労力をかけて実家の世話をしてくれてる麒麟(私)を蔑ろにし過ぎだ。娘を守って、嫁に厄介事を押し付けるなんておかしい。辛い思いをさせてごめん。もう実家とは一線を引こう。あとは姉ちゃんにやってもらえばいい」と言いました。

義母と義姉が同居を開始するまで一ヶ月あるので、その間はできることをする予定です。準確定申告(死亡から4ヶ月以内にしなければならない確定申告)の期限も近いので行かねばなりません。

義姉との同居後も義母の病院の送迎は私がすることになるでしょう。
義母は義姉がペーパードライバーなので、危ないことはさせられないと言います。

私は送迎だけをして、それ以外は手を引こうと決めました。
送迎をすることで厄介ごとを頼まれ続ける現状が変わらなければ、送迎もやめるつもりです。要介護認定がついていますので、義姉が動かなければ介護タクシー等に頼ってもらうことになります。

残っている厄介事も財産に関わることなので、義姉に引き受けてもらいたいと考えています。

「わからない」と顔を背けられるでしょうが、すべての資料は義実家にありますのでそれを見て理解を深めてもらうしかありません。私も自身で資料を読み取り調べるなどして、理解を深めてきました。

かなり厄介な問題なので、放置される可能性も高いでしょう。法的な責任が生じるため、それを含めて背負ってもらわなければなりません。

私に義母や業者から直接電話がかかってくるでしょうから、夫に間に入ってもらうなどしてフェードアウトします。

「うちは相続で揉めることなんてないと思ってたけど、やっぱり遺恨が残るもんなんだな」と夫が呟きました。

遺産の分配と介護する側の気持ち

「遺産がもらえないからといって義実家のサポートをしないのであれば、やはり金が目当てだったのではないか」と思う方がいるでしょうか。

義姉が義実家の問題を自分事に捉えて、私と同等に考えてくれていれば、これほどストレスには思わなかったでしょう。

元夫から養育費を満足にもらえず息子と二人で細々と暮らしている無職の娘と、それなりに生活をしている息子夫婦を比べたら、娘の方が心配だという義母の気持ちはわかります。

ただ……尽くし続けている私やその家族の負担が軽視されていることが辛いのです。

嫁と息子家族がたくさんの時間や労力を義母のために負担していることで、義母は娘に尽くせるのです。この事実を義母は理解していないでしょう。

感謝も心遣いも、「遺産」によって量られてしまうことを、実体験で知ることになりました。
寂しくて、さもしいです。

遺産相続問題は大なり小なり、しこりを遺すものだと知りました。

嫌な話です。自分が嫌にもなります。
それでもただ尽くし続けることが良いとも思えないのです。私には守るべき子どもと夫がいますから。

ああ、嫌だ嫌だ。

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