築40年を超える古家つきの家を購入し、数年住んでから建替えています。
古家には広い庭がありました。
何年にもわたり手入れをされていなかった広い庭は、虫の温床となり日差しの妨げにもなっていて、洗濯物を干すことも躊躇うほどでした。
中古住宅の購入を考えている方に向け、庭付きの家を購入する際の注意点をお知らせします。
庭付きの家を買う前に注意するべきこと・その庭、手入れできる?
私も夫も、草木に興味がありません。
ただ日照や風通しが妨げられない土地を探した結果、庭が広い家を買うに至りました。
出産を機に築40年を超える中古住宅を購入しました。新築を購入する予定でしたが、子育てに向いた環境のいい土地が見つかりませんでした。義両親の勧めもあり、まずはいい環境に建つ中古住宅を購入し、その後リフォームか建て替[…]
この物件を購入した時、庭は原生林のように荒れ放題でした。
30坪ほどある庭と、家と道路の境の合計40坪ほどの土地に、草や木が生い茂っていたのです。
家の購入に当たりアドバイスをくれていた義両親は、草木の手入れが趣味です。
どう手を付けていいかわからない恐怖の庭を前に、新たに実のなる木を植えたらいいと勧めてきました。さらに木を植える行為は、私にはあまりにもハードルが高すぎました。
援助がないにも関わらず、義両親に土地の候補を却下され続けていました。
このままでは一向に不動産を買えないと思い、とにかく決めてしまいたい思いでこの物件の購入に踏み切りました。
平均所得家庭にとって、土地の購入は一生に関わる買い物です。土壇場で親から反対されるという話しも珍しくありません。我が家も例に漏れず、義両親から土地の候補を反対されまくりました。このままでは家が建てられない。援助を受けるわけでもないし[…]
未経験者が庭の手入れをするのは辛い!
庭は草木が生い茂り、通風が妨げられて虫の住処となっていました。
朝は様々な鳥の声を近くで聞くことができました。
鳥は虫を食べにくるのです。
余程餌が豊富なのでしょう。
朝は鳥の声がうるさいほどでした。
鳥の声は素敵でしたが、それしか良い点を感じませんでした。
せっかくの広い庭でしたが、虫が怖くて窓を開けられません。
蜘蛛は直径30cm近いサイズの子が巣をいくつも張っています。
爬虫類から昆虫まで、見たことがない生物とよく出会いました。
蚊が大量にいて、凄まじいほど食われます。恐怖でした。
蜂もよく巣を作ります。
ムカデ、ゲジゲジ、ヤモリ、ダンゴ虫、蜘蛛、蟻、蛾、羽蟻、ゴキブリが庭から家に頻繁に侵入しました。
庭がストレスの元になりました。
私が産後間もなかったことや、素人が雑草を抜いてどうにかなるレベルの話ではなかったため、シルバー人材センターにお願いをして草刈りをしました。
シルバーセンターから派遣されてきた高齢の男性は、自営で造園業を営んでいるプロでした。初回は5万円ほどでしたでしょうか。「中々やりがいのある物量だね」と言って、バリバリと手入れをしてくれました。
草が刈られて足元はスッキリしましたが、根が残っていますので、数週間でまた伸びてしまいました。
また、木は変わらず生い茂っているために風の通りが悪く、虫が多いのは変わりませんでした。
何度かシルバー人材センターにお願いして、このような状態になりました☟
大分スッキリはしてきましたが、写真に写っていない左部分は笹が恐ろしいほど伸びまくっていて、収拾がつかない状態となっていました。
(庭に出るのが嫌だったので、窓越しに撮った写真です。)
☟こちらは網戸越しです。
広いはずの庭は草木で狭く感じられました。
庭の木を切って手入れする
子どもに虫による被害が及ぶことを避けるため、庭の木を切ることにしました。
4mを超える垣根が21本、3mを超える道路との垣根が15本、それ以外に幹が太い木が4本植えられ、駐車スペースと庭との境に30本程度の笹が生えていました。
裏家との垣根を2mの高さまで切り、その他の木や笹は根元から切ってもらうことにしました。
