「家庭に居場所がない」という夫の真意・妻が心底驚いた理由とは

結婚10年を超える主婦です。

子どもが三人居り、夫との関係は良好。
落ち着いた家庭を築いています。

しかしある晩、夫が「家庭に居場所がない」と言いました。

夫最優先で生活していますし、自他共に認めるラブラブ夫婦だと思っていた私は、絶句するほど驚きました。

そう思うに至った理由を聞き、さらに驚きました。
私では、決して想像できない理由だったからです。

夫婦は話し合いを重ねないと、分かり合えないのだと痛感した一件をお知らせします。

「家庭に居場所がない」と言った夫

ある休日の話です。

夫と私はソファに座って寛いでいました。
私が夕飯の準備をしようと動き出そうとしたところ、小学生の長女と次女が風呂から出てきました。

長女の習い事に関わることで確認しなければならないことがあったため、私は長女に話しかけました。

三分程度話をしたのちに、子どもたちはいつものように歌ったり踊ったりして騒ぎ出しました。

夫はおもむろに席を立って、寝室に行ってしまいました。
夫が子どもたちを「うるさい」と感じて寝室に行ったのだと思いました。

私が夕食を作る間、未就学児の三女が私に構ってほしいとやってきて、手一杯となりました。

わが家はかつて、夫が家族を蔑ろにした(不貞、ギャンブル中毒、借金)ことをきっかけに、離婚危機に陥ったことがあります。
私がブチ切れをして、離婚を突きつけたのです。

離婚危機までは、夫は家族を鬱陶しがる行動を度々とっていました。
私は「仕方ない」と我慢して、放っておいてしまいました。取り合うのが面倒だったのです。

そして夫は、より勝手な行動をするようになっていきました。

離婚危機をきっかけに、夫婦で長い時間をかけて話し合いました。

お互いが「言わなくても分かっているはず」と思っていたことに、食い違いが生じていたことがわかりました。
小さな食い違いが無数に重なって、大きな心のすれ違いを生んでいたのです。

小さな違和感を放っていてはいけないのだと学びました。
小さな事柄でも、互いの発言と真意を伝えあい、受け入れるのが大切だと知ったのです。

以来、不満は「話さなくてもわかるはず」と思わず、日ごろから伝えるようになりました。

この日。

・食事の準備をしている間に、夫が三女の相手をしてくれたら楽になるのに。
・以前のように、家族を蔑ろにするようになるのでは。

こんな不安が過りました。

これは離婚危機の後遺症だと思っています。
離婚危機以前より格段に夫婦仲が深まったとはいえ、突発的に不安が過ることがあります。

不満を溜めたままにすると、過去の不満も引きずり出されて、心が淀んでしまいます。

このままではよくないと思い、寝室に向かいました。

夫は暗い部屋で布団に横たわりながら、スマホを見ていました。

「ずっと寝室にいるの?」と声をかけました。
夫はスマホを触る手を止めたものの、沈黙しています。

「子どもたちがうるさかった?」と聞くと、夫は、

「家庭に居場所がなかった」

と答えました。

妻が心底驚いた理由

はぁ!?

一瞬にして頭に血が上りました。

しかし、自分を抑えます。

私は夫が好きですし、子どもたちもパパが好きです。
食事を作っていた私は、今まさに夫の存在を必要としていました。

決して夫を蔑ろにした覚えもありません。
溜め込みやすい夫の愚痴や不満も、よく聞いています。

子どもより夫を優先しているのに、まさか「家庭に居場所がなかった」と言われるとは。
心底驚きました。

驚きすぎて、何と言っていいかわからず、暫く立ち尽くしてしまいました。

「もういいよ。リビングに行くから」
そう言って夫は体を起こしました。

ここで話しを終えるのはよくない。
きちんと夫の話を聞いて、その上で私の気持ちを話さなければ。

そう思い、夫の横に座りました。

「良くないよ。何で居場所がないと思ったの?」と聞きました。

夫はすこし躊躇っていましたが、ゆっくりと話しだしました。

家庭に居場所がないと思った理由

風呂から出てきた長女に、私が話しかける前。
長女と次女が、二人で風呂に入っていた時のことです。

風呂場から、次女の激しい泣き声が聞こえました。
長女がシャワーを独占して、次女に渡そうとしなかったからです。

これはいつものことでした。

この日、長女は次女に一緒に風呂に入ろうと誘いました。

次女は誘いを断りました。
シャワーを独占され、泡だらけのまま延々と待たされることが分かっているからです。

長女が「今日はちゃんとシャワー渡すから一緒に入ろう」と強引に誘い、次女が押し切られる形で二人で風呂に入ることになっていました。

一部始終を夫も私も見ていました。

しかし長女は約束を破り、やはりシャワーを独占して、次女に渡しませんでした。
そして次女が泣きました。

風呂場がリビングに面していることもあり、私も夫も状況がよくわかりました。

夫は風呂場に行き、長女を強く叱りました。
私は夫がガツンと叱っている声を、リビングで聞いていました。

それからはシャワーの貸し借りで揉めることなく、長女と次女が風呂場で歌う声が聴こえました。

夫は私が座るソファに戻ってきて、また座りました。

「長女の身勝手さには困ったものだね」と夫が言い、「(叱ってくれて)ありがとう」と私が答えました。
夫はスマホに目を落とし、動画などを見始めました。私は少しして夕飯の準備を始めました。

15分くらい経って、二人が風呂場から出てきました。

私は長女の習い事で用意しなければならないものがあったので、長女に話しかけました。

☝ここ。

夫は、私が長女に習い事の件で話しかけたことで、「家庭に居場所がない」と感じたと言いました。

え??

