「イクメンが消滅すればいい。だってオレは家事育児したくないもん」に憤慨した話

先日インターネット上にある男性が「イクメンなんていなくなればいい。イクメンなんているから、嫁が家事育児を俺に求めてくるようになる」と書き込みました。

それを見て、私はドン引きしました

ああ、この人は面倒なことを妻にやらせ、自分が楽をしたいのだと。

そして昔、やはりドン引きしまくったある一件を思い出しました。

一部の男性が性別を理由に、女性に面倒を押し付けようとすることについて、恨みつらみを書く記事です。

だって家事育児は女性の仕事でしょ?

私が男性ばかりの業界で働いていた頃の話しです。

私はイベントの企画営業職をしていて、現場管理もしていました。
現場は多くの協力会社の助けを借りて成り立っていました。

9割以上が男性でしたので、イベントの打ち上げもほぼ男性でした。

当時20代から30代の男性達と話をしていた中で、あ? と違和感しかなかったのがこちらの話題。

「彼女には結婚したあとも働き続けて欲しいよね。金銭的な余裕がないと趣味に金使えないし。当然家事も育児も奥さんにやってほしい」

私:「え?」

「これからはそういう時代でしょ。男だけが働き続けるなんておかしいよ」

私:「それなら旦那さんも家事育児はしないとね。そうじゃないと奥さん過労で倒れるよ」

「いやいや、家事育児は女の仕事でしょ。女だからできるんだよ。俺やりたくない。家では休みたい」

私:「本気で言ってるの? 一人暮らししてるんだよね? 家事は少なくともできるでしょ」

この会話は、私と男性一人のやり取りではありません。
私と男性4、5人がついたテーブルでの話で、みな年代が近く結婚適齢期でもあったため「彼女と結婚する予定はあるの?」という流れから始まった会話です。

結婚後も妻には仕事をしてもらいたい。
でも家事と育児は当然妻にやってもらいたい。

これにその場にいた3、4人の男性がにこやかに頷いていました。

これからは女が仕事と家事育児を両立する時代

「家事はできるけど、基本は奥さんにやってほしい。家事育児を折半なんていう女こそヤダ。旦那を立ててないし、休ませようと思ってないよね」と談笑しています。

私:「……愛がないね」

と言った私に、男性陣は「?」という顔で振り返りました。彼らには奥さんの堪え性や夫への愛が足りないから、家事育児の折半を求めるのだと想像しているように感じました。
何を話しても伝わらない気がして、私はそれ以上この件について何も言いませんでした。

ただただ、こんな男は嫌と思いました。同時に、素直だなとも思いました。

正直私は当時も今も、家事育児(当時は未婚でしたが)が好きではありません。

洗濯も掃除も料理も嫌いではないけど特別好きなわけではなく、やらなければいけないからやっています。
料理なんて、7時に朝食を食べたばかりなのにすぐに昼ごはんの時間が来て、終わったと思ったら「夜ごはん何?」と聞かれて、常に追い回されている気分です。私だって誰かの手作りが食べたい!

そんな家事の間に、意味わからないことで泣きわめいたり喧嘩したり、家の物を壊したり怪我をしたりイヤイヤしまくる子どもの世話をしていたら、家事は進まないし掃除は何度しても汚くなるし、精神が追い詰められます。子どもが小さく夜も昼も満足に眠れない場合はさらに辛いです。

とはいえ、子どもは可愛いし(と自分に言い聞かせる)現在私は無職です。仕事を辞めたのは体調不良からだったのですが、その後社会復帰を夫と義母に反対されて今に至ります。家事が私の仕事だと思ってやっているのでいいのです。

そうじゃなきゃやりたくないよ! 家事育児なんて。
面倒だし疲れるんだよ。人に振り回されるのって、凄いストレス。

かつてバリキャリだった私から言わせてもらえば、仕事ガッツリやって家事育児を一手に担っていたら、過労死する

愛ってなに・奉仕なの?

大変そうだな。面倒そうだなって思うから避けたいんでしょ?
「俺は男だから」って理由つけて面倒から逃れたいだけでしょ。

そこに愛はあるの?

ないよ。

あるなら見せて見ろ。言葉じゃないよ。愛って態度に出るもんなんだよ。

この後暫くして私は退職しましたので、彼らが結婚後どうなったのかわかりません。
と言うかその彼女と結婚したのか、今も独身なのかも知りません。

協力会社の男性たちが結婚後、もしかしたらすごいイクメンに変貌している可能性もありますが、当時はマジでこいつらと結婚する女性は気の毒だなと思いました(口悪い)。私も私でその後割とすぐ婚約して、この人とはやっていけないと痛感して破棄しますので、結局やらかしていますが。

お世話が大好きな女性もいますので、結局は相性かなとも思いますが、多くの世話好きの女性も出産で余裕をなくして崩れます。
そうなると夫は妻が自分を世話をしないことに不満を抱き、喧嘩になったり浮気に走ることがあります。

小さい頃から母親が何でもやってくれて、母親が父親を世話するのも見ているので、妻が自分を世話しなくなると「愛がない」と捉えるのでしょう。

妻はお母さんじゃありません

そして夫婦の愛は無償ではなく、与え、与えられるもの。相互でなければ栄養をなくして愛は育たず、数年で枯渇します

夫と妻は同士だよ。
夫婦の愛は有償だから、見限ったら終わりです。

「イクメンなんていなくなればいい」の意味

イクメンなんて言葉は不要と聞かれるようになりました。

妻側からの意見としては、本来親としてやるべき当然の育児をして、なぜ「イクメン」と褒めたたえられるの? と不満の声が聞かれます。
イクメンなんて言葉がなくなって初めて、父親も育児ができるようになった証拠だよねと。

確かに、気持ちはよくわかります。

しかし、しかしですよ。

周囲のママ友の話しを聞いていても、家事育児に協力的な旦那さんはまだ3割程度かなという印象なんです(私調べ)。二極化しつつあるかなといった感じ。

冒頭に出した「イクメンなんていなくなればいい。イクメンなんているから、嫁が家事育児を俺に求めてくるようになる」という書き込みには、家事育児を求める女性への不満と同時に、やりたくないけどやらなきゃいけないのかな? という焦りが感じられます。

イクメンがもてはやされて、非協力的な旦那さんが「俺、もっとやらなきゃヤバい!?」と焦るなら、イクメンをもっと持ち上げちゃおうよ!! と思うんです。

イクメンを装っているだけの旦那さんもいるようなので、そこはぶっ潰したいですけどね。

男性の二極化

家事育児に協力的タイプと非協力的タイプとが二極化している件は、年齢が下がるほどに協力的な割合が上がっているように感じられます。
40代より上だと協力的な割合がガクッと下がります。正直1割くらいかと。

育った時代が影響しているのでしょうかね。専業主婦が多かった時代に育った世代です。

30代以下は不景気の中育てられた世代です。

共働きが増えて離婚率も上がりました。苦労している親(主に母)を見て育った息子は、妻を助けたいという意思を持ちやすかったのかもしれません。

家事育児は女の仕事でしょなんて都合のいい大義名分が消滅したら、やっと日本の男女平等ランキングが上がるのだと思います。

いつかな……。

 

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