中古住宅をリフォームではなく建て替えた理由

出産を機に築40年を超える中古住宅を購入しました。

新築を購入する予定でしたが、子育てに向いた環境のいい土地が見つかりませんでした。
義両親の勧めもあり、まずはいい環境に建つ中古住宅を購入し、その後リフォームか建て替えを検討することになりました。

義両親に勧められて購入したのは、老舗大手不動産会社が建てた家でした。
居住者がいたため隅々まで見学ができず、見た目が綺麗で環境が良い。それだけで決めました。

中古住宅に暮らすリアルと、建替えた理由をお知らせします。

中古住宅のリアル

その中古住宅は素敵な特典がありました。

○春の嵐で雨漏り。
○台風で大盛りの雨漏り。屋根の一部が飛ぶ。
○床は一部腐ってふかふか。
○建具の木が剥けて、子どもの手に棘が刺さる。
○家の基礎の束石に綺麗にヒビが入っている。
○家の中でイモリやG、直径20センチを超える蜘蛛やアリとダンゴ虫の行列に出会う。
○子どもたちが二階でジャンプをすると、床が抜けるのではないかと気が気じゃない。

という全く喜べない、サバイバルなものでした。
当然契約時に説明されていないものばかりです。


とりわけ驚いたのは、台風で屋根が飛んだ時のことです。

台風が過ぎ去った朝、家の中で雨漏りの後片付けをしていると、インターフォンが鳴りました。
相手は隣の家のご主人でした。

お宅、屋根飛んでるの知ってる?

えっ!?

外に出ると、ほらあそこ、とご主人が飛んだ箇所を教えてくれました。
ショックを受けている私をよそに、自分の家の屋根は見えにくいからねと朗らかに帰って行かれました。

幸い敷地内と家の前の道路に端材が落ちただけだったのですが、このままでは雨漏り箇所が増えるだろうことが予想されました。
しかもそこは古い室内ガス給湯器がある場所!


家に入り工務店の連絡先を確認していると、インターフォンが鳴りました。
今度は向かいのお宅のご主人でした。

お宅、屋根飛んでるの知ってる?

デジャヴかと思いました。

築40年の手入れの現実

汚水桝

汚水桝は長い年月で木の根が侵入し、詰まりの原因となっていました。
子どもの沐浴の湯を流すだけで、流れきるまでに待たねばなりませんでした。

汚水桝とは、排水溝から流れる汚水を集め、市町村が管理する下水に流し込む役割をしています。
40年ほど前はコンクリート製の桝が主流でした。


長い年月で少しずづ劣化して穴が開き、木の根や虫の自由な出入りを許すまでになっていました。
庭にある汚水桝を開けて見ましたが、木の根が張っていて暗く、引っ張ってもビクともしないため、業者を手配しました。

太い何本もの木の根が二メートルほど束になって引きずりだされたあと、穴をモルタルで補修してもらいました。

家に住み着く害虫

備え付けのシステムキッチンの引き出しを開けるとGと遭遇することがよくありました。
キッチン下の収納に入れていた鍋を使おうと取り出すと、その中にいることも。

ストレスでした。

学生時代の友人に、Gと遭遇した時には吹き矢で仕留めるという強者がいましたが、私は生まれてこの方吹き矢を使ったこともなく、売っているのを見たこともありません。
武器は虫取り網とゴキジェットだけです。
彼らは生命力に溢れていますので、なかなか戦いが終わりません。

我が家の猫が夜中Gをおもちゃにしているようで、朝死骸を発見することがありましたが、すぐに新参者が現れるのでした。
つまり、家に住み着き、繁殖が行われているようでした。
それも恐らくキッチンと壁の間で。

もう嫌だと何度も思いました。

しかし放置するわけにいきませんでした。
幼い子どもを抱えながら、虫と戦うサバイバル母の誕生でした。

コストがかかる

排水溝の洗浄をお願いした業者のおじさんが、床下にシロアリ駆除剤を撒けばGも出なくなるよと教えてくれました。

やる! やってください!!