「俺が長女を叱った後なのに、妻(私)は叱らなかった。長女に普通に話しかけて、俺がよく理解できないこと(習い事で必要なものの話)で盛り上がっている。俺は邪魔者みたいだった」と言うのです。

夫が叱った件を、私が蒸し返すべきという事?

両親揃って叱るのは、子どもの心の居場所を奪うため良くないと言われています。
夫もそれを知っていました。

これはどういうこと?

理解するまで少し時間がかかったのですが、つまりこういう事でした。

夫が感じた孤独感

長女を叱った後、夫はソファでスマホを見始めたものの、怒りが収まりませんでした。
夫は感情の切り替えが下手なのです。

風呂場から子どもたちの歌声が聴こえるのも、夫には「反省していない」と感じられました。
そして、いつも長女を叱っている妻(私)なら、このイライラがわかるはずだと期待していました。

夫は、「自分と妻(私)の気持ちは同じはずだ」と思っていたのです。

対して私は、夫が叱ってくれたことで「終わった話」だと認識していました。
次に長女と次女が風呂に入る機会に、「予め釘を刺せばいい」程度にしか思っていなかったのです。

夫は風呂から出てきた長女に、私がもう一度叱る(諭すように話す)と思っていたようです。

しかし実際は叱ることなく、習い事の話で盛り上がり始めたので、自分の気持ちが蔑ろにされたように感じたのでした。

夫は妻と自分の感情の差、精神的テンションの違いから孤独感を感じて居場所がないと思い、寝室に籠りました。

夫婦が話し合う重要性

私は、夫が子どもたちをうるさいと感じて、家族と距離をとるために寝室に籠ったのだと思いました。
しかし夫は、妻に蔑ろにされたと感じて、距離をとっていました。

わざわざ寝室に籠る行為は、盛大な「いぢけ(いじけ)」と言えるかもしれません。
クールダウンのためもありますが、「居場所がない」アピールでもあるように感じられました。

じっくり話をして、「家庭に居場所がなかった」の真意を聞きださずにいたら、私は夫に憤りを感じただけで終わっていたでしょう。

寝室で30分近く話をしていたので、子どもたちが「何してるの」と入ってくることがありました。
リビングで待っていてとお願いして、夫婦の時間を作りました。

そうするだけの価値がある時間だったと思います。

どんなに関係が良好でも、過信してはいけない。

夫婦はしっかり話をしないと、いつでもすれ違うことがあるのだとわかりました。

夫婦の話し合いの重要性と夫の真意

因みに。
夫と話し合いをした時、私は夫にお叱りを受けています。

「寝室に来た時、最初から怒ってたでしょ。よくないよ」と言われたのです。

そうです。
私は確実に怒っていました。

抑えているつもりでも、言葉の発するタイミングや雰囲気でバレていました。

さらに、普段大切にしている伴侶に「家庭に居場所がなかった」と言われたものだから、怒りがボン! と瞬間的に沸騰しました。

以前のように家族を蔑ろにするのではないかと思いましたし、忙しい時間に部屋に閉じこもられて、「身勝手な行動だ」とも思いました。色々と重なって、怒りが隠しきれなくなっていたようです。

私は「家族が蔑ろにされている気がして、イライラした。ごめん」と謝りました。

夫は「蔑ろにしたつもりは全くない。習い事の件は、俺がわかる話ならまだよかったんだろうけど……」と呟きました。

夫は仕事で家にいない時間が多いため、子どもたちと関わる時間は私の方が長いです。
夫が知らない、「名前のない家事育児」をこなすのは私です。

やらなければならないからやっているのですが、夫からしたら「わからない」ために、疎外感を感じやすいのかもしれません。

私は夫の言葉の真意を、こう理解しました。

・常に俺の味方でいてほしい
・俺を常に気にかけてほしい
・俺の気持ちを理解して共有してほしい

これは夫なりの甘えなのかもしれませんね。

「言わなくても分かってよ」と思う妻のエピソードを多々聞くことがあります。
男女問わず、夫婦間でよくあることなのかもしれないと感じました。

「わかってくれた」安心感と夫婦像

じっくり話した後は二人でリビングに戻り、酒を楽しみました。

「理解された」と感じたらしい夫は、上機嫌でした。
夫婦で酒を飲み、子どもたちと食卓を囲う空間には、間違いなく夫の居場所がありました。

これは夫の例であり、別の理由で「家庭に居場所がない」と思う方もいるでしょう。

夫に「家庭に居場所がない」と言われた方は、その後どうコミュニケーションを取られましたか?

また、「家庭に居場所がない」と思ったことがある夫の立場の方。
そう思った理由は何でしたか?

是非教えてください。

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