A.B.C-Zの心を打つドラマ「ワンモア」大人が勉強して何が悪い・第一話感想

2021年4月13日
2021年4月16日
体験・レビュー

体験・レビュー

深夜ドラマ「ワンモア」をご存じでしょうか。
ワンモアはジャニーズグループA.B.C-Zが主演を務めているヒューマンドラマです。

私はアイドルが複数出演しているドラマが苦手です。
自意識を感じる芝居が多いため、物語を邪魔して入り込めず、観るのを止めてしまうことが多いからです。（アイドルみんなではありません。怒らないで）

今回も期待せずに見始めました。

しかし、これが……とても良い！！
アイドルのためのドラマじゃない。っていうかA.B.C-Zはアイドルというより役者でした。

現在関東では第一話が終わったところです。
今後が期待できるドラマだったので、感動を記事にします。

1 ワンモア放送詳細
2 ワンモア第一話あらすじ
3 ワンモア第一話感想
- 3.1 高校に通うことには大きな意味がある
4 ワンモア・A.B.C-Zの魅力
5 ワンモアが見られる動画
6 次話が待ち遠しいドラマ

ワンモア放送詳細

「ワンモア」は名古屋のメーテレで放映されているドラマです。

ワンモア – 名古屋テレビ【メ～テレ】

メーテレでは２０２１年４月６日（５日深夜）に第一話が、１３日に第二話が放送されました。

関東のキー局では放映されていないようです。（してたら誰か教えてください）

横浜在住の私が見たのは、TVKという神奈川県のローカル局で放送されていたものです。
TVKでは２０２１年４月１０日深夜に第一話が放送され、今後継続して放映予定です。

TVK、やるな！？

その他、動画サイトで観ることができます。後述します。

ワンモア第一話あらすじ

献身的にゴミ拾いをするアルバイト警備員、水野真二郎（五関晃一）は、学生のころからずっと夢だった職に就職が決まったことを同僚に報告する。諦めなければ夢は叶うのだと希望に満ち溢れていた。

谷部木材で働く火村直哉（戸塚祥太）は一人黙々と作業を進める中、先輩大工から嫌がらせを受けていた。
事務員から二級建築士の試験を受けたらどうかと勧められるが、火村は乗り気ではない。そこに先輩が「こいつは中卒で、漢字も読めないから無理」と横やりを入れられる。腹を立てた火村は「中卒と同じ仕事で同じ給料の自分が恥ずかしくないのか」と言い返して喧嘩になる。

仲裁に入った谷部木材の社長、谷部譲治（宇梶剛士）は「もう少し（人間関係を）上手くやれ」と火村に促す。谷部は火村の仕事ぶりを評価する反面、人間関係が上手く行かないことを心配していた。火村はコミュニケーションを不要と言い捨て、谷部の心配を退けた。

「風間」の表札がついた立派な邸宅。ある一室はカーテンが閉じられていて薄暗い。テーブルに置かれたDJコントローラーがゴミに埋もれている。この部屋で風間翔（橋本良亮）が一人、パソコンでオンラインゲームに興じている。母親の「行ってきます」の声がドアの外から聞こえ、窓から門をくぐって出ていくのを確認すると、風間は部屋を出て日用品や食料など部屋で必要になるものを集め出す。そこに母親が戻ってきて驚いて部屋に駆け込む。「財布を忘れただけ」と母親が言うが、風間は何も答えない。ベッドに倒れ込み、顔を覆う。

アラームで目覚めた地井誠（河合郁人）は隣に見知らぬ薄着の女性が寝ていることに驚く。昨晩バーで出会った女らしいが、覚えていない。冷たく帰るよう求める。何でと問われ、夜の仕事をしていると答える。

火村は二級建築士の資格を取るための本に興味を持つが、先輩にからかわれたように漢字が上手く読めない。

警備服を脱いでジャケットを着た水野は、眼鏡屋で理想の銀縁のフレームを探す。

風間は父親が部屋に来たことに焦る。父親はドアを開けるよう求めるが、風間は拒否し、部屋の隅に隠れた。

「シロイヌヤマダ宅配便」で宅配員をしている空田公平（塚田僚一）が家に帰ると、小学生の娘が出迎える。空田はシングルファザー。妻は亡くなっている。急いで食事を作り、子どもの世話をする日々を送っていた。

火村が資格の本を読んでいると、先輩が「お前には無理だ。バカなんだから」とちゃちゃを入れに来る。火村は怒るが、手を出さないよう堪える。「バカだから勉強するんだろうが」と火村は呟く。その姿を谷部社長が見守っている。

火村は図書館で辞書を引きながら資格の本を読み進めるが、上手く進まず苛立ちを覚える。

水野は銀縁眼鏡を手に入れたあと洋品店で理想の赤色のジャージに着替え、竹刀をもって銅像を前にイメージトレーニングをしていた。「今日からお前らの副担任になる水野だ」と繰り返す。

地井は淡々と日々のルーティンをこなし、仕事へ向かう準備をしている。
地井は「地井誠　教師」とスマホに打ち込み、検索をかけてため息をつく。

空田は宅配先の個人宅で、時間指定をしたのに荷物が届かなかったとクレームを受ける。時間通りに届けたが不在だったと伝えると、クレームはヒートアップ。ひたすらに頭を下げることとなった。積み荷が乗ったトラックに戻ると急いで娘に電話をかける。「今日はご飯が作れなそう」と伝えると「（作り置きされた）カレーを温めるから大丈夫。勉強頑張ってきて」と娘が答える。

