私は三姉妹を育てる主婦です。
長女は現在、小学校高学年。
友達と仲良く、時に喧嘩をしながら遊ぶ毎日を送っています。
そんな中、長女は同級生のAから「お父さんとお母さんが別居した」と打ち明けられました。
長女はそれを母親である私に伝えました。
Aの話は前々から聞いていました。Aが他人の顔色を窺い、「自分の意見を全く言わないから、Aといても面白くない」という話しが殆どでした。意見が違ってもいいから、本当は何を思っているのか教えてほしいと聞いても、「私もあなたと同じ意見」としか言わないのだとか。
Aと長女は幼稚園が同じで、私はAの両親と顔見知りです。Aはもともと人前に出るのが得意な性格ではありませんでしたが、小学校高学年になって益々引っ込み思案になっているようでした。
小学校高学年となると思春期に差し掛かる年齢ですし、Aの母親も芯があるものの、表立って意見を言わず控えめで可愛らしい人ですので、様々な影響があるのかもしれないと考えました。
しかしその後暫くして、知人から「Aの母親の不倫現場を複数回目撃した」と聞くことになります。
Aが人の顔色を窺って異様なほど「仲間から外れたくない」と怖がる理由が、もしかしたら両親の関係にあるのかもしれないと感じました。
それについて述べる記事です。
夫の世話も妻の仕事?
長女がAから聞いたのは、「お父さんとお母さんが別居した」という事実のみです。
別居の理由は話さず、長女も聞かなかったとのこと。
家を出て行った父親は、家の近所にある実家に移り住んだと言います。
家庭にはそれぞれ事情があるものだと思い、長女から話しを聞いた時に私は「ふうん」としか思いませんでした。
長女が「なんでパパとママが離婚した訳ではないのに別々に住むんだろう」と聞くので、「家庭によって色んな事情があるからね。お父さんの親が介護が必要になったとかで、お父さんだけ別居してお世話しているのかもね」と答えました。
長女にはそう言いましたが、別の可能性も頭をかすめました。
妻の社会復帰と変化する家族の行動パターン
前述したように私はAの両親と面識があり、会えば話しますし、家も自転車で数分の距離です。
幼稚園時代にはA母と一緒に公園で子どもを遊ばせることがありましたが、例えば家計が苦しいとか、旦那さんへの愚痴を聞くことがあるもののママ友の枠を出ず、頻繁に連絡を取り合うまでの仲ではありませんでした。
A母はとても可愛らしい人です。話し方が控えめで柔らかく、細身。儚げにも見えるかもしれません。
保護者会で表だって意見することはないものの真面目な性格で、個人的に話をすると芯が感じられる人でした。
A母はAが年長になるころから働き始めました。生活が苦しいと以前から言っていたので、将来を考えて社会復帰したようです。
時間外の保育システムがある幼稚園でしたので、子どもを預けて働いている保護者が珍しくありませんでした。
A母が働きだしたことで降園の時間が変わったため、私はA母と園で顔を合わせることがなくなりましたが、私が車を運転しているときに自転車を漕いでどこかへ向かうA母をよく見るようになりました。
そして休日は、Aの父(以下、A父と表記)がAや兄弟を自転車に載せて買い物に出かける姿を、よく見かけるようになります。私は面倒見が良い父親、という印象を持ちました。
長女から「Aのお父さんとお母さんが別居した」と聞いたとき、そう言えば最近はA母が自転車を漕ぐ姿も、A父が子どもたちを連れる姿もここ3年程度見ていないと気が付きました。
子どもたちが育つにつれて行動パターンが変わるのは当たり前だと思う反面、かつてA母から聞いたA父への愚痴を思い出しました。
妻の不満
A父が足に大きなギプスをはめて、幼稚園の行事に参加したことがありました。
A母に「旦那さん、怪我したんだね。大変だね」と何気なく声をかけると、A母は苦笑いをしながら呆れたように怪我の理由を教えてくれました。
A父は酷く酒癖が悪く、週に何度も仕事帰りに飲みに行っては酩酊し、道端や玄関で寝たりトイレ以外でも嘔吐する上に記憶もなくすので、後始末は決まってA母がするのだといいます。
A母は毎朝、AとAの弟を起こし食事を摂らせて園に送り、仕事に行き、仕事先から園に直行して子どもたちを迎えて家に帰ります。Aの弟は少々やんちゃで手がかかり、怪我をしたり友達と軽いトラブルになることがありましたが、対応するのはいつもA母でした。
