生徒と不倫して駆け落ちした高校教師が狂わせたもの

夫の不倫が発覚し、苦しんでいる友人がいます。

発覚したとわかると、夫はあっさり不倫相手との関係を解消しました。
再構築するために、どんなことでも耐えると夫は言いますが、妻は苦しみ続けています。

どんなことでも耐えられるなら、どうして一時の欲望を我慢できなったのかと残念でなりません。

それが本気の恋だったとするなら、中途半端なことをせずにどれだけ悪だと思われても、妻との関係を清算してから望むべきと考えます。

不倫について考えている中で、ある事例を思い出しました。
それは周囲を巻き込んで大騒動となった、家庭のある男性教師と女生徒の駆け落ちでした。

教師と生徒の駆け落ち

私は公立高校の美術科に通っていました。

美術科は芸術大学や美術大学への進学を前提としたカリキュラムが組まれていました。

多くの生徒が芸術系の進学を目指して、デッサンや作品作りに励んでいました。
芸術大学と一口に言っても、大学ごとに好む絵の傾向が違うため、それに合わせた勉強をしなければなりません。

作品がよくても勉学のレベルが低ければ入れませんので、美術力向上と勉強を同時に進める必要がありました。
将来への不安が募り、ピリピリとした空気が流れ始めた三年の夏に、事件が起こります。

古文の女性教師

ある女性教師がいました。
担当は古文でした。

夏休み前の最後の授業で、教師はこう言いました。

「夏休み中に夫と旅行するの。皆が受験で大変な時に、楽しんでくるわ。旦那さんの両親と一緒に暮らしてるから、ストレス溜まるのよね。解放されてくるから!」

嬉しそうに笑いました。

「結婚はいいよ。幸せだよ。みんなも今は大変だけど、受験を乗り切れば楽しいことが待っているから。頑張ってね」

女性教師は結婚して一年と少し過ぎたと話していましたので、新婚気分だったのかもしれません。
私は「先生は楽しい夏なのか。いいなぁ」と思った程度でしたが、ある男子生徒は激高しました。

授業あとに教師が廊下に出たところを追いかけ「受験前で辛いときに、逆なですることを言うなんて配慮がなさすぎる」と抗議しました。
その後も改めて職員室を訪ね、抗議していました。

女性教師は「そんなつもりはなかった。ごめんなさい」と謝ったと聞きました。

女性教師の夫

女性教師の夫も高校教師でした。

美術科のクラスメイトの友人が夫教師の学校に通っており、評判を聞いていました。
女子高の教師ということもあり、それなりに人気があるようでした。

旅行が楽しみで浮かれているくらいですので、仲がいいのだろうと想像しました。

夏休み明け・教師不在

夏休み中、多くの生徒が美術や勉学の夏期講習に通い、卒業制作の作品作りも進めていました。

多忙な夏休みが明けて、授業が再開しました。

古文の授業の時間になりました。
しかし女性教師は現れませんでした。

暫く待っても現れないので、係が職員室に迎えに行きました。
そこで女性教師が登校していないことがわかりました。

その時間は自習することになりました。
それから古文の時間は常に自習となりました。

夫が女生徒と駆け落ち

クラスメイトから、女性教師の夫が生徒と駆け落ちしたと聞きました。
夫教師の学校では、夫教師も女生徒も登校しおらず、その話題で持ち切りなのだといいます。

皆がどよめきました。
「旅行に行くって嬉しそうだったのに」
「夫と仲がいいような話をしていたのに」
「夫の両親と同居していると言っていたのに」

「どういうこと?」

高校生は「性」も「恋愛」も知っています。
しかし「夢」や「幻想」もまだ強く持っている年ごろでした。

あれだけ浮かれて楽しみにしていた妻がいるのに、旅行に行くはずだった夏休みに、他の女性、しかも10歳以上年下の“生徒”と駆け落ちする意味がわかりませんでした。

駆け落ちの真相

駆け落ちは旅行直前に決行されました。

夫教師と女生徒は家に帰らなくなりました。
女生徒が自宅に書き置きをしていたため、事態が発覚しました。

女性教師は夫の不倫に全く気が付いていませんでした。
犯罪ともいえる18歳未満の生徒との交際は、まともな大人は避けますから、当然かもしれません。

女性教師が楽しみにしていた旅行は行けなくなりました。

少しして夫と女生徒が見つかり、二人は引き離されました。

夫は両親と妻が待つ家に帰宅しました。
女性教師は家に籠るようになっていましたが、妻として謝罪するために女生徒の家を訪ねました。

女生徒は引き離されたことを悲しんで「病んだ」と主張しました。
全て妻である女性教師のせいだと責めました。

女生徒から見た男性教師

夫教師がどういう人柄だったのか、接したことがないので私にはわかりません。

公務員である教師が10代の子どもを連れて駆け落ちして、その後どうするつもりだったかを想像すると、浅はかとしか言えません。

10代の子どもにとって、駆け落ちは悲劇のヒロインのように刺激的だったでしょう。
その楽しさの裏で、妻の心がどれだけ傷ついたかは想像できていなかったのではないでしょうか。

夫教師と女生徒の学校

男性教師と女生徒が駆け落ちした高校では、大きな話題となっていました。

女生徒がどんな生徒だったのかはわかりません。
「病んでいる」と言いつつ、自ら詳細を友人に漏らしたことが噂となり、学校中に回っているようでした。

学校の説明

私の高校では、多くの生徒が女性教師の精神状態を心配していました。
女性教師に激高した男子生徒でさえ、あまりに酷な事態に閉口していました。

古文の教師がいなくなり、噂も流れていましたが、学校から詳しい説明はありませんでした。
あったのは「体調不良のため休養に入る」ということだけでした。

夏休み前の女性教師の浮かれようから考えると、夫との関係は良好だったのだと思います。
そこにあるのは完全なる“裏切り”でした。

女生徒が夫教師の妻のせいで「病んだ」と発言し、妻は益々逃げ場を失うだろうと想像しました。

女性教師と夫教師、女生徒のその後

女生徒は夏休みが明けて少しすると、登校するようになりました。

女性教師は精神的不調が続き、休職して家を出て、その後離婚したそうです。
元夫教師は暫くして他校に移り、職場復帰をしました。

元夫教師と女生徒の関係は周囲の手によって切られたそうです。
それが一時的なものだったのか、女生徒が卒業するのを待っていたのかはわかりません。

その後の様子は知りません。

教師と生徒の交際例

私の高校は男子の割合が少なかったこともあり、普通科では若い男性教師は人気がありました。

教師と在学中に付き合っていたという話しも聞いたことがあります。
新卒で入ってきた男性教師とは5歳ほどしか違いませんので、あり得ないことではないと思いました。

教師と生徒の交際が他の生徒に与える影響

夫教師と生徒の年齢は10歳以上離れていました。
10代の私からすると、一回り近く上の男性は「おじさん」の以外の何者でもなかったため、嫌悪感がありました。

生徒を「性」の対象として見ていること自体が気持ち悪かったのです。

美術科の教師たちは生徒の絵には興味があっても、女性として見ている気配が皆無だったため、次第に何も思わなくなっていきました。

不倫が傷つけたもの

女性教師が今どうしているのかはわかりません。

男性教師がどうして復帰できたのか、疑問が残ります。

女生徒は男性を見る目を養えたのでしょうか。
女生徒は私と年齢が近かったので、今は30代後半となっているはずです。家庭を持ち、子どもを持っているかもしれません。

女性教師を責めたことを少しでも後悔していてほしいと願っています。

 

 

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