A.B.C-Z珠玉ドラマ「ワンモア」大人が恋して何が悪い・第三話感想

ワンモアはジャニーズ事務所のアイドルグループA.B.C-Zが主演を務めるドラマです。

アイドル色は一切なく、心を打つストーリーとなっています。

一話、二話の感想は別記事に書いています。
ワンモアをご存じない方はこちらからご覧ください。

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ワンモア第三話「大人が恋して何が悪い」あらすじ

定時制高校の生徒である風間翔(橋本良亮)が、昇降口前で全日制生徒の下校を待っている。

ヘッドフォンをしてスマホでゲームに興じているようにみえるが、昇降口を気にしている。

チャイムが流れ、諦めたように教室に向かうと、ポニーテールの女生徒“志保”とすれ違う。
志保は定時制教室に入り、机に残した忘れ物を確認している。それを見つめる風間。

志保が忘れものを手に取り教室を出ようとしたところで風間と目が合い、気まずそうに一礼して去る。
咄嗟に志保の後ろ姿をスマホで撮影しようとする風間。しかし撮れなかった。

風間は教室に入り、彼女の机に座って身を伏せ、机に頬を寄せた。

定時制の始業時間となり、教室が賑やかになる。
副担任の水野真二郎(五関晃一)が点呼をとるが、風間はいつものように返事をしない。

授業に無関心な風間。その様子を火村直哉(戸塚祥太)が見つめている。

クラスメイトの沖田里奈がイヤリングを落としたことに気づき騒ぐ。クラスメイトが揃って探すが、風間は無関心で教室を出ようとする。足に当たるものに気付いて見ると、皆が探しているイヤリングだった。

何気なく拾い上げた風間の様子を見て、「あった!」と喜び駆け寄る沖田。
風間は手渡すことなく、机に置いて教室を出ていく。呆気にとられるクラスメイト。

「昔はみんなあんなものだった。出兵が決まってようやく空いた女に思いを打ち明けることができる……」と年配生徒の片山昭三(渡辺哲)が語る。※しかし彼は戦争を体験していない。

風間は一人、自室にいる。※学校以外は部屋に閉じこもり、家族と会話をすることも姿を見せることもほとんどしない引きこもり。

母親がおはようと声をかけ、部屋の前に置いた食器を下げて行く。
リビングでは、風間の父と普段は別居している兄(はやと)が食事を摂っている。

兄が家に居られる二、三日の間に、兄弟で顔を合わせられるといいのだけど、と心配する母に、父は「無駄だ。(兄と)同じように育てたのに、どうしてこうなるんだ。」と吐露し、兄に「お前がいてくれて本当によかった。病院はお前にかかっているからな」と期待を寄せる。複雑な表情で頷く兄。

母が出かけ、いつものように家族の目を盗みリビングで必要な物を集める風間。
部屋に戻ると、机の椅子に兄が座っていて驚く。

「お前、ずっとゲームしてるの」と兄が言ったのをきっかけに、声にならない声を上げ、兄の前に置いてあるノートPCを奪ってベッドにうずくまる。

「昔はよく一緒にやったよな」という思い出話しから始まり、父親が経営する大病院に移ることになったと報告する。
兄が自分のスマホを触ったことに気が付き、スマホを奪おうとしてもみあいになる。

「いつまで引きこもっているつもりだ。いい加減目を覚ませ!」と叫ぶ兄を部屋から押し出し、ドアを閉めて鍵をかける。
「甘えるのもいい加減にしろ! 時間が止まったままでいいのか!」とドアを叩く兄の声を聞きながら、ベッドや壁に枕をたたきつけて暴れる風間。言葉はなく、悲鳴のような息遣いののちに床に倒れ込み「うわあぁぁぁぁ」と叫んだ。

風間が昇降口に入ろうとしたところで、志保と鉢合わせする。
しばし目が合うが、挨拶することもなく過ぎ去る二人。

風間は志保を振り返り、スマホで後ろ姿を撮影する。それを背後から見ていた志保の友人3人組が風間の腕を掴み、「志保のこと盗撮した?」と問い詰める。

戻ってきた志保と友人たちに囲まれて動けなくなる風間。「スマホ見せてよ」と詰め寄られているところに、風間の担任地井誠(河合郁人)と水野が通りかかる。

間に割って入る水野。「風間君がそんなことするはずない」と庇う。

友人達に「確かめてください」と詰められ、地井が風間に「スマホを見せてやれ」と言うが、風間は動かない。「見せろ」と盛り上がる友人達に志保は「どうでもいいから! 気にしてないし騒がれるのも迷惑。定時制の人とは関わりたくない」と言う。

驚いて志保を見つめる風間。

定時制生徒は、努力して来なかったから今頃学校に通っている。社会に甘えている人は嫌いです。と志保が言うと、水野は「それは違う」と告げるが、バイトがあると言って志保は去る。

