婚活パーティ、街コンの“さくら”の実態・騙す女と騙される男・ビジネスホテルの裏話④

婚活パーティの「さくら」の実態を知り、世間の世知辛さを知った話です。

婚活パーティ、街コンの実態

ビジネスホテルのフロントのアルバイトをしていた時の話です。

観光でも有名な繁華街にあったそのホテルは、ビジネスホテルであるもののリゾートホテルとも謳っており、ゆとりあるフロントやロビーの作りが特徴的でした。

そこでは休日の昼間にお見合いパーティが開かれていました。
今で言う、婚活パーティや街コンと言われるものです。

ホテルはロビーの一角を貸し切りにして、軽食とドリンクを提供するのが役目でした。

イベントの主催者は女性でした。
バリキャリの雰囲気を醸した、スタイルの良い綺麗な女性です。

そのパーティには、割と若い年齢の男性が集まりました。
上は40代くらいが最高だったように思います。

参加者の男性はスーツやオフィスカジュアル、女性はフェミニン系のカジュアルな服装の人が多く見られました。

毎週だったのか、月に2回程度だったのかははっきりと覚えていませんが、頻繁に開催されていました。

パーティの開始一時間ほど前に、主催者がフロントを訪れます。
ロビーを使用するための会場費を払い、先々の予約を入れていきます。

会場は締め切ることができない空間で、フロントからその様子を見ることができました。

主催者は支払いを終えると、2、3名のスタッフと一緒にパーティで使うカードやらペンやらをセッティングしていきました。

少しすると、派手な若い女性達が数名やってきました。
ロビーの一角で主催者と女性達は言葉少なに会話を交わし、主催者が封筒を渡して何かにサインを求めていました。

それが済むと、若い女性達はホテルを後にしました。

パーティの時間が近づくと、参加者と思われる男性たちが現れ始めました。
貸し切りエリアの入り口で参加費を支払い、会場内に入っていきます。

続けて大人しそうな女性達も入っていきましたが、男性に対して女性の人数が少ないようでした。

すると他の参加者に少し遅れて、先ほど封筒を受け取っていた若い女性達が戻ってきました。

そして他の参加者と同じように会費を払って、会場に入っていきました。

その女性達は、明らかに他の女性達とタイプが違いました。
派手な美人タイプで化粧慣れしているように見えます。

イベントやフリータイムを経て、最後は好印象同士のカップリングが行われました。

若い女性達は一人残らずカップルになりました。

他にカップルになったのは1組か2組程度です。

パーティが終わると、カップルにならなかった参加者は足早に会場を去りました。
カップルになった人はロビーに残り、連絡先などを交換しているようです。

主催者は会場の片づけを早々に終えると、フロントに挨拶するとともに、ロビーに残っている参加者たちにホテルから出るよう声をかけました。

それを合図というように、封筒を受け取っていた若い女性達はカップルになった男性に挨拶して帰っていきました。

さくらの常態

私は夜のフロント業務がメインでしたので、パーティの様子をいつも見ていたわけではありませんでした。

次に同じ曜日の昼間のフロントに立った時、また主催者が若い女性に封筒を渡している姿を見ました。

それも、前回と同じ女性達でした。

目立つ美人でスタイルが良いその女性達が、積極的にこのようなパーティに参加するとは考えにくいことでした。

私:「……彼女たちはさくらですか?」

昼間のフロント担当に聞きました。

「そうだよ。あんな綺麗な子達がこんなパーティ参加するわけないじゃない。毎回お金もらって参加して、毎回カップルになってるよ。相手の男性かわいそうだよね」

そう言って笑いました。

この日も女性達はカップルになっていました。

それから何度も、彼女たちが主催者から金を受け取り、カップルになるのを見ることになりました。

時には彼女たち以外の参加者のカップルが1組も出ないこともありました。

カップルになった男性と毎回連絡先を交換しているようですが、その後どうしているのかはわかりませんでした。

騙す女と騙される男

女性の参加者が少ないため、穴埋めであることはよくわかります。

しかしこれは……詐欺では?
きっかけはさくらでも、本当にカップルになれば詐欺にはならないのでしょうか。

男性達を弄んでいることに変わりはないように感じました。

反面、カップルになった男性は女性の容姿しか見なかったのだろうかと、残念な気持ちになりました。

いくらアルバイト感覚のさくらとはいえ、男性を騙すことに罪悪感がない女性達であるわけですから。

ビジネスホテルの裏話

パーティは出会いのきっかけに過ぎません。

そこから関係を築いていくわけですが、その出会いを演出して商売にしている団体があるのですよね。

世間は世知辛いなと感じる一件でした。

 

ホテルは色々な人が出入りするので、面白いです。

本当にあったことなのかと疑われるような事件が、何の前触れもなく起こります。

関連記事

愛人生活を続けたある高齢女性の話です。好景気時代を経験し裕福な生活を続けてきたというその女性は、ある罪で警察に出頭することになりました。虚しさを感じた一件でしたので、お知らせします。ビジネスホテルの裏話今から17年近[…]

関連記事

☟の続きです。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://kirinroom.com/2020/06/14/budget-hotel-at-midnight/ target=][…]

関連記事

地方都市のビジネスホテルで4年間、深夜のフロントアルバイトをしていました。働いていたのは15年ほど前になります。観光地でしたが、夜は暴力団関係者などの危ない人たちが動く、危険な街でした。ホテルはその後別事業のコスト返済が回らなくなり[…]

最新情報をチェックしよう!