夫の風俗が発覚し、大揉めに揉めた経験があります。
パチンコ中毒に陥ったのちに、風俗やキャバクラ通いに発展していました。
中毒期間に家族を蔑ろにしていたことが、悔しくて悲しくてたまりませんでした。
その上、金の使い込みや風俗(ソープ)、キャバ嬢と仲良くLINEをしていたことが重なって耐えきれず、離婚を強行しようとしました。
夫は私を失いたくないと離婚を拒否し、努力をし続けました。
夫が家族に正面から向き合おうとしていましたので、夫が努力しているうちは信じる努力をしようと思いました。
互いの気持ちを否定せずに、とことん話し合いました。
どちらが正しいとか正論だとか、そんなことは取っ払って、二人の折り合いがつく地点を探しました。何週間もの間、数百時間をかけました。
時に私がフラッシュバックで怒りを爆発させ、夫が謝る一方になることもありました。
なぜ裏切った夫のために、私が辛い思いをして再構築の道を探さなければならないのか。やはり離婚以外はない、と思うこともありました。
そのたびに、夫が謝罪と愛情を言い続けました。
あれから5、6年経ちます。
今私と夫は自他共に認めるラブラブです。
少し前に、友人の夫の不倫が発覚しました。
夫は不倫相手をあっさり切りましたが、妻は自尊心が大きく傷つき苦しみました。
妻は私の経験談を聞きたがりました。
話しをしている中で、彼女が興味を示したのが性生活でした。
再構築をするなら、性生活は大事な要素です。
しかし夫の裏切りのあと、性生活をするのは身を削るように辛いことです。
私の夫の場合は不倫ではありませんでしたので、不倫後の再構築より難易度は低いかも知れません。
それでも思うことはたくさんありました。
再構築に挑む方に向け、私の再構築中の性生活についてお知らせします。
不倫、風俗発覚・性生活への嫌悪感
性への嫌悪感
問われた時、多くのサレ妻は「無理」と答えるでしょう。
「気持ちが悪い」と思うのが普通です。(私調べ)
女性は受け入れる側です。
入れられるすぐそばには、内臓があります。
生命の核となる機関が「性」のすぐそばにあるということです。
ばい菌やウイルスが入ったら体の中から蝕まれます。
性は女性にとって非常にデリケートな問題なのです。(奔放な人もいますが)
男性は入れる側ですので嫌悪感をイメージしにくいかも知れませんね。
だから風俗を利用できるのでしょう。
性生活を拒否するか受け入れるか
性生活を拒否するか、受け入れるかに正解はありません。
夫婦どちらかが、或いは双方が「家族愛と性は別物」と捉えている場合もあります。愛情があっても、性を不要とみなす場合があるでしょう。
私は夫の裏切りが発覚した当初、夫を「気持ちが悪い」と思いました。
しかし私たち夫婦が再構築をするなら、性生活を含めたスキンシップは必要であると考えました。
それは夫の裏切りが発覚するまで、コミュニケーションとして性生活があったことが、大きく影響をしています。
私も夫も性欲が「ある」タイプだったからです。
夫との性生活がなくなったら、私が離婚か浮気をしない限り女性として愛されなくなります。
私は夫が好きですし、他の誰かに触れたいとは思いません。
人として、そして女性として夫に愛される実感が欲しいと思いました。
矛盾するようですが並行して「気持ちが悪い」という嫌悪感を抱き続けました。
相反する思いに感情が捻じれ、苦しみました。
その「気持ち悪い」に込められた感情が何なのか、自分の感情を探ることにしました。
嫌悪感に込められた思い
「気持ち悪い」という感情が風船のように膨らんでいました。
その風船の中身を分解してみました。
〇 夫の性行為の癖を知っているので、他の女性がそれを知った事実への嫌悪感
〇 どんな行為をして、どんな果て方をしたのか想像してしまう自分への嫌悪感
〇 女性と私の体や、感じ方を比べられるのではないかという怖さ
自分の傷を抉るとわかっていても、避妊をしたか、何度行為をしたのかなど、気になることが湧き出てきます。
女性から性を口にするのは恥ずかしいことという風潮が日本にはあります。
夫に合わせたスタイルの性生活を送ってきた妻も多いでしょう。
全てを聞き出したいのに、性にこだわり過ぎな女性は引かれてしまうのではないかという恐れも織り交ざり、感情がグチャグチャにかき乱されます。
