尊敬する親の存在が子どもを臆病にさせる?立派な父親を持った息子のストレス

突然ですが占ってもいいですかという番組で、占い師の木下レオンさんが四千頭身の石橋さんにこう指摘していました。

育ちがよく、親に劣等感を持って育っている。
強いプレッシャーの中で育ったため、プライドが高くなった。
育った環境の影響から失敗を恐れるようになり、挑戦するのが怖くなっている。
石橋さんの父親は学校長を務めており、兄も成績優秀。石橋さんは家族に恥じないよう、失敗しないようにと縮こまる傾向が強いと言います。四千頭身の後藤さんは、石橋さんのそんな態度に解散を考えるほどぎくしゃくしていたと証言しました。
石橋さんは指摘されたことに深く納得し、後藤さんや都築さんは事実を知って「え、そうなの!?」と驚いていました。
それを見ていた私は、一緒に番組を見ていた夫を振り返りました。
何を隠そう、私の夫は育ちがよいのです。
そして失敗を非常に恐れ、挑戦をしないタイプです。ちょっと臆病すぎるんじゃないの? と不思議に思うくらい。
石橋さんに似ている……。

尊敬する親の存在が子どもを臆病にさせる?

立派な父親

夫の父親(私から見た義父)は高学歴で社会的地位があり、ある大手企業の名誉〇〇という名を持っています。
講演会の依頼を受けて年間それなりの回数をこなし、ラジオやテレビ出演もしていました。現在は高齢になり断ることが増えていますが、未だに取材依頼が来ることがあります。執筆活動も続けていて、優良図書に指定されている本もあります。

私と夫の結婚が決まり、夫の父親について聞かされた時は信じられませんでした。義父は皆無と言っても過言ではないくらい威圧感がない、普通のお年寄りだったからです。

武勇伝を語ったり、俺は偉いんだぞという自己顕示欲がありません。人の発言を遮ることもしません。
ファミレスにはいかない、プラスチックの寿司桶は好まないなどの好みや、人の手を借りず自分で解決しようとするこだわりはありますが、周囲が困り果てるような押しつけはしません。

不動産などの資産運用はしていますが目先の儲けに飛びつくことはなく、暮らしも派手さがありません。
しかし夫は父親に意見ができません。

周囲からの比較

職業が特殊だったこともあり、近所や業界には夫が息子であることが知られていました。「お父さんすごい人だね」と言われて育っています。父親を自慢に思いますし、尊敬もしています。反面、確実に大きなコンプレックスでもありました。
父は仕事で海外に出ていて、長期不在にすることが頻繁にありました。専業主婦が多い時代で経済的に裕福であるにもかかわらず、母親は独立心が強く働きに出ていました。年の離れた姉はいつも不在で、小学生の夫はお腹が空くと一人で冷蔵庫を漁り、簡単な食事を作って一人で食べていました。
派手な暮らしはしていないのに「坊ちゃん育ち」と言われることのギャップを感じていました。
父親はすごい人なのに、恩恵を受けているわけではない。
自分は普通でいいところがない。
自分がおかしなことをすると父親の評判に傷をつける。
夫は難病を抱えていたこともあり(当時は病名がわかりませんでしたが、明らかに一般と違うことを自覚していました)、コンプレックスにまみれて育ちます。

学歴や職歴と言う見える評価

父親は当時日本のトップ大学より難しいと言われていたある学校に入学し、成績優秀者として卒業しています。夫はよい学校に入るよう強制されることはありませんでしたが、暗にそれを求められているように感じて勉強が嫌いになり、偏差値が決して高くない高校に入学しました。
自分が勉強をしないからレベルの低い学校に入ることになったにも関わらず、父親と違って俺は頭がよくないとコンプレックスを強めます。バイクに乗れば格好いい自分になれると思い、学校に行かず住み込みでバイトをしたりと突拍子もない行動に出ることが度々ありました。
臆病なのか大胆なのかよくわからない状態です。
結果的に4年間かけて高校を卒業し、専門学校に入学。そこで質の悪い生徒にからかいの標的にされてぼこぼこに殴って退学。別の専門学校に入りなおしています。

感情の捻じれ

度々やらかしているものの、いわゆるヤンキーとは違います。
見た目も態度も話すことも至って真面目。殴った相手の実家に自ら頭を下げに訪れると、あまりの真面目さに驚かれ「うちの息子(殴られた方)は君に何をしてしまったの?」と聞かれたほどだったと言います。
夫は感情を溜め込み、吐き出すことが苦手です。そこに圧倒的理不尽が重なると爆発する傾向がありました。
別の専門学校を卒業後、いろいろな職種を転々とした後に父親と同業界に転職します。
前職に勤めているときに仕事ぶりを評価され、引き抜かれる形で転職しました。父親が誰であるかは知られないまま引き抜かれましたので、忖度やコネがあったわけではありません。
しかし転職後に知られることになり、入社の経緯を知らない同僚にはコネ入社だと勘違いされることがありました。(同業界ですが同業種ではありませんので入社後恩恵を受けることはありません)
夫は常に「父親と自分は違う」と思ってきました。

立派な父親を持った息子のストレス

私が夫と出会ったのは夫が30代に入ってからでしたが、その時は「父親とまともに会話をしたことがない」と言っていました。
「俺とは違う」と頻りに父親と自分を比べていることが気になりました。

