結婚相談所で出会い、結婚。出産して、離婚したある女性がいます。
不満を夫にぶつけることができず、一人溜め込んだ結婚生活は破綻しました。
本音をぶつける生活は、夫婦のパワーバランスが偏る原因となります。
しかし本音を言わない生活が安定した夫婦生活を作るかといえば違うのだと、実感した例をお伝えします。
結婚相談所で結婚し、離婚した女・本音を言えない性格と結婚生活の破綻
私が彼女と出会ったのは10代の頃でした。
彼女はいつも緊張していました。
自分が人からどう見られているか、悪い印象を与えてしまったのではないかと心配していました。
それは友人関係でも、男女交際でも変わりませんでした。
心配が重なって精神的な余裕をなくし、たまに小さなパニックを起こしました。
一人で思考を巡らせて疲れて落ち込み、怒り、暫くしていつもの「必要以上に気を使う」彼女に戻りました。
人をあからさまに気遣う姿や、手作りの菓子を配る姿を度々目にしました。
世話好きと言うよりは不安が原動力になる行動で、礼を言われることで自分の居場所や価値を確認しているようでした。
友人はいましたが、悪態をつきながらリラックスして付き合えるような相手はいなかったように思います。
彼氏らしい人ができたことがありますが、きちんと付き合うことはなく、「都合のいい女」になるまでもいかずに関係が自然消滅することが続きました。
彼女は早くから結婚を望んでいました。
4年制大学を卒業して、これからだという23歳くらいから結婚を望んでいましたが、いい出会いがなかったと言います。24歳で結婚相談所に登録をしました。
若くして登録をしたのなら引く手あまただろうと思いましたが、彼女は「いい人がいない。見合いをしても後が続かない」と愚痴をこぼしました。
数年が経ち、彼女の結婚が決まりました。
当初登録をした相談所ではない、別の相談所で出会ったそうです。
相手のどこが魅力的だとか、そんな話は聞けませんでした。普通の家庭で育った、普通の人だと言います。
ただ、早く落ち着きたい。居場所が欲しいと話していました。
結婚式で会った旦那さんは、体格と態度はどっしりと構えていましたが、少々神経質そうな方にも見えました。
結婚後は夫婦共に正社員で仕事を続けていました。
家事は全て彼女がやりました。夫は仕事から帰ると風呂とトイレ以外動くことがなく、自分のスーツをハンガーにかけることも面倒臭さがってしませんでした。
少しして妊娠がわかります。
悪阻が辛くて仕事を休むようになりました。
職場に迷惑がかかると思い、彼女は強いストレスを感じました。
“これ”と言って大きなトラブルがあったわけではないのですが、彼女は職場の人間関係にも疲れていました。
私には彼女が自らの思考によってストレスを作り出し、苦しんでいるようにも見えました。
10代の頃からその傾向があったからです。
彼女は退職を考えましたが夫の収入は十分ではなく、夫の反対もあって産休を取ることにしました。
結婚して子どもができたら、次は“家”だとマンションの購入に踏み切りました。
引っ越しと出産の時期が近くバタバタとしましたが、彼女は先の暮らしに夢を馳せました。
里帰りをして出産をしました。
一か月強の療養を終えて、新居に帰りました。
彼女は実家で完全に療養をできていたわけではありませんでした。
母親は働いていて、常に家にいるわけではありませんでした。
また、娘である彼女に厳しい一面がありました。
母親は自分がそうであったように、彼女に「辛くても頑張れ。働け」と言い、産後もある程度の家事をさせました。
彼女は幼い頃から、母親に甘えさせてもらえることがあまりありませんでした。
「こうしなさい、ああしなさい」と指南され、彼女が言い返しても母親が折れたことはありません。実家に出入りする親戚の女性達にも、母親ともども指南される生活で、親戚にうるさいことを言われないように母親は一層彼女に厳しく接しました。
彼女は何を言っても無駄だと理解し、言いたいことを我慢して育ちました。何度か意を決して意見しても、母親に強く否定されます。自分が行動を起こして何かが変わったことはありません。
結果的に「言わなければよかった」と落ち込んで、いつもと変わらない日々が続くのが常でした。
「出産は親を頼るものでしょ」と母親に里帰り出産を勧められましたが、母親に責められないよう気を使う療養は決して楽ではありませんでした。
夫が待つ新居に帰ると、ホッとしました。
しかし夫は出産前から変わることがなく、子どもの面倒を一切見ません。
仕事から帰宅すると当然のようにスーツを脱ぎ捨てて所定の位置に座り、動かなくなりました。
彼女は寝不足と産後の傷んだ体で食事を作り食卓に並べますが、子どもが泣くと夫が「泣いてるよ」と暗に「うるさい」と言ってくるので、あやすのに手がいっぱいになりました。子守を代わるよう頼んでも、「仕事で疲れてるのに」とスマホとテレビを見ながら断られました。
授乳をしている間に夫の酒がなくなると、夫は酒がなくなったとジェスチャーをしてきます。
「授乳中だから自分で冷蔵庫から持ってきて」とお願いをしますが、夫は「大丈夫。待ってるから」と笑いました。
それが夫にとって「育児に協力をしているつもり」でした。
深夜子どもが泣くと夫が眠れないからと、彼女は子どもとリビングで眠るようになりました。
夜通しあやして朝夫が起きてくると、彼女は寝不足でフラフラのまま朝食の準備に取り掛かります。
夫に「全然眠れなかった」と愚痴をこぼすと、「昼間時間たくさんあるんだから昼寝しなよ」と気のない返事が返ってきました。
昼間も子どもは細切れに眠るだけです。
彼女は夫のワイシャツにアイロンをかけたり掃除をしたり、買い出しに出たりと満足に眠れる時間はありません。
私は彼女から「辛い」と連絡をもらい、会いに行ったことがありました。
当時私も第一子が2歳とかそのあたりで子育てが辛い時期でしたので、彼女の言いたいことはある程度わかりました。