渦巻く感情に、自分自身がついていけなくなります。
結果、「気持ち悪い」という一言に集約されてしまうのです。
夫の裏切り発覚後はボロクソに夫に切れまくったのに、性生活については言いたいことが言いきれない日々が続きました。
「女性として夫に愛されたい。夫が私を女性として見なくなったら耐えられない」と臆病になりました。
裏切り発覚後の夫婦の微妙な関係
裏切り発覚前は少なくとも一週間に一度は性生活がありました。
当時、私から誘うことはまずありませんでした。
子育てで疲れていましたし、夫から誘われる頻度で満足していたからです。
発覚後は、二週間経っても、夫から誘われることはありませんでした。
その二週間は私の感情がグラグラに揺れ、世界が歪むほどのジェットコースター状態でした。
夫に誘われていたら、「反省していない。ふざけるな!」と怒ったと思います。
きっと私の怒りや悲しみを思って誘わないのだろうと、わかっていました。
でも、もしかしたら大暴れした私を女性として見られなくなってしまったのかもしれない、と不安を感じました。
不安な反面、本当にそうであれば離婚してやるとも思いました。
この文章だけでも、感情が揺れまくっている状態がお分かりいただけるかもしれませんね。
とにかく怒りと嫌悪感と不安のなか、夫の愛情を肌で感じたいと相反する思いを抱き続けました。
裏切り発覚以降続けていた、夫との話し合いの時のこと。
「夫が好きだから悲しいし、怒ってしまう」と常々伝えていました。そしてハグをして話し合いを終えるのが恒例となっていました。
ある晩、ハグをしながら顔を見ずに聞きました。
「恥を忍んで聞くので、教えてほしい。私のことは女として見られなくなっちゃった?」
夫は驚いて私の顔を見ましたが、私は涙が止まらず、夫に顔を向けることができませんでした。
裏切られてボロボロに傷ついているのは私なのに、なんでこんなことを言って辱めを受けなければならないのだろうと、苦しくなりました。
でも夫婦の再構築って、裏切った方だけの努力じゃ無理なんですよね。
理不尽で、こっちは一方的に傷つけられているのに「なんで。どうして」と疑問ばかりで割り切れなくても、事実として二人の努力が必要なのです。
「誘ったら麒麟が嫌だろうし、傷つくと思った。だから我慢してたんだ。一生性生活が持てなくても、麒麟と一緒にいたい。」
夫の言葉を聞いて、ホッとしました。
聞きたかった言葉でした。
再構築中の性生活の実例
性生活の皮きり
その晩行為をしました。
「比べないでね。」
「比べないよ。比べるわけないでしょ。」
「比べ物にならないくらい、店の女性の方が上手でしょ?」
「あれは生身の自慰行為と一緒だから……。」
恐らく、超、萎える状況だったと思います。
私は涙が堪えきれませんでした。
夫は辛かったでしょう。
肌は触れ合いますが、傷つけあっているような気持になりました。私は「自傷行為のようだ」とも思いました。
それなのに、「ここでやめてはいけない」と思いました。
時間が経てば経つほど、緊張してしまうように感じられたのです。
「今はまだ辛いけど、続けていけば悲しい気持ちが減るかも。続けるべきだ。」という思考に到ります。
つまり“慣れ”で辛い気持ちを中和できると考えました。
賛否ある思考でしょう。
第三者から見たら、惨めに感じるかもしれません。
しかし結果的に、いい方向に向かいました。
風俗について調べる
夫は本番が容認されて(?)いるソープに行っていました。
結婚してから行ったのは一度だけと嘘を言っていましたが、のちに聞き出して数回行っていたことを認めました。
会社の飲み会の後に同僚たちとオッパブに行ったこともあるそうですが、本番ができない店は悶々とするだけなので好みではないのだそうです。
そんなにソープが好きなら私がやろう! とソープについて調べました。
実際の店を調べ、働いている女の子の集客用のブログを見ました。
ソープを舞台にした漫画やAVも見ました。
男性の体の感じ方についても、この時初めて知りました。
私が知らなかっただけで、世の中の女性達は知っているのだろうか。
私に性の知識がないから夫は風俗に行ったのだろうかと疑問に思い、友人の女性達に男性の性感帯を知っているかを聞きました。
