私は婚約破棄をしたことがあります。
その彼とは4年半付き合って別れました。
付き合っていた時はとても尽くしてくれる彼でしたが、婚約して入籍前に同棲を始めてから180度変わってしまいました。
私をぞんざいに扱い、話し合いをしたくても全く取り合いません。
「俺のこと好きなんだろ? ならいいじゃん。解決してる」と言われ、私の好意を笠に、全てが許されると思っているところに失望しました。
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別れなければいけない相手でした。
しかし好きな気持ちが少なからず残っていて、踏ん切りをつける勇気が出ません。
好きだったころの記憶や、情なのか依存なのか、執着のようなものがあり厄介でした。
この人と結婚をしてはいけないとわかっているのに、彼と別れたら生涯結婚できないかもしれないと、矛盾した不安が過りました。
誰か好きになれる異性が現れたら、楽だと思いました。
執着を断ち切りたい、それだけでした。
私は会社の後輩に勧められたゲームメインのSNSサイトで、後に夫となる男性と知り合いました。
互いに猫を飼い酒が好きだったので、猫を共通項としてサイト上でメッセージをやり取りするようになりました。
夫は同棲していた彼女と別れたばかり。
私は婚約者がいることを知らせていたので、互いに異性として考えていませんでした。
私の周囲の人は私と婚約者の付き合いが長いことを知っていました。
相談をしても「なんだかんだ言って結婚するんでしょ」という反応しかありません。
変わってしまった彼の話を、先入観なく見てくれる人に聞いてもらいたいと思い、夫に相談するようになります。
夫は当時のことを、「彼氏の話ばかりする変な人」と思ったようです。
私は夫を性の対象と見ていなかったものの、夫が好意を持ってくれていることがわかりました。
夫を異性として好きだったわけではありません。
誰かに頼りたくなる気持ちが確実にあり、話しを聞いてくれる夫の存在に安心しました。
夫と出会う前から婚約者に別れ話をしていましたが、家を出るなどの実行に移したのは、夫に相談して気持ちが落ち着いてからでした。
別れた後、元婚約者が生活を改め、私が戻るのを待っていたと知った時、「私蔑ろにし続けたことを、後悔すればいい」と思いました。
他の男に頼るなんて、と非難されても仕方ないかも知れません。
しかし私は、「婚約者が悪い」としか思いませんでした。
婚約者には恨みが残りました。
女の被害者意識
結婚後、夫が不貞を犯し離婚危機を迎えた時も、「私は被害者だ」という意識が強くありました。
暫く経ってから「私も悪い部分があった」と気づきましたが、それは夫が私を理解し、寄り添ってきたからこそ思えたことでした。
夫が私を理解してくれた、と実感できなければ自分を振り返らなかったかもしれません。
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妻の不倫は夫のせい?
近年、SNS上でサレ夫の声が聞かれるようになりました。
辛さを吐露する呟きを見ていると、男女関係なく不倫が伴侶の心を酷く傷つけるものだとよくわかります。
シタ妻が非常に腹立たしく感じられました。
そんな中サレ夫の吐露に特徴を感じるようになりました。
当然個人差があり一概に言えることではないのですが、サレ妻の呟きではあまり見られないことだったので印象に残りました。
サレ夫が心を深く傷つけられながら、かつての結婚生活を後悔していることです。
深い後悔と、傷つけられた感情の狭間で苦しみながら、シタ妻の愛情を求めているように感じられました。
サレ側の感情には波があります。
離婚しかないと考えたり、やはり再構築をすべきかと悩みます。
シタ妻の愛情を求めるサレ夫の声は、一時的な波なのかもしれません。
それはサレ妻にもあるわけですが、シタ夫の場合はより強いように思われました。
男性は、家や家庭など目に見える功績を失うことを恐れると言います。
自分の価値がなくなるように感じるからです。
女性にもあるのですが、男性はより感じやすいのだとか。それらの影響もあるのかもしれません。
或いは妻に「不倫の原因はあなたの言動」と言われたのではないかと想像しました。
サレ夫の苦悩とサレ妻の気持ちの違い
シタ側が不倫した理由をサレ側のせいにするのは、責任回避の常套手段です。
これは男女を逆にしてもよく見られる戯言です。
シタ側は本当にサレ側のせいだと思い込んでいるケースがあります。
シタ夫が「お前が俺に構わないから、寂しくて(不満があって)不倫した」というのと同じですよね。
シタ夫が寂しかったという期間、大抵妻は家事や子どもの世話に追われ、夫の世話までしているのです。
共に家庭を作るはずの夫が、自分の負担になっていったばかりか、裏切りまでしている。
私がそんなことを言われようものなら、自分の精神が壊れようとも、大暴れするでしょう。
私のせいにするな。どれだけあなたを思いやって来たと思っているんだ。
何を見てきたんだ、わかっていないのはお前だ! と。
サレ夫も同様に、強い怒りを顕わしながらも、心の片隅では「そうかもしれない」と思っているようでした。
「あなたのせいで不倫した」と言われた時、家庭での自分の姿を思い浮かべます。
妻の話しを聞けていなかった。
