授乳で乳頭が切れて痛い!母乳が出ない!乳腺炎で泣く!産後トラブル奮闘記

出産が痛いのはあまりに有名です。
覚悟もしていました。

しかし授乳がこんなに痛いものとは知らなかった!

初めての授乳奮闘記です。

予定日から二週間遅れた出産と、初めての授乳

第一子の長女は、予定日より二週間遅れて自然分娩で出産しました。

出産予定日を過ぎると、すぐに陣痛促進剤を使用して出産に至らせる産院が少なくないようですが、私が出産した赤十字病院では母胎と胎児共に問題がない場合、予定日より14日の間は待てると説明されました。

今か今かと待つのもストレスになるため、促進剤を使用してもいいし、自然に陣痛が始まるのを待っても良い、どちらがいいかと選択を迫られて、陣痛を待つことにしたのです。

出産が待ち遠しくて仕方なかったのですが、陣痛促進剤は陣痛過多になって痛みが増すケースがあると聞いていたので、「怖い」と思っての選択でした。

予定日を5日過ぎるころまでは、まだ陣痛が来ないまだ来ないと焦りのようなものがあったのですが、一週間も過ぎると開き直って、ずいぶんのんびり屋の子どもなのだなと思うようになりました。

夫は夜間勤務のあるサラリーマンです。
初めての出産にテンションが上がっていた夫は、私に相談もなく、出産予定日付近にまとめて休みを取ってしまいました。
夜勤の間に陣痛が来たら駆けつけられないかもしれないと、心配した結果の行動でした。

その頃陣痛らしいものは全くありませんでしたので、夫が休みを取った約1週間近く、ただ二人でのんびり過ごすことになりました。

休みが明けると夫は出勤せざるを得なくなりました。

予定日を12日超えても、陣痛の兆候はありませんでした。
子宮口も1cm程度しか空いていません。

14日超えたら促進剤を使って出産することになります。
予定日を超えると健診日が増えますので、費用もかさんでいました。14日待った挙句に促進剤を使うなら、早めに出産することを選んでいた方がよかったのかもしれないと思いましたが、過ぎてしまったことは仕方ありません。

出産予定日から13日目の朝も、それらしい傾向はありませんでした。

昼すぎに日課になっていた散歩に出ました。
私が住んでいる横浜は坂道が多く、いい運動になります。天候が良い日は5時間ほど歩くこともありました。

しかしその日は、家を出て10分も経たないうちに背中の腰辺りに鈍い痛みを感じました。
月経時のような、腰にズンと重みを感じるような痛みでした。

それに尿漏れのような濡れた感覚がありました。
妊娠後期に尿漏れはつきものですが、一瞬で止まります。この時の尿漏れはちょろちょろと出続けており、いつもと様子が違いました。

もしや破水か? と疑った私は、一旦家に帰ることにしました。

その間も定期的に腰の痛みを感じます。痛みと言っても、痛くて動けないことはありません。
お腹が大きいので早くは歩けないものの、自分でしっかり動くことができる状態でした。

おお! これが噂に聞く陣痛かもしれない! やった! ついに来た!!

とテンションが上がりました。

自宅に帰り産院に電話をして状況を説明しました。
尿漏れらしきものの臭いや色を確認するよう言われます。尿であれば黄色っぽい色でアンモニアの臭いがしますが、羊水の場合は無色で臭いがないそうです。

私の場合は無色で臭いもないように感じられましたが、よくわかりませんでした。

高位破水の可能性があると指摘され、入院の準備をして来院するよう求められました。

仕事中の夫に連絡してから荷物を持ってタクシーを拾い、一人で病院に向かいました。
気分はウキウキです。

病院にて高位破水が認められて、入院となりました。腰の痛みも陣痛だったようで、次第に強くなっていきました。

病院にすっ飛んで来た夫立ち合いのもと数時間奮闘し、翌朝出産しました。
予定日から過ぎること、14日のことでした。

出産が痛いことはあまりに有名です。覚悟をしていましたので、ただひたすらに耐えて、取り乱すことなく終えることができました。

予想外に痛かったのは産後の処置でした。
正直なところ、痛いことを覚悟していた陣痛より、予想外の産後の処置の方が耐えがたく、ストレスを感じました。

体重や身長を測られ、名前のバンドをはめられた長女が、私の胸に載せられました。

私はカンガルーケアを希望していたため、助産師が長女の顔を乳首の側に置きました。
生きるための反応なのでしょうか、私から出てきてまだ数分の長女は、目を閉じたまま乳首に口を当てようと僅かに動きます。

産まれ落ちたばかりの馬が必死に立とうとするのと同じで、生きるための反応をするのだと思いました。

私は出産時から産後4ヶ月まで産後ハイを経験することになります。

興奮で頭は冴えまくっていましたが、原因不明の出血多量で計1800ml出血していました。500mlを超えると出血多量と母子手帳に書かれますので、結構な出血量であることがわかります。

