【読解力を伸ばす読み聞かせ】幼稚園年長から小学生にすすめる絵本の紹介と、小学生の読解力を育てようとして失敗した話

小学校3年生になる次女の話です。

担任教諭と保護者である私が面談をした際に、遠回しに優しく、何かを伝えられました。かみ砕くとつまり「読解力(国語力)がない」という話しでした。

母親の私は以前より、次女の説明力のなさが気になっていました。

語彙力がなく、何を言いたいのかわからないことが多々あったのです。
詳しく聞き込んでやっと、何の事柄の話しをしているのかがわかります。

会話や文章を読み取る能力が、全くないわけではありません。

例えば国語のテストで「〇〇の時の●●の気持ちを答えなさい」という問題では、●●の気持ちが書かれた文章の場所を理解していました。しかし、前後にある質問と関係ない文章まで丸々写して書いてしまい、△や✕となってしまいます。

問題に対してどう答えれば端的な説明となるのかが、わかっていないのです。
説明をしますが、イマイチ理解できません。

対して小学5年生になる長女は、語彙力が高く説明力に長けています。
個人差があるものですし姉妹で比べるのは良くないのでしょうが、私には違いが出た理由に心当たりがありました。

次女には満足に読み聞かせをしたり、対話ができていなかったことです。

長女は頻繁に癇癪を起していた期間が長くありました。家にいる時間の半分以上、その癇癪に付き合い、激しい泣き声に驚いた近所の方から声をかけられたことも何度かありました。

私は悩み、通っていた幼稚園や小児科で何度か相談をしますが、長女は知人の前では優等生だったので「性格でしょう」と結論付けられました。長女とどう向き合うべきか手探りでしたが、とにかく対話をし、子どもが望むまま読み聞かせをして手をかけました。

次女が0歳から4歳頃までは、長女に手をかけっぱなしでした。次女の誕生から三年後に産まれた三女が持病を持って産まれてきたこともあり、一人遊びをして大人しかった次女への対応は、長女に比べて明らかに少ない状態でした。

長女の対応をしながら、次女に手をかけられていないことに不安を感じていました。
その結果が、読解力や国語力の不足に出ているように感じられました。

今できることは何なのかを考え、安易かもしれませんが、今からでも読み聞かせをしようと思いつきました。

次女と一緒に本を選び読むことで、言い回しのパターンや語彙力を自然と学べればと思ったのです。

「国語力を伸ばそう大作戦」と題し、次女に読み聞かせを提案すると、次女は喜んでくれました。次女と私で本を選び、何冊もの本を入手して、時に長女や三女も一緒に読み聞かせをしました。

絵本の読み聞かせをする中で、「これは是非すすめたい」と思う魅力的な本と出会いました。
読み聞かせを終えて「この本いいね」と子どもと話せることが、「本は楽しいもの」といういい効果を発揮しているように思われました。

おすすめの本の紹介と、読解力を育てようと試みて失敗した教育方法について、お知らせします。

小学生向けおすすめ絵本

親の私が良い内容だと感じた本の中で、子どもの食いつきがよかったものを紹介します。

チェクポ

韓国の小学生の女の子が主人公のお話です。

新しい鞄が欲しいけれど金銭的な理由で買ってもらえない女の子と、新しい鞄を買ってもらって嬉しくて仕方ない女の子が対立します。子どもらしく、人間らしい、素直な少女たちが喧嘩をして、仲直りするまでが描かれています。

絵や色遣いが柔らかく、とても美しいです。
話の内容も、とても魅力的でした。

幼稚園年長の三女、小学校3年生の次女、5年生の長女に読み聞かせましたが、三姉妹とも食いつくように絵本に見入っていました。

舞台となる国は違いますが、身近にあり得る事柄で等身大であること、綺麗ごとだけで片づけていないのに、愛情を感じられて感動する内容だからでしょう。

久々に、「いい絵本だ」と思う本に出会いました。

小学1~2年生用として紹介されていた本ですが、小学校高学年にも響く内容だと思われます。

ふしぎなともだち

日本の、ある島に住む、ある男の子が主人公の話です。

小学校で出会ったある“ふしぎなともだち”は、言うことも、行動も、ちょっと不思議な子でした。
でもみなは自然に、普通にその“ともだち”と遊び、生活していました。“ともだち”は自閉症だと、先生から聞きました。

ある日、学校を飛び出してしまったともだちを、たまたま学校に来ていたともだちのお母さんが追いかけて行きました。
ともだちは真っ直ぐに走り、そのまま海に飛び込みました。ともだちのお母さんはともだちを抱き止めて、将来が心配だと泣きました。男の子はその姿を見て、しばらくともだちに近づかないことにしました。

男の子とともだちが同じ中学校に進学すると、ともだちは上級生に虐められます。

男の子と“ともだち”がやがて社会人へと成長していく話です。

第一刷は2014年6月。2019年9月に第八刷が発行されています。
小学3~4年生向きの本として紹介されていますが、低学年から高学年まで幅広く読める内容です。

発達障がいは決して珍しいものではありません。
2022年の文部科学省の調査で、児童の8.8%に発達障がいの可能性があることがわかっています。

私の友人やその子ども、私の子どもの同級生にも発達障がいを持っている子が多数います。「色んな人がいて普通」「みんな違ってみんないい」それが学べる本だと感じられました。

幼稚園生の三女はイマイチ内容が理解できず、小学3年生の次女と5年生の長女は、内容は理解できるけれど明確に何かを示す内容ではないからか「ふーん……」という反応でした。発達障がいがある子もない子も区別なく共に遊んでいるからこその「ふーん……」だったのかもしれません。

