椅子を引くいたずらは大事故の危険・子どもたちの未来のために注意喚起を

主に学校が舞台になっていらずら心で行われる「椅子引きドッキリ」
それによって、大怪我をしたり障害が残る事故が起きているのをご存じでしょうか。

私は三人の子どもを育てる母です。

最近子どものクラスメイトが椅子引きドッキリをしたことで、別のクラスメイトに大怪我を負わせました。
それをきっかけに、実は椅子引きドッキリが非常に危険な行為であることを知ります。

無邪気ないたずら心がきっかけで取り返しがつかない事態になりかねないのです。
いたずらをした方にも、された方にも、一生引きずる傷を負わせないために、大人が注意喚起をする必要があると考えます。

事故の詳細を以下に記します。

椅子引きのいたずらで大怪我

小学4年生の長女がある日、こんな報告をしてきました。

長女「クラスメイトのA君がね、骨折しちゃったんだ。酷い骨折みたいで、治るまでかなり時間がかかるみたい」

A君は幼稚園の頃から知っている、利発な男の子です。
家族そろって野球をしているスポーツ一家でもありました。

私「あら、大変だね。ずっと前にも二段ベッドから落ちて骨折してたよね。またどこかから飛び降りたのかな?」

長女「ううん。怪我させられちゃったの。学校でB君がね、遊びのつもりでA君の椅子を引いて転ばせちゃったの。A君ね、あるはずの椅子がなかったから、変な体勢で落ちちゃって、肘を強く打って骨折しちゃった」

えっ!

B君のこともよく知っています。
長女とは仲が良く、放課後度々一緒に遊んでいます。

決して悪ふざけが過ぎる子ではありません。

私「それは……大変だね。B君は悪気があったわけではないだろうけど、危ない遊びだし椅子を引いたところで面白い事態にはならないし、何より危ないから長女はやらないでね」

長女「やらないよ~」

この時は、こんなこともあるんだな。危険だなというくらいの感覚しかありませんでした。

本人達もさることながら、双方の親もやりきれない気持ちになるだろうと想像しました。

椅子引きいたずらで障がいを負った山田雄也さん

その後「ドッキリもほどほどに」という軽い書き方でツイートしたところ、東大ママのゆるすご小学生学習計画を運営されているいちこ(@ichiko_ma)さんに山田雄也さんの事故を教えていただきました。

山田雄也さん

山田雄也さんは1996年に岐阜県で産まれた男性です。

山田さんは小学校一年生から高校三年生までバスケットをしていて、国体出場を目指していました。
しかし高校三年生だった2014年の7月2日に運命が大きく変わります。

クラスメイトの女性がふざけて山田さんの椅子を引くいたずらをしました。

山田さんは後ろにあった机の角で背中を強打し、床にお尻から突き上げるように落ちました。

激痛が走った後に痺れを感じ、救急車で病院に運ばれます。

そのまま二週間の検査入院となりました。
検査の結果脊髄がつぶれていることがわかり、手術をしなければ体に影響が出ると宣告されます。

山田さんはバスケットの重要な選考会や大会を諦めなければなりませんでした。

全身麻酔を用いた長時間の手術を乗り越えた後も血栓ができ、再手術の上、ほぼ意識がないままICUに入ります。

寝たきりの入院生活が2か月続き、治療も激痛を伴うものだったと言います。
その後は車いす生活が半年続きました。

一年間リハビリ入院をして、松葉杖をついて大学に入学しますが転倒が続き大学を休学します。

リハビリに励んだ効果で2016年には杖をつかずに歩けるようになりましたが、下半身の麻痺は残っているそうです。

現在は車椅子バスケットで有名になるのを目標に活動すると共に、椅子を引くいたずらの危険について注意喚起を促す活動をされています。(参考ハフポスト

山田雄也さんTwitter

山田さんが注意喚起を促すツイートがこちらです。

家庭で注意喚起を

山田さんの事故を知って、非常に怖くなりました。

長女からA君の被害を聞いたとき、ここまで深刻な状況になり得ることを想像できていませんでした。
私の認識が甘かったことを痛感したのです。

再度三人の子どもを集めて「椅子を引くいたずらはしてはいけない」と厳しく話しました。
人を心身ともに傷つける行為だとも話しました。

山田さんの事故の話しもしました。

先生の対応

長女は、山田さんの事故のことを知っていました。

A君が怪我をしたときに、先生が皆の前で厳しくB君を叱ったと言います。
そのあと山田雄也さんの事故の話しをしたのだそうです。

先生の熱のこもった話は長女の胸に響いたようでした。

PTA等で周知を

山田さんの事故はたびたびメディアで取り上げられていたようです。

しかし私は2021年になるまで知りませんでした。
きっと私のように情報に触れずに来てしまった方がいるのではないでしょうか。

子どもを育てる親として、各学校で広く周知するべきだと考えます。

親が周知を図る手段として、例えばPTAなどがあります。

学校の手紙に一文加えるよう求めるのもいいでしょうし、PTA役員が発行する手紙の一角に、「椅子を引くいたずらで重大な事故が起きることがあります。加害者も被害者も生まないために、お子さんに今一度椅子を引くいたずらをしないよう話してあげてください」と添えるだけで、一定の効果があるのではないかと考えます。

加害者も被害者もうまない、子どもたちの未来のために

被害者のやるせない思いを想像すると胸を締め付けられるようですが、いたずらをしてしまった加害者の心中も心配になります。

長女のクラスメイトのB君は、決して悪い子ではありません。

人を傷つけるとは少しも思っていなかったでしょう。
楽しく笑いたい、それだけだったように想像します。

それが大きな怪我や事故になってしまい、どれだけ後悔と心の傷を負っただろうと思います。

そして被害者の立場になれば、加害者をどれだけ責めたくなるかも想像に難くありません。

これが大事な学生時代を犠牲にする大事故や、生涯引きずる障がいであれば尚更、被害者も加害者も文字通り一生引きずることになるでしょう。

長女には、B君を責めていいのはA君だけだから、これ以上責めるようなことがあってはいけないよと話しました。
もし責めてしまうクラスメイトがいたら、先生や私に教えてと話しました。

不幸な事故を生まないために、私ができることは子どもに注意することと、この記事を書き少しでも周知することだと思いました。

山田さんの広報活動に感謝します。

今後の活躍をお祈りします。

 

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