家に帰るとやんちゃなA弟を諫めながら家事に追われ、風呂に入れます。食事を作って寝かしつけまでワンオペでこなしていました。A父は休日は子どもたちの面倒を見るものの、平日はA母に丸投げだったのです。
ある晩、いつものように飲みに行ったA父は、中々帰宅しませんでした。
決して珍しいことではありませんでしたから、子どもたちを寝かしつけるのに合わせて、A母も眠りにつきました。
朝方目を覚ますと、A父はまだ帰宅していません。
どこで何をしているのかとスマートフォンを見ると、数十件の着信があり、留守電も沢山残されていて驚きました。
留守電は、警察からでした。
何件も残されていた留守電を順に聞いていくと、「旦那さんが怪我をして入院したので、連絡をください」「旦那さんが酔って転んで怪我をしました……」「奥さん、旦那さんに怒ってるかもしれないけど電話に出て……」「奥さん、連絡ください。お願いします!」といった、実に人間味ある言い方に変わっていったとのこと。
A父の骨折は何度も手術が必要になる複雑なものでした。どれだけ酔っぱらっていたのでしょう。
暫くは働くどころか満足に動くこともできず、A母の仕事が増えました。
「寝ちゃってたから電話に出なかっただけなのに、旦那も警察も病院の人も、私が怒っていると思ったみたい」と自虐的にいうので私は笑いましたが、心底怒りが募っているようにも聴こえました。
A父は温厚そうでよい父親といった印象があったので、意外な一面があるものだと思いました。
そしてA母の苦労はとても大きいだろうと、心配になりました。
別居の理由
Aの両親はA父の怪我から5年後に別居に至っています。
酒癖は簡単に治るものではありませんから、もしかしたら別居の理由は酒癖かもと想像しました。時間が経ってついに堪忍袋の緒が切れた可能性があるのでは、と思ったのです。
別居したと言われている時期に、たまたま買い物先でAの家族と出くわしていたことも影響しています。もしA父の不倫や借金問題で別居に到る程の状況であれば、別居直前、或いは直後に一緒に出かけないのではないかと想像しました。
……行くかもしれませんけどね。子どもの心境を考えて思い出作りに出かけることがあるかもしれませんが、それにしては行き先が身近だと感じました。
しかし半年後。
私は知人から「Aの母親の不倫現場を複数回目撃した」という話しを聞くことになります。
妻の不倫と本気
友人でありママ友でもあるBを、私の家に招いた時のことです。
Bも子どもを同じ幼稚園に通わせていたことから、「あの子は身長伸びたよね」など他愛無い話をしていました。
その流れでAの話が出た際に、Bは「誰にも言っていないんだけど、抱えきれないので聞いてほしい」とある話しをし始めました。
それが「Aの母親の不倫現場を複数回目撃した」という話しでした。
シタ妻の密会方法
BはA母の家から歩いて数分の位置に住んでいます。
Bは特殊な事情があって、ほぼ毎日のように人気のない道を歩いて通っていました。そこは土地勘がある人にしかわからない道で、毎日通っているBも、滅多に人や車とすれ違うことはありませんでした。
ある時、その道に見たことがない車が停まっていました。運転席には見知らぬ男性が座っていて、助手席にも誰かが座っているようです。
珍しいことがあるものだと車の横を通り過ぎる際、助手席に座っているのが女性で、それがA母だとはっきりと分かりました。
当初Bは、Aが知人に送迎してもらったのかと想像しましたが、A母の家からわざわざ少し離れた、人気がない道に隠れるように停めて話しているのが気になりました。
A母はそこで車を降り、走り去る車が見えなくなるまで手を振り続けていたと言います。
Bは「単なる知り合いなら、こんな行動をするかな?」と気にはなったものの、何かしらの事情があったのかもと、その時はあまり気にしませんでした。
しかし数週間後、またその一か月後、さらに二か月後と、何度も同じ状況に出くわしました。BはA母と男性の只ならぬ雰囲気に、これは不倫ではないかと疑うようになりました。
