譲渡型猫カフェ「にゃんくる」「レオン」レビュー・保護猫譲渡までの流れと信念

保護猫の引き取りを希望しているわが家が、神奈川県鎌倉にある「にゃんくる」と石川町にある「レオン」に行きました。

にゃんくるグループの取り組みには、学ぶべきことがありました。

グループの信念と譲渡までの流れを以下にまとめました。

にゃんくるとは

にゃんくるは譲渡型猫カフェの店舗名です。

にゃんくるグループ店舗

運営会社は株式会社アンビシャス。
現在は神奈川県を中心に5店舗と、名古屋に1店舗のグループ店を展開しています。

神奈川4店舗
石川町猫カフェ「れおん」
川崎 「にゃんくる」
鎌倉「にゃんくる」
桜木町「にゃんくる」
東京1店舗
蒲田「にゃんくる」

にゃんくるグループ成り立ち

アンビシャス初の店舗は横浜店「レオン」です。
横浜石川町駅から徒歩一分に位置する場所に、2008年10月25日にオープンしました。
その後2013年に川崎店、2015年に鎌倉店、2016年に桜木町店と蒲田店、2018年に名古屋店を展開しています。

リトルキャッツ提携店舗

アンビシャスが運営する店舗は、犬猫レスキュー団体である特定非営利活動法人「リトルキャッツ」(山梨県甲斐市)から猫を迎え入れ、里親希望者に譲渡することを目的としています。

譲渡型猫カフェとは

譲渡型猫カフェは、猫が保護されている場所に里親希望者が足を運ぶスタイルの譲渡場です。

猫は神経質な動物で、環境の変化に大きなストレスを感じます。
特設の譲渡会で知らない場所に連れて行かれ、知らない人に見られることは大きな恐怖となります。

人間と同じように猫にも個性があります。例えば血統書であれば性質の傾向が言われることがありますが、実際は猫によって性格が変わります。勝気な子もいれば、臆病な子もいる。猫が嫌いな猫もいれば、人間が嫌いな猫もいますし、嚙み癖がある子、爪を出しやすい子、走り回り続ける子等様々です。

猫がストレスを感じているときは縮こまったり怒ったりしているので、性格や普段の様子をうかがい知ることができません。譲渡型猫カフェはリラックスした猫の様子を見ることができるので、よりその後の生活が想像しやすくなります。

先日私が参加した譲渡会の猫も、ケージの奥に身を寄せて息を荒くし、びくびくしていました。ちょっと気の毒になるくらい……。
子猫は好奇心が勝ちますし、何が危ないかもわかっていないのでリラックスしていますが、生後半年を過ぎると緊張するようになってしまうんですよね。

また、譲渡型猫カフェだからと言って、譲渡希望者でないと利用できないわけではありません。
何らかの理由で猫を飼えない方、多くの猫と触れ合いたい方も多く利用されています。
利用料金は保護猫の経費や店舗運営に利用されます。保護猫活動の寄付に近いですね。

譲渡会から譲渡型猫カフェへ

私は猫カフェに行ったことがありませんでした。
実家で猫を飼っていましたし、実家を出て数年後に保護猫を引き取り育てていましたので、特に猫を見に行くという感覚がなかったんです。

昨年愛猫を亡くし、闘病生活で愛猫が苦しむ姿を見ていました。心がすり減るような恐怖心を味わい、別れは辛く、数年は猫を受け入れるつもりがありませんでした。

しかし5か月が経った今。未だに愛猫を思い出すと胸が苦しくなりますが、新たな子を受け入れたいと考えるようになりました。

すぐに欲しい! とは思っていませんが、いい出会いがあったら引き取ることを考えようと、里親募集の出ている保護猫を探すようになりました。そして譲渡会に参加しました。

希望した子は応募者が多く、倍率は10倍を超えました。一定の基準をクリアしている応募者から抽選になると言われ、落選しました。
因みに一番多くの応募者がいた子猫は、30倍になっていたようです……。すごいですね。

約20年もの間、殺処分を減らすために多くの法人やボランティアが尽力したお陰で、都市部の野良猫が目に見えて減っていると言われます。そこに昨今の猫ブームが到来し、一気に猫の里親希望者が増えたわけです。

約17年前に亡き愛猫を引き取った時には考えられない事態です。しかしペットショップに殺到して血統書を守るために近親交配の子が増やされるよりは、里親希望者が増えることはいいことだと思いました。

