「新築住宅にGが出る」という噂をご存じでしょうか。
私は数年前に家を新築しました。
Gが出るという噂を知っていたものの、ゴミの処理や排水溝の掃除をしっかりしていればそうそう出没することはないだろうと高を括っていました。
しかし安易な期待は、あっさりと打ち砕かれました。
対策を施さなかった時のGの出現率と、出現0匹となった対策についてお知らせします。
築40年古家のGの出現率
まずは何も対策を施されないまま、築40年となった住宅のG出没例をお知らせします。
きちんと対策をしていればこれほどの状況にはならないと思われますが、手入れを疎かにしていると恐ろしい状態になりかねないことを、私は身をもって体験しました。
以下は私の体験談です。
わが家は築40年の古家付きの土地を購入しました。
高度経済成長期に一気に開拓されたその地域は、大手不動産会社が一手に建築を担い、高級住宅街として売りに出されました。現在は住民の高齢化と住宅の老朽化が進み、少々不便であることもあって地価が下落。若い世帯が少しずつ増えている状況でした。
私と夫は新築を購入する予定でした。
不動産を探し出したことを知った義両親が、「相談に乗る」と熱心に状況を聞いてくるようになりました。その結果、30件あまりの土地の候補全ての購入を反対されることになります。このままでは当面家を買うことはできないと思いました。
そんな中義両親に勧められたのが、後に購入することになるこの古家付きの土地でした。
前住人は高齢夫婦です。
数年前に奥さんが体調を崩して息子夫婦の家に世話になってからは、ご主人が一人で住まわれていました。季節が過ぎて、高齢になったご主人も息子夫婦の家に移り住むことになり、売りに出されたのです。
住居中の家の中を見せてもらった時はカーペットが何枚も敷き重ねられ、湿気が溜まって床が腐り、ふかふかしている場所がいくつもありました。
物が所狭しと並べられ、掃除も行き届いていなかったようです。一見きれいに見えましたが、目につかない部分は埃とカビが溜まっていました。
風呂場の床のタイルは波うち、入れません。手洗いはアンモニアの臭いがしています。
恐らくご主人が一人で住まわれていた期間、満足に掃除をしていなかったのでしょう。風呂場は使用せず、近隣の施設の風呂を利用していたと聞きました。
状態が悪かったので、生涯住み続けられない古家であることがよくわかりました。
古家を崩して建て直すには、仮住まいに移ったり住宅ローンの組み換えによる手数料を払ったり、古家の処理代などが新たにかかります。新築を購入するより、コストがかかるのです。土地を購入してから建て替えまでに時間が空くと、住宅ローンの減税優遇も受けられません。
開拓当時より地価が下がっているとはいえ、そして古家の価値がなくなっているとはいえ、東京郊外であれば新築が購入できる額でした。わが家の年収からは厳しいと義両親に断ったのですが、土地の価値は重要だからと強く勧められます。
建替え時には援助をするからここにしなさいと言われて、悩んだ結果、甘えることにしました。
床が腐っている部分や風呂場は、義両親が懇意にしている工務店にお願いして手を入れてもらいました。
見た目は「綺麗目の築40年の家」になりましたが、家の中にはダンゴ虫やアリが行列を作って行進しており、直径30cmを軽く超える蜘蛛がどこからか何匹も現れては巣を張り、毎日家の中を掃除をするたびにヤモリに遭遇して、声にならない悲鳴を上げることになりました。
何より嫌だったのが、Gです。
小さいのから大きいものまで、毎日何匹も目にしました。
恐らくはシステムキッチンの裏に巣があるようで、キッチンの引き出しを引くたび、扉を開ける度に遭遇しました。
中には、収納しておいた鍋の蓋を開けたら、その中で死んでいたことも。
不快で、恐怖で、仕方ありませんでした。
なぜこんな家で初めての子育てに挑戦しなければならないのかと、苦痛でした。
窓は歪んでいて開け閉めが難しく、酷い雨が降る度に雨漏りをして、濡れたカーテンを洗って床を拭かなければなりませんでした。
合間に頻繁にGが出現するので、長い棒がついた虫取り網を用意して捕獲。家の外で処理するのが恒例になりました。
業者に頼んで床下にシロアリ駆除剤を撒いてもらったところ、Gの出現がかなり減ったものの、なくなることはありませんでした。
家の補修や荒れ放題の庭の手入れに、毎年何十万円も飛んでいきました。
そんな中、東京電力が数年おきに実施しているガス漏れ調査で、給湯器が一酸化炭素中毒を起こす危険レベルまで劣化していることがわかりました。交換には少なくとも45万円以上かかることがわかります。さらにほどなくして、強風で屋根の一部が飛びました。住んで4年目のことでした。
義両親は10年は住める家だと言っていましたが、工務店には「住み続けるなら数百万~一千万の修繕が必要」と言われて限界に達し、強行する形で家を建て替えることにしました。