別記事に書いていますが、私は不仲だった実両親のようになりたくなくて、夫に気を使い過ぎている面がありました。
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しかし当時はそんな自分に気が付いていませんでしたので、自分を棚に上げて彼女を観察しました。
・勝手に悪い方向に想像して、傷ついている
・自分の気持ちを、伝えるべき人に伝えられていない
・何かを常に怖がっている
彼女は夫に協力を求めたけれど、「夫は家事も子育ても仕事も女がするものだと思っていて全く変わる様子がない」と泣いて話しました。
彼女は要望を伝えているつもりでしたが、不満を飲み込む癖があります。イライラが増して時々小さく爆発するだけで、夫からしたら「何を言いたいの?」と伝わっていないようにも思えました。それでも産後の母体は心身ともに極限状態ですから、夫が誠心誠意妻を労われよ! と思うのですが、そんなできた夫は多くありません。
試しに「夫の両親から夫に助言してもらえたらいいのにね」と話すと、夫の両親は、息子(彼女の夫)から孫の話を聞いているので、子育てに十分参加していると思っている様だと言いました。
それが彼女の想像なのか、本当にそうなのかは私にはわかりませんでした。また、彼女には夫の両親を味方につけるだけのコミュニケーションも取れそうにありませんでした。
彼女は実母に泣きながら電話をしたけれど、「あなたが悪い。男はそんなもの。家事も育児も母であるあなたが頑張るのよ」と叱られたと言います。
それで限界に達した彼女は、たまたま連絡を取った私に、たまらず愚痴をこぼしたのです。
結婚前も結婚後も当然彼女の性格は変わりませんでした。
居場所が欲しいと言っていましたが、結婚が彼女の居場所になったようには見えませんでした。
むしろ自分を追い詰める要素を増やしただけのようでした。
その後暫く連絡を取り合っていましたが、状況が変わったようには思えませんでした。
少しして彼女は職場復帰をしました。
相変わらず彼女が負担を被り、余裕がないようです。
しかし忙しくて時間がないために、悩む時間も減ったようでした。
数年して二人目の子どもができました。
私も夫との離婚危機や三人目の出産と子どもの病気などがあり、自然と連絡を取ることがなくなっていました。
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さらに数年の時間が過ぎて、彼女から「離婚した」という連絡をもらいました。
子どもを連れて実家に帰り、仕事をしているようです。
実家が彼女にとって安らげる場所なのかはわかりません。
しかし結婚生活が、彼女に負担を強いていたのは確かです。
離婚できてよかったと思いました。
結婚相談所・植草美幸さんの言葉
2022年1月16日、23日の二週に渡り、テレビ番組ザ・ノンフィクションで結婚相談所「マリーミー」を経営する植草美幸さんが取り上げられました。
植草さんは高い成婚率を誇る、カウンセラーでもあります。
番組の中で植草さんは「人に何かを言われると押し切られちゃう。わかったと言っているのに心の中で爆発をしてしまう。そういう生き方は、結婚後、絶対にうまくいかない」と断言していました。
2022年1月16日、23日の二週に渡り、ザ・ノンフィクション「結婚したい彼女の場合」前後編が放映されました。結婚相談所「マリーミー」を経営する植草美幸さんと、会員であるミナミさん(仮名)に密着したノンフィクションです。結婚[…]
この記事の彼女に当てはまります。
真理でした。
母親との関係、性格、結婚を希望して結婚に挑むところまで、番組に出てきた結婚相談所会員のミナミさんに似ているものを感じました。
当人は頑張り屋ですが、独りよがりで、報われない思考のループに陥る傾向があります。
親の「こうしなさい」という誘導や「あなたは周囲に迷惑をかけている」「あなたが我慢しなさい」という暗示が、彼女が思考や言葉を押し込める原因になっているように想像しました。
恐らくは母親がそうやって生きてきたのか、あるいは子どもへの支配欲が強く、子の成果を自分の評価に挿げ替えているのかもしれません。
彼女が負の思考から抜け出すには、自分を客観視して、幼い頃から親や友人、その他関わってきた人たちとの経験を思い起こして追体験し、当時感じていた不満等の感情を自身で肯定する必要があるのではないでしょうか。
私も彼女のように、結婚することで居場所を獲たいと思っていました。
しかし、ただ結婚するだけでは居場所は作れないのだと、離婚危機を経て学びました。
妻に弱音が言えない夫は少なくありません。言わない、言えない理由は様々です。〇 妻に情けない姿を見せたくない〇 男らしくいたいから〇 妻に聞き入れてもらえる気がしないから〇 言っても無駄だから〇 妻と会話をしないか[…]
結婚して子どもを作り、家を買っても幸せになれるわけではありません。
自分も親も夫も、できるだけ客観視して「自分がどんな人間で、どんな思考の癖があるのか、どんな人間になりたいのか、そのためにどう考えるべきなのか」これらをトコトン考える必要があるのではないでしょうか。
……それがまた難しいのですけどね。
家族が増えた報告や、引っ越し先を知らせる手段として、年賀状を利用する方が少なくありません。それは離婚の報告も同様です。私は友人の離婚報告を年賀状で受け取りました。とてもいい案だと思いましたので、お知らせします。年賀状[…]
妻、彼女が風俗技を学び、夫や彼氏との性交渉に反映したら男性はどう思うかこれについてアンケートを取りました。その結果をお知らせします。女性が風俗技を学ぶきっかけ私の夫が風俗に通っていたことがわかり、離婚危機に陥ったことがありま[…]
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