反面、猫を家族に迎え入れたいと思った時に出会いに恵まれなくなるんですよね。良いことだとわかっているのですが、猫を流行りに乗って飼おうという人がいることに、少し複雑な気持ちになりました。それがきっかけで本当に飼い猫を愛してくれるならいいのですが……。

にゃんくる鎌倉店

いい出会いを探して「にゃんくる鎌倉店」を訪れました。

営業日
元旦以外年中無休
営業時間
11:00-20:00
住所
神奈川県鎌倉市小町2丁目1-21原ビル2F
電話
0467-38ー7750

鎌倉店場所

鎌倉駅から徒歩5分、観光地である小町通から少し外れた線路沿いにあります。

私は車で行きました。
ちょうど近くにコインパーキングがありましたので、そこを利用しました。
観光客がいますし、狭い道ですのでドキドキしますが、便利な場所に駐車場があります。

鎌倉店行き方

鎌倉駅から徒歩

鎌倉駅東口を出て左方向に進むと、観光商店街として有名な小町通りが見えます。
鳥居が目印です。改札口から見えます。

小町通を北方向に進むと、左側に鎌倉壱番屋があります。
そこを左に曲がり直進します。

静かな住宅街に入っていきます。
え、ここの道で合ってる? と思うかもしれませんが合っています。

少し進むと左手に現れる建物2階に店があります。

一階は飲み屋です。

飲み屋の右手を奥に入ると、階段があります。

階段を上ると店舗入り口が見えます。

駐車場から徒歩

上に紹介したコインパーキングから店舗への道順です。

駐車場と線路の間の道を北方向に進みます。

一本目の道を右に曲がります。

右手にすぐ店舗が見えます。
駐車場から店舗までは徒歩2分です。

鎌倉店内の様子

店舗入り口です。

入り口前にある靴箱に靴を置いて中に入ります。

入ってすぐ右手が受付です。
受付でロッカーのカギを渡されますので、指定のロッカーに荷物をしまいます。

手を洗い消毒をした後に店のシステムの説明を受けます。(初回のみ)

説明を受ける場所はこちら☟のカフェスペースです。
鎌倉店のカフェスペースはスタンディング形式です。

こじんまりとしたスペースです。

カフェスペースが狭いので、ドリンクは飲み切り式です。飲んでいる途中のカップを置いたまま猫ルームに入ることはできません。

注意事項

〇 猫のいるスペースに持ち込めるのは、スマートフォン(携帯電話)とカメラだけです。フラッシュを使った写真撮影は禁止です。他の利用者が写り込まないよう撮影します。約束を守っていればSNSにあげるのはOKとのこと。

〇 新品のおもちゃのみ持ち込むことができます。スタッフに確認の上持ち込んでください。手作り、開封済みは不可です。
店舗で消毒済みのおもちゃを無料で借りることができます(数量限定)。店舗で新品を購入することもできます。一個¥250~。

〇 利用時間は個人が管理します。利用開始時間を最初にスタッフが伝えてくれるので、ルーム内の時計で確認の上退室します。

〇 猫ルームは静かに過ごします。小学生以下の子どもは保護者同伴が必要です。

〇 裸足で入店はできません。必ず靴下を履いて来店してください。

〇 プランにはドリンクがついていますが、ドリンクコーナーで飲み、猫ルームに持ち込むことはできません。

〇 猫が膝などに乗ってきた場合はいいのですが、人が進んで抱っこすることはできません。

〇 猫が服を汚したり傷つけた場合、店舗は責任を負いません。

メニュー

基本料金

最初の30分1000円(ドリンク付き)  以降10分ごとに200円

90分セット

1780円(ドリンク付き)

120分セット

2000円(ドリンク付き)

180分セット

2480円(ドリンク付き)

平日フリータイム

2980円(ドリンク付き)

土日祭日フリータイム

3980円(ドリンク付き)