妻を女性として扱えていなかった。
思いやれていなかった。
男性は言葉をそのままの意味で受け取る傾向があると言われています。
素直なんです。
それなら妻の声も素直に聞いてよと思いますが、これには男性脳が影響しています。
男性は狩りをするための脳を備えています。獲物を捉える男性にとって、おしゃべりはチャンスを逃す危険なことです。
そのためおしゃべりのための脳の領域が女性の数十分の一しかなく、目的の分からないおしゃべりに巻き込まれると音声認識機能が停止します。
目的の分からない話が2分以上続くと、音声認識機能がオフになることもあるのだとか。そのため男性に話しをするときは、結論(話の目的)を最初に明らかにすることが大切です。(参考)
つまり妻が孤独を感じる一因には、男女の特性が影響している可能性があります。
サレ夫は生涯を共にすると疑わなかった大切な妻に裏切られ、自尊心をズタズタに切り裂かれ、何とか生きているのに、それを自分のせいと言われる……。
こんな苦しいことがあるでしょうか。
サレ夫に非はあるのか
離婚危機以前、夫は一時期私の話に聞く耳を持ちませんでした。
話しの仕方のせいとか、そういうレベルではなく、対等に見られていませんでした。
何を言っても暖簾に腕押し。
私に甘えて、舐めているのだとよくわかりました。
私は夫にとって何なのだろうと、寂しさで一杯でした。
夫の不貞やらパチンコ中毒や怪しいLINEが発覚、借金も分かり、それまで耐えて藻掻いてきた不満が爆発して離婚に突っ走っりました。
私の変わりように夫は驚きました。夫は家庭を失う恐怖から言動を改め、再構築に到りました。
離婚を突きつけた危機がなければ、夫が変わることはなかったでしょう。
夫が有責者だったから成立しました。
妻がシタ側になってしまっては、夫が変わるわけがありません。ますます妻を蔑むだけです。
女が不倫する理由
聞く耳を持たない夫に寂しさを感じ、誰かに頼りたくなる気持ちはわかります。
しかし。
ここで声を大にして言いたい。
不倫を選んだのはシタ妻。
サレ夫が妻に不倫しろと仕向けたわけではない。
不満と不倫はイコールではありません。
それを結びつけたのはシタ妻本人なのです。
不倫をしても問題は解決しない。
目をそらして逃げているだけ。
子どもを傷つける。
不倫はシタ側の責任です。サレ側に不倫の責任を被せようなど、笑止千万。
不倫は盲目で責任を持たない恋心です。
何も見えていません。
どれだけ家族に深い傷をつけるかわかっていない、利己的としか言いようのない暴力です。
バレなきゃいいと都合のいいことを言う人もいますが、バレますよ。
信用されていればいるほど、バレるまでに時間がかかることもありますが、バレます。
不倫がバレずに終わって、「いい思い出」になり、家族と仲良くやっていこうと心を入れ替えた時にバレることもあるのです。
地獄ですよ。
夫が不倫した家庭の子どもを知っています。
ほんの2~3歳と10歳になるかどうかの男の子ですが、食べ盛り、育ち盛りの子どもにも関わらず、痩せるんですよ。
どれだけ親が気を使い、子どもに見せないようにと努力しても、子どもは親の顔をよく見ています。
言葉じゃ誤魔化せません。
自分を守ってくれるはずの親が裏切っていたという傷は、あまりに深い。
個人的な感覚で言えば、虐待に近いほどの傷だと思っています。
シタ側一人が地獄に落ちるならいいんです。
実際は、伴侶と子どもが道連れになります。
人の価値観を変えてしまうほどの傷を負わせた責任を償うことなど、到底できません。
人の精神を殺す不倫という行為を、甘く考えすぎです。
仮に夫が妻の話しを聞かず、孤独だったことで行きついた不倫だったとしても、不倫自体が加害行為です。
加害者となったシタ妻がどれだけ辛さを訴えても、理解を得るのは難しいでしょう。
こんな不倫が本当に妻の心を満たすでしょうか。
自分の首を絞める行為です。
はけ口がなければ、イライラして家庭を円満にできない。
夫は何を言っても変わらない。
苦しい私の心はどうしたらいいの!?
とシタ妻の声が聞こえてきそうですね。
妻の不倫発覚意外に、どんなきっかけがあったら妻の話しを聞かない夫は変わるのでしょうか。
夫が変わるきっかけ
ある女遊びが激しかった先輩の例です。
先輩は常に妻を下に見ていました。
女が一人で生きていけるわけがないと高をくくり、遊び続けました。
好景気で、夫は十分な稼ぎがありました。
妻はただ耐えました。そういう時代だったからです。
やがて息子が病気を発症し、車いす生活をする障がい者となりました。
息子は荒れました。
好き勝手してきた父親(先輩)を責め、献身的な介護で追い詰められていた妻も、夫(先輩)を責めました。
そして先輩は考えを改めました。
高齢の域に入っており、遊びつくしたときでもあったのかもしれません。
その後は夫婦でスポーツを始めたりと、家族に尽くすようになりました。
「女は耐えろ」と言われる時代でしたので、妻が耐えたことで存続した家族でした。
息子の目を背けたくなるような病気がなければ、先輩が変わったかどうかわかりません。
信頼できる家族になるまで、長い時間がかかりました。
夫婦の終わり方
きっかけがないまま生涯を終える夫婦もいれば、子どもが巣立つと同時に夫婦を終わらせることもあります。
或いは正面からぶつかって離婚に至ることも。