風間は部屋でオンラインゲームに興じていたが、１７時前になったのを確認し、ゲームを終える。家の音に聞き耳を立て、急いで家を出ようとする。そこを両親に見つかり、「今更あんなところに通ってどうするつもりだ」と咎められる。兄を見習い、さっさと高卒認定を取るよう一方的に責められる。

風間は息が荒くなり、頭を抱えて叫び出す。その様子は尋常ではない。叫んだまま玄関を飛び出し、両親が止めるのも聞かず走り去る。

喫茶店で火村が勉強をしている。近くのテーブルで高校生男女四人組が定期テストの感触を話し、盛り上がっている。一人の女子高生が別のテーブルを指し「あれはヤバい」と言い出す。指された先には、老人男性がひらがなの勉強をしていた。「マジウケる。可愛い」と聞こえるように笑って盛り上がる高校生。その中の一人の女子高生だけは、からかいを止めようとしていた。

高校生たちは、同じ高校の定時制に通う老人であることに気が付く。目の前で老人がからかわれていることに抵抗を感じる火村。
「今更小１（小学一年生）の勉強をしても遅い」と笑う高校生。火村は高校生と職場の先輩を重ね、怒りを募らせる。火村は高校生たちに「大人が勉強して何が悪い」と呼びかける。高校生が食って掛かり、胸ぐらを掴みあったところを店員に止められる。

火村は谷部社長と警察署を後にする。谷部に謝る火村。周囲の客が高校生の方が悪かったと証言したことで、大きな問題にはならなかったのだから気にするなと谷部が言う。

「よく我慢したな」と火村を褒める谷部。「いつか迷惑をかける。だから……」と言いかける火村に、「身元引受人を辞めてもいいのか。執行猶予はあと一年だろう」と諫める。「でも俺、バカだから」と言って頭をもたげる火村に、「お前はバカじゃない」と目を見て話す谷部。「俺と賭けをしないか」と谷部が持ち掛ける。

学ランを着た空田が、娘に見送られて家を出る。

うなだれながら路地を歩く風間。

スーツを着て、どこか憂いを感じさせる歩みで進む地井。

同じくスーツを着て真っ直ぐ前を見てシャキシャキと歩く水野。

何かを考えながら、でも決して後ろ向きには見えない歩みの火村。

皆が入っていたのは夕方の高校だった。

定時制１－Aの教室。

この日から通う生徒として火村が紹介される。
だるそうに紹介したのは、定時制教師である地井だった。

机には空田、風間、喫茶店でからかわれていた老人と、他男女一名ずつが座っていた。

そこに銀縁眼鏡、赤いジャージ、竹刀を持った水野が現れる。
呆気にとられる生徒たち。

「今日からこのクラスの副担任になる水野だ。よろしくな」と決め顔で自己紹介をする。

《第一話終わり》

ワンモア第一話感想

事前情報を全く知らないまま見たので、舞台が定時制高校とも知らなかったのですが、火村と喫茶店の老人の描き方でテーマがよくわかりました。

演技も演出も、音楽も良かったです。

「大人が勉強して何が悪い」という一話のタイトルもまたいい。
「ワンモア」というタイトルの意味も分かりました。

高校に通うことには大きな意味がある

記事に書いたことがありますが、私は高校時代に中卒の彼氏がいました。
同じ中学の同級生で、家の事情で進学できなかったのです。

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中卒で働ける先は、非常に安い賃金の職場しかありませんでした。手取りで１２万円ほどだったと思います。
当時は働き始めた初年度でしたから、前年度収入分の住民税は引かれていません。翌年にはさらに安い手取りとなったでしょう。
家族を養うどころか、一人で暮らすのも難しい額でした。

継父と仲が悪く、家に居場所がない人でした。継父と母の性生活の音を聞いて育ち、よく殴られていました。彼は度々、実の父親に会いたいと話しました。環境のせいなのか元々の性質なのか、素行が良い人ではありませんでしたし、勉強が好きだったわけでもありませんが、「俺も高校に行きたかった」と言いました。「なんで俺は働かなきゃならないんだ」とも。

私と別れた後、地方にいる実父を頼って塗装屋になったと聞きました。技術力に学力は一見関係ないのですが、技術力を高めるために学力が必要なことがありますし、学校でしか経験できないこともあるのですよね。

定時制を勧めたこともありましたが、断られました。夜拘束される生活を４年間過ごさなきゃいけない、学費もかかる。年齢も環境も違う人たちの中に一人で入って行かなければならないということに抵抗を感じているようでした。実際定時制の卒業率は６０％と言われていて、実に４割が中退しています。夜学に進もうって思えるだけでも、彼らにとっては大きな勇気なのだと知りました。

それを思い出したドラマでした。

風間君が親の反対を押し切って自ら夜学に通っていることに感動しました。風間君、あんた凄い根性だよ！！　なんで親は褒めないんだよ！　子どもの意欲潰すなよ、あんたたちの息子、頑張ってるじゃん！！　とドラマを観ながら思いました。

どの登場人物も事情を抱えています。
全日制より定時制に通う生徒の方が、事情を抱えている生徒は多いでしょう。

「ワンモア」の登場人物たちが今後どう変化していくのか楽しみです。