全てのプランに共通し、子供料金はありません。予約はできません。混雑する場合は入店を待つことがあります。
クレジットカードの使用はできません。ご注意ください。

ドリンクメニュー

ドリンクメニューは種類が豊富です。
フリードリンクで何度もお変わりができるものと、一杯のみ注文が可能なものどちらかを選択し、最初に注文をします。

猫スペース

写真に写り込んでいるモザイク人間は夫です。
他のお客さんを映すのはNG行為ですのでご注意ください。

20匹前後の子がいるそうです。

中には知らない人が入ってくることにストレスを感じる子もいるのですが、譲渡会で緊張しっぱなしだった子たちとは明らかに違いました。

寝まくってますね。猫ですからね。

割と若い子や、人懐っこい子は寄ってきて遊びます。

皆のびのびしていました。

室内にホワイトボードがあり、写真と名前、性格などが掲示されています。
トライアルに出る予定の子、譲渡予定の子のお知らせもありました。

その他の詳しい話は、スタッフに聞くことができます。

自由に動く様子が見られるので、猫の性格がわかってとてもいいですね。

レオン横浜店・石川町

鎌倉に二日通った後、石川町の「レオン」にも行ってみました。

営業日
元旦以外年中無休
営業時間
11:00-20:00(ラストオーダー19:30)
住所
神奈川県横浜市中区松影町1-3-2関山ビル2階
電話
045-211ー4152

レオン場所

石川町駅北口から徒歩1分です。

車で行く方はレオンの入っているビルの並びにコインパーキングがあります。
コインパーキングがいっぱいの場合には周辺に複数あるパーキングを利用してください。
数本道をズレると寿町があります。女性だけで寿町を通るのはお勧めしません。ちょっと怖い場所なのでご注意ください。私は一度知らずに入ってしまい、ビビりまくったことがあります。
すぐそばのパーキングがいっぱいなら、横浜中華街周辺のパーキングを使うのもいいかもしれません。

レオン行き方

北口改札を出て右に進み、高架下の横断歩道を渡るとすぐに見えるビルの二階にあります。

ビル内に入ると左手にこんな掲示が。

奥に階段が見えますので、二階に上がります。

階段にも猫が。

レオン店内の様子

階段を上りきると入り口があります。

入り口に入って靴箱に靴をしまい、手を洗います。
受付をして荷物をロッカーにしまいます。この流れは鎌倉店と同じですね。(ちなみにこの石川町店が本店です)

カフェスペースは決まった席が設けられます。

席にドリンクを置いたまま猫ルームに入ったり、カフェスペースに戻ってドリンクの続きを飲むなど自由に出入りできます。

注意事項

注意事項は鎌倉店と同様です。

メニュー

鎌倉店とほぼ同様です。

90分、120分、180分セットはクッキーが付きます。
クッキーが不要の方は+10分利用することができます。

猫スペース

カフェスペースと猫スペースの境には、ドアがあります。
早速入ろうとドアを開けたところ、一匹の猫が脱走。慌ててドアを閉めてスタッフに声をかけて戻してもらいました。

中は広く、解放感がありました。

脱走犯のこの子は人懐っこく、部屋に戻されたあとすり寄ってきました。
可愛い……。

因みにこの子は譲渡が決まっている子でした。

店に借りたおもちゃで遊ぶ10ヶ月の子☟(上の写真とは違う子です)
この後私の背中に上って来ました。

可愛い。

来店時は私と夫だけだったのですが、あとから続々と女性が来店していました。
組数にして4組。数人で来られている方もいれば、一人で来られている方もいました。

最年少の10ヶ月のこの子は人気を集めていました。

レオン・にゃんくるの取り組み

レオンは混雑していたうえ、私の時間もなくてスタッフの方とゆっくり話ができませんでした。
鎌倉店にお邪魔したときはじっくり話を聞くことができ、にゃんくるやレオンの姿勢を聞かせていただくことができました。

レオンやにゃんくるは猫の殺処分を減らし、一生安心して暮らせる場所を与えてくれる里親と縁組するために営まれています。イベント形式の譲渡会は猫に大きなストレスがかかるため、店舗型の方式を取っているとのことです。

里親希望で来た方に譲渡を申し出られても、一度の来店で譲渡が決まることはありません。

複数回通わないと猫の性格はわかりません。猫を引き取りたい! という意思が強くても、生活が始まるとこんなはずじゃなかったと手放そうとする方がいるため、必ず何度も通ってもらうのだそうです。猫の性格を知り、生活を想像してもらい、じっくりと検討する時間を作ります。

家猫は20年近く生きます。犬と違い、ご飯とトイレの世話をすれば生きられる動物のため、放っておいてしまう飼い主がいます。勢いで決めるのではなく、じっくりと覚悟を決めてもらう大切な時間です。

猫は構って愛情を与えることでリラックスします。触れられることを嫌う子もいますが、実は甘えん坊の子も多いです。手をかけ、時間をかけることを厭わない方に引き取ってもらいたいという思いがあるそうです。

