夫婦のすれ違いはなぜ生まれるのか。会話の重要度の違いと男女の決定的な違い

離婚危機を乗り越え、夫婦再構築に成功している主婦です。

再構築は“恐らく”成功している、が正しいですね。
人間は変わっていくものなので、いつどこでどうなるかわかりませんから。

親戚や周囲を巻き込み、盛大な離婚騒ぎを起こしてから約7年が経ちました。

再構築が成功した理由は、何日も長い時間をかけて話し合いができたことにあります。

夫と私の認識の食い違いが、いくつもあることがわかりました。さらに、夫の発言に大いなる矛盾があることに気が付きました。

どうして夫婦がすれ違うことになったのか、夫が矛盾する発言をするのは何故なのか、わが家の例を検証します。

夫婦のすれ違いはなぜ生まれるのか

話し合いは当初、私の怒りから始まりました。

夫はそれまで私を蔑ろにしていたので、話し合いを求めても応じることはありませんでした。しかし夫の“やらかし”が発覚したことで、私が我慢の限界に到達。離婚を突きつけたのがきっかけで、夫は私を引き留めるために、話し合いに応じざるを得なくなりました。

私は溜め込んだ不満を吐き出し切りました。その上で夫から私への不満を聞きました。すると夫の話の多くに矛盾を感じることになりました。

例えば夫が「仕事で夜遅く帰っても、家族はみんな寝ている。俺はATMだと思った」と言いました。しかし夫はかつて「遅い時間の帰宅を待たれていると、プレッシャーになるから嫌なんだ」と怒ったことがあったのです。それも一度ではなく、複数回ありました。酷い矛盾です。

「あの時夫は、待たれたくないと言って怒ったよ。だから私は待たないほうがいいんだと思って、子どもたちと眠るようになった。私は寂しかった」と伝えました。いつ頃、どんな状況で言われたかを、覚えている限り詳しく伝えたのです。

夫は怒ったことを忘れていることも多いようでしたが、詳しく話したことで、いくつか思い出したようです。私に指摘されて、ハッとした表情をしました。

「遅い時間の帰宅を待たれていると、プレッシャーになるから嫌なんだ」と怒った時、夫は仕事と偽ってパチンコに通っていました。パチンコ中毒に陥って、借金も作っていたのです。

パチンコに通う後ろめたさから、「仕事から疲れて帰ってきたと思っている妻に、労わられることが辛い」状況に陥りました。そのストレスから逃れたくて怒りが湧き、咄嗟に口にしたのが「遅い時間の帰宅を待たれていると、プレッシャーになるから嫌なんだ」でした。

しかし夫は自分が何を言ったかを忘れていました。
その場を取り繕うための咄嗟の発言なので、心に残らないのです。

夫は自分を正当化するために、私への不満を作り出すようになりました。

パチンコ仲間だったバツイチの先輩に妻(私)への不満を言うと、「嫁は夫をATMだと思ってんだよ」と軽く言いました。夫はそうだと思い込みました。その方が罪悪感を感じずに済み、都合がいいからです。

そうして夫は、家庭での態度を悪化させていきました。今で言う、モラハラ状態です。

私は夫に話し合いを持ち掛けましたが、妻を蔑ろにしている夫が応じるわけがありません。

パチンコに行きたい、借金返済で金が要る、ゴルフに行きたい、同僚と旅行に行きたいという欲の原因を私のせいにして、その場しのぎの“それらしい理由”をつけて家計から金を出させようとしました。全くの自発的な旅行にも関わらず、会社の強制旅行で、10万の自費が必要だと主張されたこともありました。

その場しのぎの説明なので、突っ込みどころが満載でした。
2、3突っ込むと、夫は「自由がない」と怒り出しました。

このままでは生活が立ち行かなくなると夫を説得しますが、通じませんでした。

私は正しいことしか言えなくなり、子育ての疲れもあって、夫と分かり合うことを諦めました。夫が不機嫌だと子どもたちが不安がりますし、食事も不味くなります。不仲な両親に育てられた私は両親のようになるまいと、夫がいる時は機嫌を取るようになりました。

すると夫が家にいる時間が苦痛になっていきました。いつ怒るのか、何を言ったら平穏に過ごせるかばかり気にするようになりました。

子どもの体調不良や行事でも、夫をあてにしなくなりました。不機嫌になる可能性があることを避けると、そうなっていくのです。

こんなことを繰り返して、夫婦の会話が上辺だけのものになり、減っていきました。

夫婦間で頻発する、咄嗟の言い訳

私の夫のようにパチンコ中毒に陥っていたり借金があったり、風俗やキャバクラに通っていなくても、スマホゲームをしたい、家事をやりたくない、子どもの相手をしたくない、遊びに行きたい、楽したいという、生活の中で誰でも多少は持っている欲求を満たすために、咄嗟の言い訳をすることがあります。

夫が妻に言い訳することもあれば、妻が夫に、親が子どもにすることもあるでしょう。

日本では、子育てや家事を女性の仕事と認識している人が未だに多くいます。その方が自分に都合がいいからです。時にはこんな社会的認識を持ち出して、妻を責めて黙らせて逃れようとする夫もいます。