と食い気味にお願いし、以降殆ど出没しなくなりました。

しかし床下で作業したおじさんから、衝撃の報告がありました。

○基礎の束石にヒビが入っている。
○階段下の断熱材がカビてただれ落ちている。
○床を支える木材に朽ちかけているところがある。

住み続けるなら、近いうちに基礎周りのコンクリートの補修と束石の交換、階段下をコンパネで塞ぐほうがよいと、床下の写真を撮り、それを元に説明してくれました。

毎年家の手入れで数十万が出ていきました。
基礎の修復などしていたら、リフォームや建替え代を貯められません。

悩みました。

リフォームの是非

ある冬の日。
東京ガスのガス設備定期保安点検がありました。

屋外給湯器、キッチンのガスコンロに続き、室内の給湯器の検査になりました。
火種を点けて点火する数十年前のものでした。

担当者は、一酸化炭素ガスの排出量がレベル分けされており、排出量によっては即時使用禁止を言い渡すことができると説明しました。
検査を拒否することができますがどうされますかと聞かれました。

幼い子供がいるため、検査してもらうのが賢明と思い、お願いしました。

結果、即時使用停止の一つ前のレベルである、「危険。即時交換してください」のシールを貼られることになりました。

給湯器の交換に30万かかることがわかりました。

古家に住んで5年が経過し、出費は膨らむばかりでした。

中古住宅って、こんなにお金がかかるの?

そういえば実家が中古住宅を購入したという友人が、中古住宅の手入れで一軒家が建つ出費になると言っていたことを思い出しました。
もちろん築年数やそれまでの手入れ状況があるのでしょうが、不便なこの家に住み続けるために大金を払うのはいや!

住み続けるには数百万から一千万近くの修繕が必要でした。
耐震設備もなく、その後も修繕し続けなければいけません。

リフォームするにしても、雨漏りする天井や壁、床下の基礎周り、排水桝など広範囲にわたる工事となり、建替えに近い額がかかることが予想されました。

義両親は手入れはせず、住めるまで住んで引っ越しをすればいいと言いましたが、引っ越してから数年で大幅な土地の下落があり、売りに出してもローンだけが残ることがわかりました。別の土地に移るメリットがありませんでした。
そして既に古家は限界でした。

リノベーションは格好いい・しかし難しい

古いマンションや住宅を自分色にリノベーションしていくことに憧れがありました。

しかしリフォームしたいのであれば、手入れされた、適度に新しい中古住宅を見極め、購入することが先決です。

○ローン控除をあてにするなら、築年数や耐震構造をチェック。
○床下、屋根、壁の状態のチェック。
○居住中であっても収納奥まで床の状態をチェック。
○排水設備の手入れ状況をチェック。

古くても手入れがされていれば、大きく手を入れなくても住み続けることができます。

リフォームを希望されるのであれば、リフォーム会社にあらかじめ物件をチェックしてもらうとスムーズです。

鉄骨住宅をスケルトン状態にしてもらい、床や天井貼り、壁紙やタイル貼りをDIYしたお洒落な友人がおりますが、雨漏りがあり、工務店に頼んでも原因が特定できずストレスだと話していました。
すごくお洒落でとても素敵ですけどね。

古くない中古住宅であっても、トラブルはつきものです。
知識と覚悟が必要です。

結論・建て替え

我が家は悩んだ末に建替えました。

○台風で家が揺れない。
○屋根が飛ばない。
○雨漏りしない。
○虫が繁殖しない。
○掃除中にヤモリに遭遇してビックリしない。
○子どもが建具の破片で怪我をしない

これだけで本当に良かったと満足しています。

また、気密性の高いホームメーカーで建てましたので、冷暖房の効きがよく、真冬の朝に家の中で凍えることがありません。
風呂から出て即冷え込むこともありません。
底冷えもありません。

住宅ローン額があがり毎月の返済額が増えましたが、古家の修繕費にかかっていた額と大差ありません。

古い家に住み続けてもお金はかかりますので、建て替えのデメリットを挙げるなら、仮住まいの費用と引っ越し代がかかり固定資産税がグッと上がることでしょうか。

リフォームの場合も、壁や床、梁、屋根等に関わる大幅な工事は固定資産が上がりますので、注意が必要です。



我が家の失敗談がどなたかの参考になりますように。

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