輸血レベルの出血ではあるがリスクを避けるために様子を見たいと言われ、分娩台から6時間降りるのを禁止されました。

部屋に移ったあとも相変わらず出血が続きました。
鉄剤の点滴が続きました。

基本は母子同室の方針がありましたが、母胎にトラブルがあると、子どもを預けることができます。助産師に無理しないでと何度か声をかけられましたが、我が子の変化を見逃してなるものかと、鉄剤の点滴を受けながらも同室を選びました。

授乳しても母乳が出ない!産後ハイと貧血

出血が止まりませんでした。
産褥ショーツを履いていたにも関わらず、何度もシーツを血で汚しました。

しかし私は産後ハイでしたので、子どもの世話が楽しい。子どもが面白い。と興奮状態でした。

動くと出血するので、できるだけ動かないように世話をしました。
助産師が時々おむつ換えを手伝ってくれました。授乳でおっぱいを咥えさせるのですが、貧血のせいか母乳量が増えません。

長女の体重の減り具合を見て、助産師が少量のミルクを足してくれました。

母乳が殆どでない状況に、焦りました。
私自身はやる気に溢れているのに、なぜ母乳が出ないのか!?

ハイテンションのまま、深夜もろくに寝ずに点滴に繋がれた腕と貧血の頭で、母乳の分泌についてスマートフォンで調べ続けました。

母乳分泌のメカニズム

母乳は血液で作られています。

プロラクチンという女性ホルモン(女性ホルモンですが男性にもあるホルモンです)が血液を母乳に換える働きをします。
乳房内に張り巡らされている乳腺の根元にある乳腺細胞に、血液が取り込まれることで母乳が作られます。

プロラクチンが多く分泌されるのは、思春期前後と妊娠、授乳期です。

プロラクチンは乳頭に刺激を与えると増えます。
つまり、赤ちゃんにたくさんおっぱいを吸ってもらい、乳頭に刺激を与えると母乳が作られるということです。

うまいメカニズムになっていますね。

因みに思春期の成長期は、よく眠ることでホルモンが分泌され、乳頭に刺激を受けることで乳腺が発達しやすいと言われています。
おっぱいを揉むと大きくなると言われるのは、ここからきているようです。

特定のホルモンが多くなりすぎるとバランスが乱れ、悪影響を及ぼす場合がありますので、胸を大きくしようと揉み過ぎるのは禁物です。プロラクチンで大きくなった胸は張りが強い特徴がありますし、注意してください。

プロラクチン同様、乳頭を刺激するとオキシトシンというホルモンが分泌されます。

幸せを感じると分泌されやすくなるホルモンで、乳頭から母乳がピュッと出る作用と、子宮の収縮が促され、排卵が抑制されるという産後の身体に必要な作用を起こします。

産後にストレスを感じて母乳が止まってしまうことがありますが、オキシトシンの働きが抑制されることで起こります。

プロラクチンと血液によって作られた母乳は乳腺を通って乳管洞という部位でスタンバイし、赤ちゃんに吸われた刺激でオキシトシンが働き、乳腺を伝って乳頭から出るということです。

私の母乳が出ない理由

まず貧血を脱するしかないと考えました。

血液を作らなければホルモンがどれだけ頑張っても、母乳は作られません。

助産師さんのアドバイスにより、ポカリスエットやアクエリアスなどのスポーツ飲料をたくさん飲むようにしました。

スポーツ飲料は水分不足や低血圧を回復させる機能があります。貧血を補う機能はないのですが、私は鉄剤の点滴を続けていましたので、出てしまった1800mlの血液分の水分とエネルギーを補うために飲みました。

糖分が多いため、通常の産後には勧められないそうです。

身体の回復を待ちながら、とにかくおっぱいを吸わせました。
私は可愛い子どもにおっぱいを吸われている、吸われている、吸われている……と、子どもの顔を見ながら頭の中で念仏のように唱えました。

幸せホルモンのオキシトシンを分泌させるためです。
とにかく吸わせまくったお陰で徐々に母乳が増えてきたのですが、同時に襲ってきたのが乳頭の痛みです。

痛ー!!

授乳が痛いなんて聞いてない!授乳で乳頭が切れて痛い!母乳が出ない!

痛い! めちゃくちゃ痛い!! 何で?

見ると乳頭に傷が入り、血が出ています。
痛いよー。授乳やめたい。でもやめたらせっかく出始めている母乳が出なくなっちゃうかも。

涙を流して歯を食いしばりながら授乳します。

ストレスも良くないので無理をせずにミルクに頼ってもよかったと今は思うのですが、産後ハイだったので無暗に頑張りすぎました。

助産師が乳頭を見てくれました。

「あらー、痛そう! 頑張ってるね! 馬湯は赤ちゃんの口に入っても大丈夫だから、塗って保護するといいよ。切れるのは赤ちゃんが深く咥えられていないから。赤ちゃんが大きく口を開けた時にガブっと深く咥えさせてね。乳輪が赤ちゃんの口に隠れるくらいまで」

