プレゼント好きな彼氏と付き合っていたことがあります。
日ごろからちょっとしたものを「喜ぶと思って」とプレゼントしてくれていました。サプライズイベントも好きな人でした。
“彼女が大好きだからプレゼントするんだね”“羨ましい”と当時は周囲に羨ましがられたものですが、その彼氏とは婚約までしたものの結果的に別れています。
婚約破棄をした理由は、婚約後に彼氏の態度が一変したことでした。
「釣った魚に餌をやらない」タイプの男性を見分ける項目として、「プレゼント好きな男性」が挙げられる意味を痛感しました。
私の実例をお伝えします。
プレゼント好きな彼氏
プレゼントで散財
その彼氏に告白され付き合い始めたのは、私が24歳、彼が25歳の時でした。
彼氏は私をすごく好きでいてくれたようで、しょっちゅう一人暮らしの私の家に遊びに来ては、よくプレゼントをくれました。
誕生日やクリスマスに限らず、何もないときにも頻繁にくれました。
普段は花や、私が好きな猫の置物、アクセサリー、自作の歌などでした。時計やワインセラーといった大物もプレゼントされるようになりました。
彼は実家にお金を入れずに住んでいたにも関わらず、貯金ができていませんでした。
余計な出費になるので「プレゼントは要らないよ。貯金して欲しい」と何度も伝えたのですが、「喜んでくれると思ったのに」と不機嫌になられることが何度かあり、喜ぶフリをするようになっていました。
付き合った当初は彼氏が学生だったこともあり、デート代の大半を私が払っていましたので、プレゼントよりデート代の足しにしてくれる方が助かるのですが、そういった考えはなかったようです。
飲み友達となっていた会社の先輩男性に相談すると「それだけ好かれてるってことだろう。ありがたく受け取っておけばいい」と言われました。
プレゼントをする自分が好き?
私は昔、首を絞められたことがあるためネックレスが苦手だと彼氏に伝えていました。
それにも関わらずネックレスをプレゼントされたことがありました。
毎日着けてほしいと言われた時は「苦手だから」と断りましたが、「俺がプレゼントしたものでもダメなのか。俺が好きなら着けられるはずだ」と怒り出したため、我慢してしばらくつけていました。チェーンが壊れて着けられなくなった時はホッとしました。
付け替える用のチェーンもプレゼントされましたが、うやむやにして着けなくなりました。
彼氏は「プレゼントをして彼女を喜ばせている俺」が好きなのだろうと薄々感じていましたが、気づかないフリをしていました。
サプライズが好き
誕生日にサプライズで高層ビルのレストランに連れて行ってくれたり、行き先を伝えずにイベントに連れて行かれることが度々ありました。
人に話すと羨ましがられるのですが、サプライズが得意でなくインドアな私は、行き先を知らされないことがストレスでした。
慣れない場所に行くのに迷い、夜の街を歩き回ったり、明らかに「これから店員含めて祝われる」とわかっているのに気づかないフリをして、驚き喜ぶフリをしなければならないことに疲れました。
それでも私を喜ばせようとしてくれている、それが愛情なのだ。これ以上尽くそうとしてくれる男性はもう現れないかもと当時は思っていました。
婚約後に態度が一変
結婚の話が持ち上がり、結婚前に同棲をしてみようという話しになりました。
彼氏の母親に、同棲をするなら婚約を先にした方がよいと勧められ、両家の顔合わせをすることになりました。
年内に籍を入れるという話しがまとまりました。
滞りなく両家の顔合わせが終わり、晴れて彼氏は婚約者となりました。
しかし引っ越しを済ませて両家の顔合わせが終わると、彼氏の態度は一変しました。
あれだけ続いていたプレゼントは一切なくなり、不愛想になって私と出かけようとしなくなりました。
日用品の買い物に出るのも嫌がり、当然のように家事も一切しないため、全て私がすることになりました。
家賃や光熱費は折半で出し合っていましたが、食費は私の手出しが増えました。
(収入の差が家事の比率に反映されるべきという意見が見られるため念のためにお伝えすると、仕事は私の方が多忙で、収入も私の方がありました)
