【ストリップバー】女性の裸を見て働くボーイの愚痴と、ボーイの彼女の気持ち

同棲していた彼氏がストリップバーのボーイとして働きだした時の、私の気持ちを備忘録として記します。

彼氏がストリップバーでボーイとして働くまで

ある地方都市で彼氏と同棲していた頃の話です。

当時私は20代前半。
彼氏は19歳でした。

私は新卒で入った会社で、不当な扱いを受けていました。
使用期間を過ぎても約束されていた社会保険に未加入の上、交通費も払われずに時給計算で低賃金でした。

会社に掛け合いましたが改善されず、労働基準局に相談をしましたが、一人の訴えでは動けないと言われます。

年金も健康保険も雇用保険さえ払われない中、奨学金を返済しながら暮らすには厳しい収入だったため、約一年弱で退職をしました。

別の会社に転職をしましたが、そこでも初日に出勤してすぐに「事前に伝えた雇用条件を変える」と一方的に告げられてしまいます。
不信感が生まれて、すぐに退職をしました。約束を反故にするやり方が、その地方のその業界の一部の会社で横行していたようです。

金銭的余裕も精神的余裕もなくした私は、実家のある関東に戻り、東京の会社に転職することにしました。
一度自分の地盤を見直して、生活を立て直したいと考えたのです。

同棲を解消したいと彼氏に伝えると、彼氏は東京についていくと言い出しました。

彼はバイクで事故を起こすなどして借金がありましたので、地方から東京に引っ越しする金銭的な余裕はありません。日々の生活も私の援助が必要な状態でした。

きっと彼の東京移住は実現しないだろうと直感しました。
私は彼とサッパリと別れて新たな生活を夢見ました。

しかし彼は数日で「割のいい仕事を紹介してもらった」と言い出しました。
それがストリップバーのボーイの仕事でした。

ストリップバーで働くボーイの愚痴

彼は若いだけあって、落ち着きに欠けるところがありました。

イベントの案内の仕事をしていた時にトラブルに巻き込まれて殴られたり、体格がよく目つきも鋭かったので見ず知らずの男性から因縁をつけられて、喧嘩を買ってしまうことが度々ありました。

また明らかなマルチ商法を友人に紹介されて、すぐに話に乗ってしまうという危なっかしさもありました。
私が何度も止めたことで被害に遭わずに済みましたが、しばらくは「いい話を潰された」と私に恨み節を言っていました。

被虐待児だった影響もあるのか、“一旦考える”という事ができない彼でしたので、ストリップバーの仕事がこなせるのか、疑問に思いました。
夜の世界の客層は、良いと思えなかったからです。

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私は彼と別れる覚悟がありましたし、引っ越しの手配などで忙しかったこともあり、止めずに放っておきました。
昼の仕事を辞めるのは勿体ないと思いましたが、止めたところで容易に聞き入れないことも分かっていました。

彼は夕方に出勤をして、深夜から朝に帰宅する生活となりました。

※今から15年以上前の話ですので、今とは法律や条例が違います。

彼は仕事を始めてすぐに、店で働く女性達の悪口を言うようになりました。
それが私にはとても興味深いものでした。

ボーイの彼女の気持ち

ストリップバーで働く女性達は、皆、キャストでした。
下着同然のウェアを着用して、ステージ上で踊ったり脱いだりして胸を出します。

20代の若い女性が大半で、ステージに立つ度胸とスタイルが求められることから、強気で自信家の方が多いようです。

ボーイの仕事は掃除に始まり、キャストのサポートや店の中で使用されるチップの換金、追加で金を払った客と指名のキャストを別室に案内することが主でした。

彼の仕事に不手際があったのかどうかは定かではありませんが、彼が仕事中はとにかく、「クズ」「不細工」「消えろ」等の暴言を女性達から浴びせ続けられたそうです。

彼は仕事から帰宅すると女性達への憎しみを込めて、愚痴を言い続けました。
「あいつら死ねばいい」「あいつらこそクズだろ」「何様なんだよ」等です。

彼は確かに素行が良い人ではありませんでしたが、特定の女性に対しての酷い暴言は初めてでした。

彼の話を聞く限り、キャスト達のポジション争いや日々の不満によるストレスのはけ口にされているようです。

 