結果は、全くの半々でした。
普段から下ネタが好きだったり、水商売や風俗で働いた経験があったり、そういった友人を持つ人は知っていて、そうでない場合は知らないという結果でした。勉強になりました。
学んだことを試す
学んだことをどんどん試してみたくなりました。
夫は「無理しないで」と言いました。
私が無理をしているようで、痛々しかったのかもしれません。
拒まれることはありませんでしたし、嫌がるそぶりも全くありませんでした。
それまでは「どうされたら気持ちがいいのか」と具体的な話をしたことがなかったのですが、聞きあうようになりました。
次第に性生活が楽しくなっていきました。頻度も非常に増えました。
夫も楽しんでくれているようでした。
相変わらず感情の揺れを夫にぶつけることがありましたが、性生活を持つことで、夫は私の気持ちがそばにあると感じられて、安心できるようでした。
性生活の周囲の反応
呆れる友人
私の行動を知っている友人は、「よく頑張ってるね」と言いました。
正確には「よくやるよ……。」ですが。
「旦那が風俗行っても離婚はしないけど、二度と触らせない。汚いから一生ゴミとして扱う」と友人は言いました。
そして私に「辛くないの?」とも聞きました。
最初こそ辛かったですが、性生活を持ってよかったです。
性生活を避けていたら、どこまで行ってもよそよそしさがなくならなかったように思います。
我が家の正解は積極的に性生活を持つことだったと、今でも思っています。
風俗を軽視する男性の反応
このころ、風俗好きの先輩を含めた、かつての同僚男性たちと会う機会がありました。
夫の風俗が発覚し、大暴れした挙句、風俗テクニックを勉強して試していることを話しました。
すると、
「風俗は浮気じゃないんだから、離婚理由にはならないだろ。」
「嫁にテクニックは求めてない。テクニックあり過ぎると引かれることがあるぞ。」
「嫁が大事なのは当然だが、それ以外の女を抱くのに意味があるんだ。男はそういうものなの。だから不倫するの。」
と好き勝手なことを言われました。
同僚や先輩たちの中には、不倫経験者がチラホラいます。
大半が遊びで、不倫相手と再婚したのは、元妻が耐えきれずに逃げたケースだけでした。
「参考になりました。これ以上は聞きたくない。」とぶった切って話題を変えました。
「嫁にテクニックは求めてない。テクニックあり過ぎると引かれる」を思い出し、不安になって夫に聞きました。
「無理はしてほしくない。テクニックはなくていい。でも今の性生活も嫌じゃない。二人で楽しめているのがいい。」という答えが返ってきました。「それなら、このままでいいこう!」と安心しました。
腹を探らない・触れ合いの重要性
会話も肌も、とことん擦り合わせました。
酷く揉めて責められまくったにも関わらず、夫は「以前よりもっと麒麟が愛おしくなった」と言い、私も愛情を感じられるようになりました。
性生活が開放的になったからなのか、たくさんの会話を重ねたからなのか、「何を考えてるのかな、聞いた方がいいのかな、そっとしておく方がいいのかな。」と探ることもなくなりました。
激しいフラッシュバックは一年半から二年経つ頃になくなりました。
四年経つ頃には感情の揺れが消え、今の幸せがあることに感謝するようになりました。
末っ子が生まれました。
難病を抱えて生まれ、根治はありませんが、夫婦で支えあい楽しい生活ができています。
不倫後の性生活
夫の不倫が発覚して苦しんでいる友人は、性生活をどうするべきか悩んでいました。
夫の性欲がなくなればいいと願っても、そうなるわけではありません。
抱かれなくなることに寂しさを感じますが、夫に歩み寄ることは、自分の価値を下げるような感覚にもなります。
懲らしめるために、一生禁欲させたいという思いも持っています。
懲らしめるだけでは、根本からの再構築にならないことは分かっていても、様々な感情が渦巻きます。
どうしてこんな思いをさせられなきゃいけないのかと、苦しんでいます。
私の経験を伝えましたが、彼女がどういう答えを出すのかはまだわかりません。
夫を拒み続けたとしても、それは彼女のせいではありません。
正解は一つではありません。
どなたかの参考になりますように。