床にゴミを捨てて歩き、服や漫画を家中に置きっぱなしにする彼氏の世話に追われました。
彼の母親が頻繁に来ては、私にアドバイスと称して彼氏の世話の仕方を指南していきました。
彼氏は義母の前で私をバカにするような発言をするようになりました。
金曜の晩は仕事が終わると仲間と遊びに行き、深夜に帰ったかと思ったら仲間を連れて部屋に籠り、日曜の昼間で徹夜マージャンを続けました。
その間私が声をかけても、ろくに返事をしませんでした。
彼氏にお金がなかったのは、マージャンやパチンコで使っていたからでした。
仲間の中には、金遣いが荒くブラックリストに載っている人もいました。
貯金はないが結婚式は派手にやりたい
「結婚式はしたい。仲間をたくさん呼びたい」と言うので、「お金貯めないと結婚式なんてできないよ。入籍はいつする?」と聞きましたが、「入籍は俺のタイミングでする。結婚式は俺に金がなくても親が出すから問題ない」と言いました。
「私の親は経済的に余裕がないから援助は無理。私は貯金しているけど、結婚式のために貯めたわけじゃない。あなたは貯金をしていないんだし、派手な結婚式はしなくていいんじゃない?」と言うと、「和服を着て刀を持ちたい。仲間と出し物をして盛り上がりたい」という夢ばかりを語っていました。
愛情が免罪符
私への態度がぞんざいになりました。
酷い言われようで、知人の前でも「謙遜」といって私を落とす発言をするようになりました。
私は家事を一手に引き受け、仕事も多忙でしたので、次第に疲弊していきました。
彼氏は家事をしたくないならしなければいいと言いましたが、洗濯物を大量に出し、ゴミも出さず食事の用意を一切しない彼氏に合わせていたら、あっという間にゴミ屋敷になることがわかっていましたのでせざるを得ませんでした。
何度も話し合いをしたいと持ち掛けました。
「このままではやっていけない」と訴えましたが、「俺のこと好きなんでしょ? 解決している」と言って取り合いませんでした。
家を出ていくと告げても態度は変わりませんでした。
引っ越し屋を手配し、引っ越し屋の段ボールが部屋の中で目に付くようになって初めて自覚したのか、引き留めてきました。
それでも私が持ちかけた話し合いに応じることはなく「一度家を出たら復縁は俺の親が許さない。別れたくないなら出ていくな」と脅しのようなことを言われ、心底呆れました。
プロポーズで釣る
引っ越しの日を数日後に控えたある日。
何度も入籍日をどうするか相談しようとしても「俺のタイミングで」としか言わなかったことを、具体的に話しだしました。
「何も聞かずについて来て」と言われ、東京湾の夜景が見えるスポットに連れて行かれました。
「入籍日をあやふやにしててごめん。俺と結婚してください」と指輪を出されました。
慌ててプロポーズしようとしていることに、途中で気づいていました。
もうやっていけない。出ていくと話していたのに、ここまで来ても私の気持ちは無視なのかと呆れました。
私は夜景の中でプロポーズされるというその場限りの夢や、人に羨まれるようなプレゼントより、家で話し合いができる関係が欲しかったです。
「この人にどう伝えたらわかってもらえるのだろう。どう話しても伝わらない気がする」と考えて無言で立ちつくしていると、人が通りかかりました。
彼氏は慌てて指輪を仕舞いました。
指輪を受け取ってもらえない男だと知られたくなかったのでしょう。情けない人だと残念に思いました。
二人で無言で車に乗り込み、帰宅しました。
最後のプレゼント
数日後、私は家を出ました。
最後まで彼氏は「お前は俺から離れられない。必ず戻ってくる」と言って、私が受け取らなかった指輪をケースに入れたまま渡してきました。
「受け取れない」と言うと荷物に入れられました。
後でケースを見ると、指輪のブランド名が書かれていました。
ギャンブルに大金をつぎ込みながら、私には一万円程度の指輪なのか、と幻滅する材料にしかなりませんでした。
高い指輪であっても、これで釣ろうとしていると幻滅したのでしょうが……。
その後暫く「いつ戻って来るか」という連絡が来ていましたが、無視していたら来なくなりました。
指輪は少しして処分しました。
サプライズ好きの本音
プレゼントは愛情の証?