友人3人がスマホを見せろと騒ぐ中、水野は呆然とする風間を連れて教室に入る。

その様子を見ていた沖田が、定時制のクラスメイトに顛末を話す。
風間はいつものようにヘッドフォンで耳を塞ぎ、ゲームに興じている。

風間に話しかけようとする水野を地井が止めるが、「まだ始業まで30秒あるから」と風間に近寄り、「言いたいことははっきり言えばいい。自信を持って。言葉は人類だけが手に入れた最高のツールなんだ」と伝える。

30秒経ったからと地井が授業を始める。クラスメイトは席に着くが、皆が風間を気にしていた。
「やってると思うな、風間は」と沖田が言う。

風間のスマホを奪い、中身を確認する火村。風間は奪い返そうとするが、火村が止める。
スマホを見て固まる火村と水野。スマホを持って風間は教室を飛び出す。

それを追うクラスメイト。廊下で風間がスマホを落とし、空田公平(塚田僚一)が拾う。そこには志保の写真が表示されていた。
再度スマホを奪い、去ろうとする風間に「その子のことが好きなんでしょ。写真を見ればわかる」と空田が声をかける。
立ち止まる風間。

「やっぱり撮ってたんだ」という沖田に「そういう片思いもある」と片山が言う。

「このまま終わらせちゃダメ。ちゃんと彼女に伝えよう。気持ちは伝えられるときに伝えなきゃ。明日何が起こるかわかんないんだよ」と空田が続ける。片山が手紙を書けと封筒と便せんを差し出す。文字が書けず、口でうまく話せない片山は、妻に感謝を伝えるために手紙を書けるようになりたいと思い学校に通うようになった。その気持ちを忘れないように便箋を持ち歩いているのだと告げる。

黙って佇む風間に「何を書いたらいいかわからないのか? そうか、初恋か」と片山が言う。今更初恋ではないでしょ、と笑う沖田に「今更初恋の何が悪いんだ」と片山が一喝する。

「ありのままを書けばいい」と手渡された便箋を持って、帰宅する風間。

無人のリビングで水を飲んでいると、兄が現れる。「いつまで逃げているつもりだ。俺だってお前と比べられるのが嫌だった。でも俺には引きこもることができない。お前が羨ましかった。お前は俺と違って自由だ。だからもったいないことをするな」と告げる。

無言で部屋に駆け込む風間。ドアの前でうなだれると、「社会に甘えている人は嫌い」という志保の言葉、「言いたいことははっきり言えばいい」「気持ちは伝えられるときに伝えなきゃ」という水野や空田の言葉を思い出す。

机に座り、便箋を取り出すと、思いの丈を綴り始める。
謝罪の言葉から始まり、学校の図書室で見かけていたこと、志保への思いを書き連ねた。

志保は自分の机に身に覚えのない便箋が入っていることに気が付く。
周囲を見渡し、読み始めると、友人が手紙を奪ってからかった。

定時制の始業前、教室のゴミ箱に見覚えのある柄の入った封筒が捨てられていることに、クラスメイトのグエン・ギャン・ミャン(鈴之助)が気が付いて拾う。水野やクラスメイトは一様に何が起こったかを理解する。片山は慌てて隠そう(?)とするが、その声で風間は手紙が捨てられたことに気が付いてしまう。

風間は慌ててグエンの手から封筒を奪い取る。

「ラブレター書いたんだ。見直した」と慰める沖田。「大きな前進だ。初恋は実らないものだ」と言う水野に、「諦めるのはまだ早い」と言う空田。「追えば追うほど傷つくこともある」と片山達が話し、それぞれが風間を勇気づけようとする。

風間は「お前らはバカだ。何もわかってない。ここにいるのはクズばっかだ」と発狂し、机を押して暴れる。
「喋った!」と感激する水野。クラスメイトは意外にも友好的に受け止める。

火村は「お前が俺をクズって思ってることだけは伝わった。他には何かないの。聞きてぇよ」と詰め寄る。興奮はしているが、落ち着いた声で「大人が初恋して何が悪い」と言う風間。

授業始めるから席につけと地井が言い、生徒たちが動き出す。
水野は落ちた封筒を拾った。

志保は図書室で返却棚を見ていた。司書に返却を待っているのだと告げる。貸出状況を調べていると、風間が返却棚に2冊の本を戻しに来る。
志保と目が合うが、反応することなく去っていく風間。

志保が借りたかった本を風間が借りていたことに気が付く。
廊下を歩く風間の後ろ姿を見つめる志保。

喫茶店で志保の友人3人が盗撮事件がうやむやに終わったことに苛立っている。
一人がスマホである記事を発見し、喜ぶ。そこには「わいせつ教師」と題された記事と地井らしき写真が載せられていた。