私は転職先が決まっていましたので、先に東京に引っ越しました。

彼の実家はその土地にあり、そこから出たことがありませんでしたので、本当に東京についてくるのか疑問でしたが、ついて行きたいと言われたこと自体は嫌ではありませんでした。また仕事の内容は何であれ、私のために頑張る姿勢は嬉しいものがありました。

そこで別れを急がずに、暫く見守ることにしました。

彼氏は同棲していた部屋に一人残り、そこからボーイの仕事に通いました。

私は昼間の仕事でしたので、生活の時間帯が昼夜ですれ違いました。
連絡できるタイミングが少ないものの、毎日メールや電話で連絡を取っていました。

私は友人から度々「彼氏がトップレスの女性達と仕事をしていて、嫌ではないのか」と聞かれました。

彼氏からストリップバーの仕事をすると聞かれた時は仕事の内容をわかっていませんでしたし、トップレスの女性達に囲まれて仕事をしていると知った時は、既に彼氏がキャスト達への愚痴を言っていましたので、特に気にしませんでした。

転居を機に彼と別れてもいいと思っていたので、その影響もあるかもしれません。

むしろ私には知りえない裏話を聞けることが楽しみでした。

酔っぱらって入店した客が嘔吐してその処理をしたリ、客同士の喧嘩を止めたり、金を払ってキャストと個室に移った客がルール違反をした話など、刺激的で面白い話が多々ありました。

彼の体格の良さや強面が客へのけん制に役立った話しは、痛快でもありました。

ストリップバーのボーイは稼げない!?

割のいい仕事と聞いてボーイの仕事を始めましたが、深夜であることや仕事内容からすると、割りがいいとも思えない程度の収入しか得られませんでした。

生活はできるものの思うように貯金ができない現状に、彼は苛立ちを見せるようになりました。
たまに東京に遊びに来るなどもしていましたので、私も負担をしたものの、交通費もかさんでいました。

彼が入店してから数ヶ月が経っても、相変わらずキャストからは暴言を吐かれていました。

「あいつらステージでは愛想振りまいてるけど、裏では悪態つきまくって人に当たって、最低だ。クソだ」と相変わらず愚痴を言いました。

入店当初こそ不手際を責められているのかと思いましたが、仕事はできる彼が依然として悪態をつかれていることを考えると、女性達の性格がそうさせているように感じました。

喧嘩っ早い性格の彼ですが、さすがに女性の喧嘩を買うわけにはいかないようで我慢に我慢を重ねていました。
かなりストレスを溜めていることは、離れて暮らしている私にもよくわかりました。

「仕事を辞めたい」と言い出していてもおかしくない頃でしたが、彼は言いませんでした。
それが私との別れになると分かっていたからでしょうか。

少しして彼が東京に来た時に、私が住んでいる部屋に来たことがありました。
当時私は、女友達と私の元カレが契約した3DKの部屋でシェアリングをしていました。

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状況は包み隠さず話していましたが、表札に男性の名前を見るとあからさまに不機嫌になりました。

それから徐々に連絡の頻度が減って行きました。

風俗店店長も稼げない!?

“側にいないとダメ”なタイプの彼が、半年以上遠距離恋愛を続けられるとは当初思えませんでしたので、頑張ってくれたことに感謝しました。

最後に彼は、「ストリップバーのボーイは稼げなかった。金は溜まらず、ストレスが溜まった。ボーイは辞めようと思う。東京には行けない。俺はここで生きる人間」と言いました。

少しの寂しさと悲しさと、ストリップバーの話が聞けなくなることが残念でした。

後に知ったことですが、私が東京で就職した会社に勤めるある先輩は、彼が働いていたストリップバーの常連客でした。
その地方では有名な風俗ビルだそうで、客入りが良い流行りの店だとか。

それでもボーイは稼げないものなのですね。

暫くして私は結婚し、子どもが産まれてママ友ができました。
そのママ友の夫は、元風俗店店長でした。

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風俗店の店長であっても雇われの身だと多くは稼げず、バックに暴力団がいる店では特に厳しいとのこと。
福利厚生もないために、国民年金や国民健康保険さえ未払いの人が珍しくないと言います。

祭りの出店を手伝っていた知人も、同じことを話していました。

いくら流行りのストリップバーであっても、客ウケがよいキャスト以外は高給取りになれないのかもしれません。
好景気だった90年代以前は良く稼げたのかもしれないですね。

 

ストリップバーのボーイの彼と私の備忘録でした。

 

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