男性のプレッシャー

夫も夫の母親と姉も、父親を尊敬し、自慢に思っているのは同じでした。
しかし母親と姉が自分と父親を比べることがないのに、息子である夫は比べて劣等感にまみれています。

性格も影響しているのでしょうが、男女の差が大きいように感じました。

男は家を継ぎ、家族を支えるもの。
一家に恥じない男になれ。

こういった社会の目がプレッシャーになっているようでした。

あそこの旦那さん、有名人で社会的地位がある人なのに、息子は学力が低い学校に行って、微妙よね。
子どもを甘やかしたのかしら。
実際に言われたわけではないのに、こう言われているように思ってしまっていたようです。

自意識と劣等感

父親が日本に帰って来た時、当時10代後半だった夫が父親を迎えに行ったことがありました。当時夫は、金髪に近い茶髪でした。予想に反し父親の部下たちに自分の姿を見られ、父親に申し訳なかったと言います。「こんな息子で恥ずかしいんじゃないか」と思ったというのです。

父親は頭髪を咎めていませんし、当時通っていた学校の校則違反でもありません。10代後半から学生時代の遊び心のある頭髪は、一番羽目を外しやすい時期なこともあり、珍しいことではありません。

夫と出会ってその話を聞いたとき、「気にしすぎじゃないの?」と不思議だったのですが、冒頭で紹介した四千頭身石橋さんの話を聞いて、繋がりました。

家や血統を守るストレス

ある地主一家から聞いた話です。家族で外食に行き、注文と違うメニューが出て来ても店に指摘できないと言います。
誰が見ているかわからない。指摘して「クレームをつけた」と勘違いされ、噂を流されたら家に傷がつくと言うのです。

親が築いてきた信頼を損ねたくないという思いの表れでした。
これを聞いたときは気にしすぎじゃない? と驚きました。因みに地主の嫁も「そんなこと気にしなくても」と思ったようですが、黙らざるを得なかったとか。

もちろん性格もあるのでしょう。親を笠に、自分の地位を勘違いして遊びまわる放蕩息子が世の中にはいるようです。四千頭身の石橋さんや私の夫のようなタイプは、笠に着ることはしたくない。立派な父親のようになりたいけどなれない、というギャップに苦しんだ結果、臆病になるのかもしれません。

親のプレッシャーからの解放

プレッシャーの放ち方

木下レオンさんは四千頭身石橋さんに髪の分け目を変えれば、スムーズに心を開けるとアドバイスしていました。

石橋さんは分け目を左頭頂部に持ってきており、右側を隠しています。右側を隠している人は左脳を使っていると聞いたことがあり、逆にして右脳を使うようにしようかと思っていたと石橋さん自身が話していました。

右脳の役割:視覚 直観 空間認識 創造性 左半身の動作制御
左脳の役割:言語 理論 分析 計算 右半身の動作制御
しかしわが夫は、分け目がありません。右脳も左脳もフリーダムです。この手は使えない……。

コンプレックスからの脱皮

夫は私が出産後に不満を溜め込み、膨らませ爆発。ストレス解消と称してパチンコ中毒になり、勝った金で風俗に走って私がブチ切れて離婚を突きつけるという事態になりました。(恨み籠る表記)
夫が爆発しなくなったのは、離婚騒動で大騒ぎになりとことん話し合いをしてからです。
俺はいい夫ではない。いい父親にもなれないと自分を責めていたと言いました。
失敗してもそれであなたの価値が落ちることはない。皆完ぺきではいられない。
私もあなたも足りないことがある。二人で支えあえると思ったから結婚した。
弱いところを隠すのではなく、出せるほうがむしろ格好いい。
こういった話を日にちや時間をかけてとことん話しました。
私が夫の父親のような夫像を求めていないと知ったことや、「受け入れられている感(本人談)」を実感した夫はそれ以降全く爆発しなくなりました。
夫の母は、夫には父親の立派さだけを伝えていましたが、夫の姉や嫁の私には「お父さん(夫の父親)も子どもっぽいところあるからねぇ」と愚痴をこぼします。同性である女性には愚痴を言いやすいのでしょう。夫も愚痴を聞いていたら、プレッシャーが少しは軽くなったのかもしれません。かと言って、夫の母のせいではないのですが……。
爆発はしなくなったし以前より軽くなったものの、未だ夫は失敗を怖がり、自尊心を守る傾向が強いです。
アレクサに話しかけるのも恥ずかしがり、まともにつかえるようになるまで一年かかりました。
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それでも少しずつ変化しているのを感じます。
自分の価値を認め、絶対的に受け入れてくれる人がいるという人の存在が、プレッシャーから解放される手段なように感じました。
受け入れてくれている人の存在に気付こうとする、本人の努力も大切です。
周囲がどれだけ手を差し伸べ支えようとしても、本人が見ようとしなければ意味がないからです。
私の場合は夫の有責があり、私が離婚というパワーワードを突きつけた時でしたので、夫側に焦りと受け入れる姿勢があったのがラッキーでした。

突然ですが占ってもいいですかはFODで観られます

「突然ですが占ってもいいですか」の再放送があるのかなと調べてみたら、FODで観られるようです。

無料トライアルもあるようなので、興味のある方は観てみてください☟

 

どなたかの参考になりますように。

 

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