第三話終わり。

ワンモア第三話感想

引きこもりが恋をした話

一般生活で出会っていたら、風間は非常に怖い人です。
しかし背景を見ていると、応援したくなる人でした。

兄やクラスメイトの言葉で、志保に手紙を書くという勇気ある一歩を踏み出しました。素敵でした。

クラスメイトも愛が籠っていましたね。

空田は妻を亡くしているからこそ、気持ちを伝える大事さを知っているし、諦めないでと勇気づける気持ちがわかります。
火村は言葉は上手くないですが、風間が溜め込んでいることをわかっていて、思いを吐き出させようと発破をかけます。

ワンモアのHPによると、風間はIQ164の秀才。父親は医師で大病院の理事、兄はその病院の外科医で人から羨まれる環境にありながら、兄と比べられたことで心を閉ざして引きこもるようになったそうです。風間が定時制高校に通い出したのは家に居たくないからだとか。

……でもね、引きこもりが定時制に自ら通うなんてそれだけですごい勇気です。例え通う動機が「恋」だけだったとしても、素晴らしいことだと思うんですよね。学校って、絶対に通わなきゃいけないところではないんだけど、一人では経験できないことに出会える大切な場所だと思います。

私は不器用な男性が好きなので(完全なる好み。人からは趣味が悪いと言われます)風間を応援したくてたまらなかったです。

恥ずかしながら、風間翔役の橋本良亮さんを今作で初めて知りました。
どんな人か全く知らないのですが、芝居がとてもいいですね。セリフがなくても全身で演じていました。暴れているシーンは、心の底から辛いのだろうと感じて胸に響きました。
そして……志保さん、あの友達と付き合ってて大丈夫!? かなり性格悪いけどといつも憤りを感じます。

家族に追い詰められたら

別記事に書いたのですが、私の夫も実は“(割と)よい家”に生まれています。

夫も他者と自分を比べて、非常に臆病なんですよ。ドラマのように親にあからさまに比べられたわけではありませんが、良い家に生まれてすごい父親がいると、それだけでプレッシャーになるんですよね。

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プレッシャーの中自分らしさを保つためには、家柄など関係なく、自分だけを認めてくれる第三者の存在が必要だと感じています。
私が夫と出会った時、夫はコンプレックスの塊でした。今まで出会ってきた誰よりも、自分を意味の分からないプレッシャーでがちがちに縛っている人でした。
いい家柄の人には見えなかったし、私もそれを求めていなかったので、結婚する直前に父親について知らされたんです。驚きました。その後初めて会った夫の両親は、夫に強制することもありませんしいい人たちなんですが、なんとなく親に意見できない夫の幼少期が想像できました。
地位を築いた人がもつ、独特の確固たる自信が、子どもにはプレッシャーになるように思いました。
結婚後、私と夫は良好な夫婦関係を築き(一度超特大の離婚危機がありましたが)、結婚前よりかなりコンプレックスが減ったようです。それでも臆病なところはありますが。
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父親とは違う道に進む方が、自分を肯定しやすくなるように思います。同じ業界にいると周囲が家柄や父親を知っていたりして、疑心暗鬼になりやすいですから。
風間の家庭は息子に父親と同じ道を勧めているようですから、逃げ場がなく辛いでしょうね。

子どもの逃げ場

私は三姉妹を育てる母親です。
長女が小学校一年生の時、登校拒否になりかけたことがあります。

子どもが引きこもる時、そこには何かがある時なのだと思います。
傷ついた心と体を癒すには、休息が必要で、ゆっくり休める場を作るのは親の役目だと感じました。
普通に学校に通ってほしいと焦る気持ちや期待する気持ちはとてもよくわかるのだけど、親が急かしたら悪化するばかりです。
もちろん本人の性質の問題がありますから、子どもがある程度の年齢になったら親の責任ばかり責められないとは思うのですが、子どもが何かしらの兆候を示した時は、親は自分の言動を今一度見直す必要があるように思いました。

ワンモアが見られる動画

ワンモア第三話は名古屋メーテレにて2021年4月19日に放映されています。
関東では2021年4月24日深夜に神奈川県のローカルチャンネルTVKで放映されました。

千葉テレビでは2021年5月6日、夜10時スタートで「ワンモア」の放映が開始されることが決まっています。

四話予告動画

メーテレでは4月26日に4話が放映されていますので、現在第5話まで予告動画が公開されています。

五話予告動画

TVer

TVerでは5月4日0時48分まで第四話を無料で観ることができます。(2021年4月28日現在)

4月26日にメーテレで放送されたものです。TVKではまだ放送されていません。

Amazon Prime Video

Prime Videoでは現在1~4話を見ることができます。

Amazon Prime会員は無料で視聴ができます。

地井先生に期待

第四話は地井先生が主役です。

TVerで先取りして観ましたが。ふふ。
ワンモアの彼らは、皆抱きしめたくなる頑張り屋が多いのでとても好きです。

 

興味のある方は是非ご視聴ください。
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