しかし印象に残る本ではあったようです。どちらかと言えば大人目線の本ですが、良い本だと感じました。

せかいでさいしょのポテトチップス

料理好きが高じて店を出したジョージ・クラムの店に、「ポテトだけの料理が食べたい」とリクエストする男性客が現れます。

クラムの料理は評判が良かったにも関わらず、男性はクラムが作るポテト料理に「ぶ厚い」と注文を付け続けました。試行錯誤を続けるクラムは、いたずら心で薄くポテトを切り、塩を振って男性客に出しました。

これがポテトチップスの始まりでした。

男性客の反応は……? という話しです。

ポテトチップスが生まれた経緯をコミカルに知ることができる絵本です。

わが家の子どもたちはポテトチップスが大好きなので、良い反応でした。
親の私も、子どもたちも「へー」と共感できて楽しい時間を過ごせました。

読解力を育てようと試みて、失敗した話

次女の担任教諭との面談で「今更だが本の読み聞かせをしよう」と思った私は、その後「読解力 小学生 伸ばし方」で検索をしました。読み聞かせ以外にも、できることがあるかもしれないと思ったからです。

するとある教育系のサイトに、本の読み聞かせをすると同時に、「あらすじを書かせると良い」と書かれていました。
子どもが文章の何をどう理解しているかがわかるという理由でした。

なるほどと思った私は、さっそく読み聞かせた後に小さな便箋を出して、「簡単でいいからあらすじを書いてみて」とお願いしました。

すると次女は「えっ!」と抵抗を示しました。

「あらすじを書くと、要約する力もつくし、文章をどう理解しているかがわかるらしいんだよね」と説明したのですが、次女はメモを前に「わかんないよ」と呟いて、唸りだしました。

その時に読んだのは「いたずらトロルと音楽隊」という本でした。

あらすじは以下の通りです。

街で評判の音楽隊は、少年5人組でした。一日中演奏を続けたある夜、音楽隊は森で眠っていました。そこにトロルが通りかかります。トロルはピカピカの楽器に惹かれて演奏をせがみますが、疲れていた少年たちは中々目を覚ましませんでした。

怒ったトロルは、楽器から動物の泣き声が出るよう魔法をかけてしまいます。少年たちは困り、知恵を絞って詫びの品を用意し、トロルに謝りに行くという話しでした。

あらすじを短くまとめるには、少々難しい内容だったかもしれません。

次女は途中から本分を丸写しにして、あらすじと呼べる文章ではなくなっていました。
また、「字を書くのが面倒くさい」と言い出し、とてもストレスを感じた表情をしていました。

これは逆効果になる、と感じました。

「ママの読み聞かせを聞いたら、そのあとに苦手(嫌)なことをさせられる」と次女が認識してしまったら、文章を楽しむことができないでしょう。ますます文章や本が嫌いになりかねません。

「ママが悪かった。あらすじを書くのはやめよう」と言い、代わりに一言でもいいので、本の感想を言い合うことにしました。読んだら感想を言うことを義務にするのではなく、読み終わった後にさりげなく聞く方法をとりました。

「面白かった」「好きじゃない」など一言でも良いのです。

かつてテレビや動画の鑑賞は教育に良くないと言われていましたが、観っぱなしではなく、例えば親と感想を言い合うことで発達を促す効果があると知られるようになりました。

本の読み聞かせについても同様ではないかと考えたのです。簡単であっても共感したり、互いの感想を知れることで、心や言葉を考えるきっかけになってほしいと願っています。

読み聞かせが読解力を育てるという意味で実になるかはわかりませんが、私の読み聞かせを喜んでくれる子どもたちの姿を見ることは、親子のコミュニケーションという意味では良質だと感じました。

ただ、肝心の次女に読み聞かせをする時間を作る時、私が家事に追われていて「ちょっと待ってて」と言うと、「えー、youtube見たいのに!」や「友達と一緒にマイクラ(通信ゲーム)しようって約束してるのに!」と言われてしまいます。

待たせる私が悪いのですが、心で吉本新喜劇のようにズコーっと転げそうになります。読み聞かせをすると持ち掛けたのは私なのに、どこかで「忙しい時間を縫って読み聞かせしてあげているのに!」という驕りがあるのかもしれません。

また、動画やゲームから学ぶこともあるとは思いますが、そちらの方が優先度が高い次女を見ていると、少々心配になるのも正直なところです。

幼い頃にもっと読み聞かせや対話をしていたら、違ったのでしょうか。
それとも変わらないのでしょうかね……。

答えは誰にもわからないので、次女が喜んでくれているうちは読み聞かせを続けます。

また小学生向けの素敵な絵本を見つけたら、追ってお知らせします。

関連記事

三姉妹を育てる母です。子どもは現在、未就学児から小学生高学年。長女は生まれた時から主張が強い性質で、イヤイヤ期と言われる二歳頃から小学生になるまで朝食拒否が続いて、苦労しました。私がとった手段は、子どもに自由に朝食を選ば[…]

関連記事

十代から二十代前半にかけて、やんちゃな振る舞いをする人が一定数います。思春期特有の不安定さから「いけないこと」をすることもあれば、家庭や家庭外の環境に影響されて非行に走ることもあります。年齢を重ねて情緒が安定したり痛い思いを[…]

関連記事

二人の子どもを育てる、ある母親の実話です。育った環境で愛し方が変わるのか彼女は親がおらず、施設に入居後に弟と共に里親に引き取られて育ちました。髪やファッションを飾り、いわゆるギャルとなります。(現代のギャルはファッションのジ[…]

最新情報をチェックしよう!