BはA父のことも、Aとその弟のことも知っていますが、A母とは顔見知り程度で、特別な会話をする仲ではありません。「A母の不倫など知りたくないし、巻き込まれたくない。そもそも不倫だとしたら、家のある地区まで不倫相手を踏み込ませるな! 子どもに見られたらどうするんだ」と腹が立つようになりました。
そしてまた偶然出くわしてしまったある日。
その日はBが小さな子を連れていました。そして子どもが無邪気に「車が停まってる!」と言って車内を覗き込んでしまいました。
これまでA母が乗る車とすれ違う際、Bは毎度顔を隠して気づかれないようにしていました。今はマスクをするのが普通ですし、Bは帽子を深く被っていることが多いので、気づかれなかったようです。
この日もA母にバレないよう顔を隠していたのですが、子どもが覗き込んでしまったので反射的に車内を見てしまいました。
助手席にいたのはやはりA母でした。
同時にA母もBの顔に気付きました。するとA母は凄い速さで反対方向に顔を背けて、手と肩で顔を隠しました。
BはA母の不倫を確信しました。
以降、その車を見ることはなくなりました。
シタ妻の不倫と本気
「A母が不倫をするなんてね……。マジでどうかしてるよ」とBが呟きました。
Bは元ヤンで元ギャルの、見た目が派手な子ですが、貞操は固いです。Bのギャル仲間には、夫への不満を不倫で晴らしている知人が多数いて、中には夫婦公認で、それぞれが不倫をしているケースもあると言います。その場合はあくまで“家庭に持ち込まない”ことが重要で、近所に不倫相手を来させることはあってはならないのだそう。
Bは「旦那に文句があってはけ口として不倫するなら、せめて家の近所に持ち込むなっつーの。家族を守るのが大前提だろうが」と怒りました。
私は夫婦間の関係について、多数の記事を書いています。
不倫やその後の夫婦再構築もそれに含まれます。
夫に不倫をされて苦しむサレ妻の話しはよく聞きますが、シタ妻の話しを直接聞いたことがありません。(未婚で股をかける女友達はいましたが)
Bの友人達の話も興味深いですが、A母にも是非話しを聞いてみたいと思いました。が、Bに止められました。
Bは「A母は私に不倫がバレたと思っているはず。麒麟(筆者)がA母に『シタ妻の事情を教えてほしい』なんて持ち掛けたら私も巻き込まれかねないので、やめてほしい。知らないふりをしてほしい」と求められました。
Bはさらに、「話が大きくなって、A母の裏切りを子どもが知ることになったら嫌だ。傷つけたくない」と呟きました。
Bは父親が不倫をしたことで両親が不仲になり、思春期に大いに荒れた経験があるのです。
私はA母の真面目な性格から、A母の不倫が軽い気持ちから始まったものであったとしても、「本気」に変わるのは早いのではないかと想像しました。
母親の不倫と両親の別居が子どもに与える影響
BがA母の不倫現場を最初に見たのは、Aの両親が別居を始めるより数ヶ月前のことでした。
そして最後に不倫現場を目撃したのは、別居が開始された後のことです。
A母とA父がどんな経緯で、何を理由に別居を始めたのかはわかりません。
A母の不倫をA父が知っているのかもわかりません。
別居しているにも関わらず、家の前まで車で送ってもらうことなく人気のない道に隠れるということは、家族に知られたくないとか、近所に知られたくないなどの事情があるのだと思います。
SNSでは他人の不倫現場を目撃する話しを度々見ますが、本当にあるものなのですね。不倫が長引いてくると、目撃される可能性も高くなります。悪いことはできないものです。
母親の目が家族以外に向いていることを、子どもはいつ気が付くのでしょうか。
両親の別居と子どもの性格
私の長女はAについてよく不満を言いました。
・自分の意見があるようなのに、絶対に言わない。
・いつも人に合わせて、人にくっついていようとする。
長女はAにくっついてこられるのが不満なようです。
今の小学校教育にはディベートが盛り込まれており、意見を出し合って進めるのですが、同じグループになりたがるのに何の意見も出さないので戦力にならず、呆れてしまうのだとか。
「意見を言える子、言えない子など様々な子が集まるのが学校。小学生の時に何も言えなかった子が、成人後に久しぶりに会ったら起業していたなんてケースもあるので、人はいつどこで変わるかわからないもの。色んな人との関係を楽しんで」と長女に話していました。