家族の同意が得られているかや、アレルギーが出ないかどうかを確認するために、同居家族にも通ってもらい、家族全員の意思を確認します。家族と猫の相性や家の状況の聞き取りを重ね、特定非営利活動法人リトルキャッツの審査を経て譲渡が決まります。

引き渡しは里親にキャリーケースを用意してもらい、店舗で行われます。実際の家を確認することはありません。譲渡会を行うボランティアは基本家の内部を確認しての引き渡しになるので、その点は緩いのかな? と思い聞いてみると、何度も来店してもらい話をしていくと、嘘を言っているかどうかや、人となりや、猫を引き取ることに対する覚悟がわかるのだそうです。

私が来店初回で譲渡について聞いたときは、「なんだか警戒されてる?」と思う反応が見られました。最近は猫が欲しいと言って、即引き取ろうとする方が多いようです。特に子猫の場合はフロアに出る前に、一度も来店することなく欲しいと言ってくる方もいるようです。

にゃんくるやレオンの目的は、ただ保護猫の引き取り手を探すのではなく、絶対的に大切に、一生を任せられる飼い主を探すことです。だからどうしても「この人は大丈夫だろうか?」という目になるのだと感じました。

特定の成猫について詳細を聞いてみると、非常に詳しく体調の説明をされました。仲良しの猫と一緒に引き取ってくれる人を探していることや、持病と通院歴等です。たくさんの猫たちをしっかり観察し、必要があれば通院させているので、医療費は非常にかかっているだろうと想像できました。

私は亡き愛猫の通院で、月に数万、入院や手術などがあるとその都度数十万の出費を経験しました。カフェ代は正直「ちょっと高いな」と感じていましたが、それがこういった処置に使われているのだと感じました。

スタッフの熱い思いを聞いていたら、「ありがとうございます」と礼を言いたくなりました。私は猫が好きですが、多くの猫を受け入れるだけの覚悟がありません。できるのは一匹か二匹の猫を責任もって引き取るくらいです。

そんなことを考えていたら、「子猫を希望ですか?」と聞かれました。(一歳未満の子を子猫と位置付けています)
「一歳前後の子が希望です。年を取るとどうしても病気になりやすくなります。闘病はストレスがかかり、猫も人も辛い思いをします。それまでにできるだけ楽しい思い出を作りたいんです。本来猫好きであれば何歳の子でもいいと言って引き取るべきだと思うんですが……」と話していたら、一昨年から約一年続いた愛猫の闘病生活を思い出し、泣けてしまいました。

この日、私は一人で訪れていました。
猫カフェで静かに泣く私……。どう見てもヤバい奴でした。スタッフの方ごめんなさい。

腫瘍の闘病の上猫を亡くしていると話していましたので、スタッフの方は「闘病の過酷さを知っているからこそ、そう思う気持ちはわかります。通院にいくらかかるかや過酷さを知らないまま、持病があると言っても『大丈夫』と簡単に言われるより理解できます」と言ってくれました。すぐに涙は堪えたものの、いい大人が迷惑をかけて、我ながら引くわ……。

「動物は自然にあるべきだと具合が悪くても病院に連れて行かない考えの方がいますが、人が猫を飼う時点で猫の人生を左右させています。猫が医療を受けることに理解ある人に譲渡したい」とも話をされていました。

レオン・にゃんくる感想

にゃんくるグループの譲渡システムは、里親希望者にとっては面倒なシステムだと思います。

コストと時間をかけて、何度も通わなければなりません。通っていい子がいたとしても、他の人にもらわれてしまう可能性があります。そうなれば振り出しに戻ります。

石川町店に行った際、他のグループ店舗に通っていたという方が初来店されていました。
何度も通い、この子だと思った子がいたのだけど、譲渡を希望したところ別の方にもらわれて行ってしまったとのことでした。
石川町店は初来店でしたが、子猫を引き取りたいとその場で申し出られていました。(気持ちはよくわかります)

いつ猫との生活を送れるようになるの? と思うのが正直なところでしょう。

しかし猫にとっては、非常にいいシステムです。
猫を大事に思うからこその信念を持った店舗だと感じました。

都市部は野良猫が少なくなり、自然に出会うことは殆どありません。

猫がブームになり需要が増えたことで、特に子猫については譲渡会や譲渡型猫カフェでも引く手あまたです。
飼いたいけど出会いがないことで、ペットショップの需要がまた高まりかねないなと不安に思います。

ペットショップの動物は近親交配が多く、体に影響が現れることがありますから。

わが家は急がず、いい出会いを待つことにします。

 

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