私と夫に限らず、多くの夫婦間でこのすれ違いが起こっているのではないでしょうか。

夫婦がすれ違うきっかけ

私と夫のすれ違いが生まれたきっかけは、子どもが産まれて時間的、体力、精神的に余裕をなくしたことで、私が夫の世話をできなくなったことでした。

仕事の愚痴などを、私から聞き出すことができなくなったんです。何か月も満足に眠れず、子どもの泣き声に心が疲弊していて、子どもの命と自分の精神を守ることで精一杯でした。

妊娠出産と産後の子育ては女性の生死に関わる問題ですから、余裕をなくして当たり前です。夫婦がすれ違った大きな原因があるとすれば、話し合いに応じなかった夫の態度にあると、今でも思っています。

しかし夫もまた、抱えていることがありました。

時期を同じくして、社内で問題視されていたある同僚が、夫を執拗に攻撃するようになっていたのです。会社で責められて、家では余裕がない妻と泣きっぱなしの子どもがいる。(上の子がそれはよく泣く子でした)夫は夫で、逃げ場がなくなっていました。

詳しい話は、こちらの記事にまとめています。

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男女の思考の決定的な違い

私は夫が咄嗟に言った言葉を真に受けて、夫の態度を誤解して捉えるようになりました。

夫は自分の発言を忘れていますので、私が夫を待たずに寝たり、夫に余計なことを言わなくなっていったことを「蔑ろにされている」と捉えるようになっていきました。

私からしたら、「夫婦がうまくいかない元凶は夫のせいだ!」と言いたくなりますが、友人夫婦やネット上でも似た話を聞くたびに、性差なのかもしれないと思うようになりました。

男児を育てる母親は、よく「男の子は単純。女の子は情緒面が面倒臭い」と言います。

実際のところ、大人になっても男は単純、女は精神面が面倒(である割合が高い)かもしれないと思うのです。

つまり夫がパチンコに行きたいがために嘘を言い、ストレスから逃れるために適当な理由をつけて妻を責めたり、その場が凌げたからと言ったことをさっさと忘れてしまうのは、単純だから。

夫の言ったことをいつまでも覚えていて、それに囚われて「だってあの時こう言ったじゃん。だから私は良かれと思ってこうしたのに。わかってよ!」というのも、女によくある面倒臭い性質なのかしらと。女性は嫌なことに対する長期記憶が優れてるとも言われていますしね。

大人になったら欲は理性で抑えてほしいですし、同時に女性も、思考の整理方法を学んでバランスをとっていく必要があると思うのですけどね。

会話の重要度の違い

男女で会話の重要度が違うようにも感じられました。

共感を求める女性に対して、男性は解決法を述べてしまうと言われています。解決法がないことを、いつまでも話し続けても意味がないと捉えるわけです。

例えば子育て中の妻が求めるのは、終わりなく繰り返される子どもの世話が大変であることを「わかってほしい」という共感です。それに対し、子どもと関わることが少ない夫は「俺はわからない。できない」で終わらせてしまいます。

この終わらせる癖が、言い訳を述べる際にも出てきます。

解決方法がないことに対して、ただ話をするのは無駄ですし、自分の欲を満たすための言い訳ですから尚更早く終わらせたいのです。

咎められたくないから、適当な理由を言います。主張を通すために怒ったフリもして、真実味を増したように装います。

それによって妻は諦めて何も言わなくなって行きますが、夫にはそう仕向けている自覚がまるでありません。

欲を優先し、適当に言葉を選んだ結果が、会話を重要視する妻の“決定項”になってしまっていたんです。

夫が仕向けておきながら自覚がないため、妻が意にそぐわない言動をすると、責めます。
それがモラハラを生み出します。

うちは夫がパチンコにのめり込み、風俗通いもありましたが、それを家庭に夫の居場所を作らない妻(私)のせいと言われたことに、何て幼稚でアホな生き物なのだと、当時は愕然としました。(アホなことをしない男性もたくさんいるはずなのに、うちの夫はなんて愚かなのかと)

言葉にうるさい理詰めタイプの夫は別ですが、妻は夫の言葉を真に受けず、右から左に流すくらいがちょうどいいのかもしれません。

話し合いができない夫婦の危機感

私は7年経つ今も、私を蔑ろにしていた時の夫を許していません。許せることはありませんし、許さないほうがいいとも思っています。

受け入れていますし、夫を責めることはないですけどね。

今はすっかり夫婦関係が良好になりましたが、夫が繰り返すことがあれば、二度とやり直すことはありません。
妻が夫の勝手な態度を許してしまうと、悪化するばかりで良いことはないと感じているからです。

離婚を突きつけた時、夫は大変驚いて恐怖で青ざめました。

まさか離婚になるとは思っていなかった、当然いつまでも妻は側にいるものだと思っていたそうです。夫婦は思いやれなくなったら他人に戻ります。

そんな当たり前のことを忘れることで、甘えが出て、その場しのぎの言い訳が繰り返され、矛盾を生み出していきます。

とはいえ、矛盾は夫に限らず私にもあります。
私の場合は言い訳ではなく、その場の感情に任せて発言が変わることで、出てくるようです。

例えば、戦争は何としても回避するべき、誰も傷つけてはいけない。と思っているのに、自己中心的な事件の犯人には「目には目を歯には歯を」と思ってしまうことなどです。

精神は矛盾するものだとどこかの精神科医が言っていましたので、多少の矛盾は仕方ないと思いますが、その時々で伴侶を振り回すほどになってはいけないですね。

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