しかしBからA母が不倫していると聞いたことで、Aが意見を言わない理由が家庭環境にあるかもしれないと想像しました。
そう考えるようになったのは、知人女性の経験談が影響しています。
子どもの不安と人間関係
私が出産してから知り合った、ママ友Cがいます。
子どもの繋がりで偶然知り合ったCは、愛想も人付き合いもよく、可愛くてよく笑う人でした。
ママ友としてよく会うようになったのですが、付き合いを重ねても重ねても、本音が出てきませんでした。耳障りがよい言葉やお世辞ばかり。意見がありそうなのに、何度聞いても決して口にしません。それでいて集まりには積極的に参加してきます。
Cは私と本音の付き合いをしたくないのだと理解し、上辺の付き合いに留めようと思うようになりました。
私は性格上、「上辺だけの話しかしないなら、付き合う必要はない」と思ってしまいます。長女に「色んな人との関係を楽しんで」と言っているのですけどね。
不思議なのはCが意思を懸命に隠すのに、やはり懸命に周囲の真似をして「くっついてこようとする」ことでした。
小学生ならまだしも、大人になり、子どもを産んでもこういうタイプがいるものなのかと不思議でした。
ほどほどの付き合いに留めるようになって、しばらくしたある日。
Cが人間関係の悩みをSNSに書き込みました。
古い付き合いの友人達に誤解されたまま避けられるようになったという、不満や悩みなどの本音が満載の文面でした。Cは悩みに悩み、耐えかねて書き込んだようです。
文面からは、Cが誰かが助けてくれるのを待ったまま、事実を言わなかったことで誤解を招いてしまった様子がわかりました。
そこで「誤解を招いていると分かっていながら自分で否定しないから、周囲に認定されてしまったのでは。Cはそういうところがある。伝えるべきことは伝えた方が良い」と書き込みました。
以来、なぜか私はCに好かれるようになり、人間関係で酷く悩んだ時には私に相談をしてくるようになりました。
そして、Cが被虐待児だったことを告白されます。
子はかすがい?子どもの傷
Cの母親は精神的な病を抱えていました。
母親はCの姉だけを差別し、まるで存在しないもののように扱いました。
姉は母を恨み、Cは姉の恨みを聞く役となりました。父はいましたが店を営んでおり、姉を常に守ることができません。
Cは自分が笑うと、父も母も兄も姉も笑顔になることを知っていました。
誰にも嫌われたくなくて、常に笑い、皆が喜ぶことを言うように努めました。Cは家族の中心でしたが、人形の様でした。
Cは母親から直接的な虐待は受けていませんでしたが、間接的な虐待を受け続けました。
ある時母は「夫にDVされた」と嘘をついて役所に訴えました。そしてCと母は母子シェルターに入りました。
その後両親は離婚。
母親の元には兄がついていき、姉とCは父に引き取られました。(詳しい経緯はわかりませんが、父親のDVが虚偽だと認定された模様)
母は稼ぎがなく、大きくなったCに金をせびりました。兄は「母に金を渡したらキリがない」と渡さないよう忠告しましたが、母に嫌われたくなかったCは兄姉に隠して渡し続け、結婚しても夫に隠れて渡していました。
Cは極端に嫌われることを恐れていました。
意見があるのに言わないのは、意見が対立することで嫌われてしまうかもしれない、一人になってしまうかもしれないという強い恐怖感から来るものでした。
それが家族以外の人間関係にも如実に表れていました。
不倫と子ども、どちらを取りますか
Aが母親の不倫に気付いているのかはわかりません。
A母の不倫にどんな事情があるのか、ないのかもわかりません。
Aが自分の意見が言えないのは、性質の問題なのか、家族の影響なのかわかりません。
子どもは親をよく見ています。成長期における親の影響は非常に色濃い。
親が必死に隠しても、子どもが勘付くなんてことが珍しくありません。
Aが異様に意見を隠すこの状況がもしA母の影響だとしたら。それをA母が知ったら、不倫をやめるでしょうか。
……当人に話しを聞いたわけではないので、私の見当違いで、全く関係のない何かしらの事実があるかもしれないのですけどね。
考えさせられた一件でした。
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