造園業者数社に見積もりを取ったところ、40万~50万の見積もりが出されました。
家を購入したばかりで金銭的な余裕がなく、それでなくても古家の手入れで出費が重なっていましたので、望みを託してシルバー人材センターに見積もりを依頼しました。
前回と同じ方を指名して来てもらい、相談しました。
シルバー人材センターでは安全面への配慮から、4mを超える木などの手入れをすることはできません。
しかしその方の本業は造園の経営者です。
高所は造園業者として請け負ってもらい、シルバー人材センターとして請け負えるところはその金額で作業してもらえることになりました。
合計10万円を切る破格でした。
おじさんは「こんなに立派な木を切るのは、心が痛むなぁ」と言いながら作業していました。
私は木に思入れを持ったことはありません。
実家に木はなかったし、植物を育てたり飾ったりする習慣もありませんでした。
しかし悲しげなおじさんを見ていると心が痛みました。
2tトラック2台分の廃棄が出て、家のゴミとして出せる分は自分で捨てました。
産廃量が予想より多かったようで、人件費もかかったため、「赤字だ」とおじさんは笑いました。
「立派な紫陽花の株は残しておいたよ」と言われました。
紫陽花は生命力が強く、あっという間に大きくなるので、切るのが大変です。
「紫陽花も切ってもらいたい」と思いましたが、安価で親切に請け負ってくれたおじさんの好意を受け取ることにしました。
笹は切ってもすぐに伸びてきます。
根っこを切るには、重機で土を掘り返さなければなりません。
大工事となってしまうので、安価で済ませるなら逐一自分で切るしかないとアドバイスをもらいました。
飾り岩は売れない・捨てるのもコストがかかる
木を切ってもらうと、風通しがよくなり、蚊が減りました。
ようやく庭で遊べるようになります。
視界が開けたことで、新たな障害物を発見します。
飾り用の直径40~60cmほどの岩が大量にあるのです。
大きい岩が二個あるのは知っていました。
家の売主が、岩一個が60万したのだと自慢気に話をしていたからです。
昔は高額で取引されていた飾り岩ですので、高齢者の中には未だに資産になると思っている方がいますが、今は需要がなく、買い取ってくれるどころか、引き取ってくれる業者もありません。
シルバー人材センターのおじさんに聞くと、廃棄には数十万の費用がかかると言われました。
その他の業者に問い合わせても、同様の返答でした。
廃棄する場合はユニック車を入れ、専用の産廃処理が必要になるのだとか。
近い将来家を建て替える予定がありましたので、その際に処理をする方がコストを抑えられると考え、諦める他ありませんでした。
広い庭を自力で手入れする方法
木が少なくなり落ち葉が減ったので、外掃除をする手間が減りました。
しかし庭の草はどんどんと伸びてきます。
雑草が沢山混ざった芝の手入れは、手作業だけでは難しく、機械を使うことにしました。
岩が多く置かれていたため手間取りましたが、それでも手作業よりは時間を短縮できました。
当初は小型の芝刈り機を購入しました。
岩が多くありましたので、岩のそばに生えている草を刈ろうとすると刃が欠けました。また地面に這って動かなければならないので、腰が痛くなったうえに、すぐに壊れました。
小型に頼るには、広範囲過ぎました。
次にこちらを購入しました。
小さな子どもがいたため、事故を避けるために私と子どもは家に残り、夫が刈ってくれました。
全身に草がつくので、ゴーグルをして目を保護します。
窓を閉めて飛び石対策をし、全身汚れてもいい服と手袋で完全防備をして臨みました。
草刈りが終わると、夫と私で刈った草の袋詰めをします。
毎回45ℓ袋が5~8袋と小枝の束を全身汗だくでまとめました。
草木の手入れは年に4回ほど大々的に手入れをする程度でしたが、春から一斉に芽吹き伸びる草木を憎く感じるようになりました。
家を建て替えたら、手間のかからない庭にしよう!