古家を購入後に義父が株で失敗して数千万円が消えました。
そのため、予定されていた額の援助はもらえなくなりました。
それでもこの家に住み続けることはできないと思い、踏み切りました。
苦痛で仕方ありませんでした。
Gを家に入れない対策・エアコンドレン管キャップ
家を建て替える際、「Gが出ない家にしたい」というのが何よりの望みでした。
時短家電の代表である食洗器も、あるホームメーカー(HM)で「食洗器は内部のゴミをきちんと処理しないとGの餌になる」と聞き、導入を辞めました。(食洗器メーカーにより食べカスの発生状況が異なるので、条件によるようです)
良いと感じたHMと契約をして、建て替えを終えました。
やっと怯えずに住める家ができた! と感動しました。
入居前にできるG対策として、エアコンのドレン管に虫の侵入を防止するキャップをつけると良いことを知っていましたので、つけるつもりでいましたが、HMのアフターフォロー担当者に強く止められました。
エアコンをしっかり掃除していても、ドレン管を伝って排出される水には微生物が混ざり、粘度が帯びることがある。
それがキャップの穴を塞いで詰まりを起こし、水が詰まって室内に垂れることがあると言うのです。
室内に水が漏れると、壁を傷めて家が劣化します。
建てたばかりの家が傷むのは避けたい! と悩み、キャップをつけることを諦めました。
新築住宅でもGは現れると聞きましたが、前述したとおり、ゴミの処理や排水溝の掃除をしっかりしていればそうそう出没することはないだろうと楽観的でもありました。
新築にGが頻発するのは本当だった
新築して一年目、わが家に出没したGはなんと5匹。
5匹!!
古家では年中出ていたのに比べて、出現する季節は5月~8月に限定されているものの、大きいGが静かに壁を這いました。
ゴミ箱は全て蓋つきで、外からの侵入はできません。
風呂も洗面も排水溝は頻繁に掃除。ネットもつけているので、Gが侵入できる隙間はありません。
キッチンの排水溝に至っては、シンクごと日に最低1回は洗剤で洗い、多いときは3回洗っています。
Gよ、君はいったいどこから入って来るのか?
なぜ新築なのにGの恐怖に晒されないといけないのかと、憤慨しました。
近所に住む知人宅も新築をしたばかりだったので、Gが出るかを聞いたところ、しばしの沈黙の後、絞るような声で、しかし力強く「……出る!! しかも1匹どころじゃない」と返答をもらいました。
「新築だから、どんなものかG達が見学に来るんじゃない?」と“ほのぼの”を演じつつ夫や知人と話しましたが、少しも和みません。
初年度だけの洗礼かと思いましたが、なんと二年目も三年目も同様(5~6匹)の出現数でした。
なぜだ。
わが家に侵入した子は、息の根を止めています。
居住を許していません。
二度と会いたくないからです!!
ドレン管の防虫対策後の出没数公開
やはりドレン管が原因ではないかと、思い至りました。
防虫対策として挙げられる対処の一つが、エアコンのドレン管にキャップをつける方法です。インターネットでも、多くのサイトでキャップの設置が勧められています。しかしキャップにデメリットがあることは知られていません。ドレン管キャ[…]
そこで新築4年目にしてやっと、ドレン管に虫の侵入防止策を施すことにしました。
エアコンのドレン管はこれです。
ここに排水溝ネットを結束バンドで取り付けました。
(100円均一で購入できます)
虫侵入防止キャップは、内部が詰まっていても外からは見えません。
その点先端に余裕を持たせてネットをつければ、もし水が粘度を持ってもすぐに詰まることはありません。
もし先端が詰まったとしても、数ヶ月から一年は排水できると思われます。
時間のある時に交換すればOK!
見た目はキャップの方がすっきりしているかもしれませんが、エアコンのドレン管の先をまじまじ見る方はそういません。
さてドレン管に侵入防止策をした年、Gは何匹出現したでしょうか。
なんと……。
0匹でした!!
新築してから3年間の間、5月~8月の間に毎年必ず6匹は現れていたというのに、ネットをつけた年はなんと0!!
他に侵入がなくなった原因は皆目見当がつきません。
気密性が高いわが家に限っては、恐らくほぼ100%に近い確率でドレン管から侵入されていたのだと思います。
話しには聞いていましたが、Gの侵入を防ぐならやはりドレン管の防止策が必須!!!
必須ですよ!!
新築の防虫対策は、四の五の言わずにドレン管ネットを
虫は窓や玄関、排水口などから侵入するのですが、Gについてはドレン管対策が必須です!
私は新居を建てるより前に「ドレン管が要注意」と知っていたのに、なぜ対策を諦めてしまったのか、後悔しかありません。
安価で手軽にできるので、Gが嫌ならやるっきゃない!!
キャップよりネットがお勧めです。
私の屍を超えて行け!
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