彼にとってプレゼントは愛情の証だったのでしょうか。
私には「愛情を装ったもの」としか感じられませんでした。
手っ取り早く愛情らしいものを表すための手段だったように思います。
彼は母親にも度々プレゼントをしていましたが、口では「クソババア」と呼び、思いやりに欠ける行動をしていました。
母親は「あの子(彼氏)は口が悪いけど、プレゼントをくれて優しい子なの」と言っていました。
母親が本気でそう思っていたのか、そう思わないとやっていけなかったのかはわかりません。
彼にとってプレゼントは、自己満足であり、免罪符であり、好いてもらうための材料であったように思います。
プレゼントは餌・釣り上げた女は俺のもの
私がプレゼントを要らないというと、彼は怒りました。
愛情を拒否された気になっていたのかもしれません。
プレゼントもサプライズも、「彼女を喜ばせている自分」に酔っているように感じられました。
本当に私を大事にしていたのなら、私の喜ぶことをしようとしたでしょう。
婚約し「自分のもの」になった途端プレゼントをしなくなったのも、プレゼントが餌だった証のように感じられました。
自分のものになったから、これ以上愛情を示す必要はなかったのでしょう。
それは「釣った魚に餌はやらない」そのものでした。
私はプレゼントが欲しかったのではありません。
サプライズも要りません。
話し合いをして、譲り合える。相談をして未来を作っていける関係が欲しかったです。
プレゼントをすれば許されると思っている不貞夫
上は私が体験した例ですが、よく夫からプレゼントをされるママ友の例を下記に挙げます。
その夫婦は結婚当初から問題が絶えませんでした。
主に夫の散財癖と、女性関係で揉めていました。
数十万から数百万の借金が発覚するたびに、資産家である夫の両親に頼み、返済をしました。
累計で数千万円に上っています。
夫は買い物が好きで、妻にも妻の友人にもよくプレゼントを贈りました。
有名ブランドのハンドクリームやお菓子、子どもに向けたちょっとしたおもちゃなどでした。
妻は子どものためと言って離婚を選ばず、15年以上夫婦生活を続けてきました。
夫が問題を起こし、妻と喧嘩になる度、妻が夫の親族に責められる度に、夫は妻にプレゼントを贈りました。
しかし行動を改めることはせず、妻をぞんざいに扱い、人として言ってはいけない言葉を何度もぶつけました。
ある時夫は女性を家に呼び、不貞を働きました。
妻はその形跡に気付きましたが、子どものために離婚はできないと言って泣きながら掃除をしました。
我慢が限界にきて離婚を求めたことがありましたが、「子どもはどうなってもいいのか。自分勝手な母親だな」と夫は妻を責めました。
大喧嘩になって妻は家出をしましたが、子どもが心配で一晩で帰宅しました。
夫は妻に黙ってダイヤモンドのネックレスをプレゼントしました。
夫は「これで解決」と思っていましたが、妻は「私が欲しいのはこれじゃない」と絶望感で一杯になりました。
プレゼントが嫌なんじゃない。でもプレゼントより欲しいものがある。
そう言って泣く彼女の背中を、私はただ撫でることしかできませんでした。
不倫夫のプレゼント
夫の不倫が発覚して揉めている夫婦がいます。
夫は誕生日や記念日に花束やプレゼント、サプライズイベントを妻に贈っていました。
妻は喜びSNSに写真を挙げていましたが、夫はその裏で不倫をしていました。
プレゼントで愛情は測れないことがよくわかります。
プレゼントで心は伝わらない
心が通じていて初めて、プレゼントに心が宿ります。
プレゼントは愛情を量るアイテムではありません。
単なる目くらましでしかありません。
十分お気を付けください。
人生を後悔しないために。