痛みで半泣きになりながら、指導を受けました。
母乳パッドや服にも血がつくほど切れていました。

深く咥えさせたくても、子どもは口が小さいのであまり大口を開けてくれません。

とにかく咥えさせればいいと、浅く咥えさせてしまったことで乳頭が切れてしまいました。
赤ちゃんと言えども吸う力は強いので、浅く咥えさせると乳頭だけが吸われて傷ついてしまいます。

痛みから解放されたくて、大きい口を開けて泣くまで待ってから、深く咥えさせるようにしました。
すると子どもも学んできて、おっぱいが欲しいときには大きい口を開けるようになります。

授乳を終わりにしたいときは、綺麗にした私の小指を赤ちゃんの口に優しく差し込み、口を開かせて外しました。

乳頭の痛みは一週間程度かけて、徐々に治まっていきました。

因みに乳頭保護器も試したのですが、子どもは吸ってくれないし母乳の分泌も悪くなったように感じて、使わなくなりました。

私は使えなかったのですが、問題なく使えたというママ友もいましたので、悩んでいる方は試してみるのも良いかもしれません。

退院前にやっと点滴が取れました。
母乳の分泌量もなんとか軌道に乗り、ミルクを足さずに母乳だけで足りるだろうと言われるまでになりました。

とてつもない痛い戦いでした。

ホッとしたのも束の間。ここからさらに痛い日々が始まります。

母乳トラブル・乳腺炎で泣く

退院後、母乳の分泌がいいのはよかったのですが、良くなり過ぎました。

乳房が張ってカチコチになってしまいました。
母乳が溜まったら乳頭から自然と漏れてくれると胸が固くならずいいのですが、長女の時は乳房に溜まってしまう状態でした。

実は出産予定日から一か月後に引っ越しを控えていました。
出産が二週間延びたことで、産後三週間弱で引っ越しをすることになってしまいます。

新生児の長女にとって引っ越しは刺激が強かったのか、引っ越し作業中は寝続けていました。
おっぱいを飲んでー! と起こそうとしても寝続けます。益々私の胸は固くなっていきました。

胸が非常に痛い!!

胸を触ると、鉄板のような大きなしこりができていました。
鏡で見ると、鉄板部分が赤くなっています。
物が触れたり、腕を上げるとしこりに触って痛い!

38度程度の発熱もしました。非常にまずい事態です。
子どもが起きた時に、しこりを指で潰しながら授乳しました。

これが泣けるほど痛いのです!!

因みに私は出産時、痛いや辛い等を言いませんでした。
出産は痛いものだと知っていたので、覚悟していたからです。

そんな私でも、乳頭切れと乳腺炎は超絶痛かった!
こんな痛みが待っているなんて、誰も教えてくれなかった! くそー!! と心で大泣きしました。

救いは可愛い子どもの存在だけです。

搾乳機も頻繁に使用しました。

痛いよー、と呟きながら、手動でシュコシュコ搾乳しました。
重宝しましたが、乳腺炎のつまりは取れません。つまり乳房に溜まった母乳は搾乳できますが、胸にできた鉄板のようなしこりはそのまま残りました。

授乳時に半泣きになりながら詰まりを押し出し、ある程度潰せたら母乳マッサージに行きました。

私がよく利用したところは、一回三千円でした。
年配の女性が数人で回している店で、人によって良し悪しがありました。

母乳指導やマッサージは、私的な施設の場合は特に当たり外れが大きいようです。ストレスがかかることを言われたり、ろくにマッサージされないのに支払いを求められるところもありますので、おかしいと思ったら違う施設にかかることをお勧めします。

産後半年までの間に4回程度通いました。

母乳マッサージで母乳を粗方出してもらうと、気持ちも胸も軽くなりました。

出産回数と授乳の困難度の変化

その後二人の子を産み、私は三人の子の母になりました。
授乳の仕方や母乳の詰まりのトラブルは、子を産むごとに減っていきました。

三人の子の授乳が終わり、私の胸はすっかり萎んでしまいました。
母乳のメリットは、ミルク代がかからないことや添い乳ができることでしょうか。(添い乳による窒息事故に注意)

ミルクのメリットは、パパも授乳をさせられることにあります。

子どもとのコミュニケーションがママだけに偏らず、子どもを預けてママが一人でお出かけしやすくなることが挙げられます。

私が出産したときは母乳神話が強い時期でした。私は産後ハイだったこともあり、突っ走ってしまいました。費用を抑えたかった、そして妊娠で肥えた体型を戻したいために頑張ってしまったのです。

しかしその後出会ったママ達には、母乳は出るけど完全ミルク育児をしたケースや、ミルクと母乳の混合育児をしたケースが多くありました。

混合はいいとこ取りで理想だとも思いました。

どれもメリットがありますので、母乳をあげなきゃ!! と頑張りすぎるのはお勧めできません。
家庭ごとに正解は違います。

育児に最も重要なのは、母親の心の健康を守ることです。

ストレスがかかることは無理をせずに避けて、使えるものは最大限使います。
それが家庭円満の秘訣であり、引いては子どもの心の健康にも大きな影響を与えます。

私の授乳奮闘記でした。

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