夫と私の強い希望でした。
手間がかからない庭作りとザバーンの効果
家の建て替えが決まりました。
家の解体と共に庭の岩を撤去してもらうよう、解体屋にお願いしました。
岩だけで数十万の追加費用がかかりました。20万程度だったでしょうか、見積もりはグロス記載で口頭で聞いたため詳しく覚えていません。
岩には苦い思い出しかありませんでしたので、見積もり額に腹立たしさしかありませんでした。
裏家との垣根のみを残し、庭が更地になった時は解放感で一杯でした。
家の道路側は駐車スペースとするため、コンクリートを敷きました。
庭は防草シートを敷いた上で人工芝を敷きたかったのですが、土地のすぐ下が岩盤になっており、その岩盤が硬くごつごつとしていたため、平たくするにはかなりの追加費用がかかることがわかりました。
土地を均す工事と防草シートと人工芝、下地用の砂利の見積もりだけで200万を超えました。
私と夫の優先順位一位は、とにかく雑草と虫の繁殖を防ぐことですから、DIYで防草シートを敷くことにしました。
引っ越し後に余裕ができたら、その上に人工芝を敷く予定を立てました。
実は古家でも、ホームセンターで購入した防草シートを敷いたことがありました。
しかしドクダミなどの生命力が強い雑草が、シートを容易に突き破って生えてきました。
雑草は生命力が強いです。
そんじゃそこらの防草シートでは、草に負けてしまいます。
そこでトコトン強い防草シートを求めて調べました。
すると、多くの公共施設でザバーンという防草シートが使われていることがわかります。
ザバーンとは米国デュポン社が開発した、耐久性や浸水性に優れた防草シートで、プロが好んで使用する信頼のおける製品です。
調べてみると、防草シートの中では高価ですが、十分手に入る金額でした。
1m幅や2m幅があり、色もグリーンやブラウンがあります。
厚みも350、240、125と三種類あります。(数字は1㎡あたりの繊維の重さです。単位はg)
数字が多いほど厚みがあり、防草効果が高いものになります。
我が家は240を選びました。
こういったピンを50cmから1m間隔で打ち込み、固定します。
テープは高かったので買いませんでした。
ホームメーカーが、少額の手数料で防草シート(施主支給)を貼ってくれることになり、お願いしました。
急遽決まったため、テープを使用せず敷かれることになりました。
そして現在もこの状態です。
引っ越し当初はママ友やご近所から、「この緑のシートはなんなの?」とよく聞かれたものですが、みんな慣れたのか、今や誰も聞いてこなくなりました。
建替えて3年経った今も、人工芝を敷くことなくこの状態です。
そんなもんです……。
ザバーンの効果は非常に大きいものでした。
生えてくるのは、ザバーンの隙間からだけです。
ピンを刺した隙間や、ザバーンの端から出てきます。
たまにそれを抜いたり、除草剤を撒いて処理します。
以前に比べたら非常に楽になりました。
ザバーンお勧めです!
庭の手入れのそれぞれ
義両親が度々新たな木を植えるよう勧めてきました。
「手入れが大変なので、考えていません」と毎回答えていました。 その後ザバーンを全面に敷いたのを見て、今は何も言ってこなくなりました。お義母さん、スミマセン。義両親宅では庭の手入れを専門の業者に頼んでいます。木が大きくなって手に負えなくなると、抜いて新たな木を植えています。 そのたびに数十万円から100万単位のコストがかかります。裕福な家庭はいいのでしょうが、我が家では考えられませんでした。近所に注文住宅を建てた友人宅は、旦那さんの希望で庭に何本もの木を植えました。
初めの二年ほどは手入れをしていてよかったのですが、そのうち飽きて放置された木がぐんぐん伸び出し、「植えなきゃよかった」と言っています。
若いうちはいいのですが、年を取った時に金銭的余裕がないと、或いは手入れが趣味でないと、維持が難しいでしょう。そのころには木が大きくなっているので、さらに処理が大変です。
また別のご近所さんは、「虫が多いので庭に出ていない。庭は広いけど子どもにプールもやらせてあげられない。今後どうしようか悩んでいる。」と言います。
我が家は夫婦ともに植物に興味がなく、さっぱりとした手入れが不要の庭を好みました。
そう言うと、「庭は欲しいけれど、手入れはしたくないなんて贅沢だ。なんで庭のある家にしたの」とよく聞かれます。
分かってはいるけど、素直な希望でした。
“家を買う”ことは=“夢と現実、双方に襲われる”ことです。
夢を抱いているときは、「草木の手入れ苦手だけど、頑張るしかないよね。やっているうちに好きになるかも。ガーデニングを趣味にすればいいんだ。」と希望を抱きがちですが、そう簡単に趣向は変わりません。
家を買って暮らし始めれば、それまでとさして変わらない暮らしが続いて行きます。
夢のあとには現実が待っています。
夢と現実を見つめて、自分の性格と照らし合わせて庭の計画をすることをお勧めします。
建替えたら生まれ変われるわけではないのでね。
木だけでなく、雑草の生命力は大変なものです。紫陽花も!!
雑草予防にはザバーンいいですよ。
しかし2019年の度重なる台風でザバーンが剥がれ、敷きなおしました。
人工芝を敷けば剥がれないのでしょうかね?
この点は要検討です。
よいマイホームライフを。
建築物や空間デザイン、インテリアが好きで、装飾屋の仕事をしていた私が結婚後、築40年を超える古家つき物件を購入し、建替えました。造作好きでありながら、自身の家には凝った装飾をしませんでした。古家に住んだ経験から、多くのことを学んだからで[…]
我が家は高気密高断熱住宅に住んでいます。家を建て替えるまで、隙間風の多い古い木造に住んでいたので、差を強く感じました。https://kirinroom.com/2020/05/02/home/高気密高断熱住宅の冷暖房[…]