発音が上手くできなかった当時次女が、療育センターの言葉の教室に通い、発音できるようになりました。
子どもの発音に悩む方の参考になるよう、教室に通うまでの経緯と、教室内容、発音ができるようになるまでをお知らせします。
未就学児こどもの発音・か行とさ行が発音できない
次女が初めてママと言ったのは0歳でした。
単語を連なって話すようになったのは2歳頃からでしょうか。早くもなく、特別遅くもありませんでした。
しかし幼稚園年長になる5歳になっても、かきくけこ、さしすせそが発音できませんでした。
か行はたちつてとの発音、さしすせそは、しゃしぃしゅしぇしょになってしまいます。
早生まれだからなのかとのんびり観察していましたが、発音が不明瞭なために伝えたいことがうまく伝わらず、怒り出すことがありました。本人はきちんと発音しているつもりなのに、なんでわかってくれないの!? といった具合です。
“上手く発音ができない”という自覚がある次女。
小学校に上がったら音読を頻繁に行うことになりますので、気にするかもしれないと想像しました。
発音について幼稚園に相談
年長になって少しした4月下旬ころに、幼稚園の先生に相談しました。
次女程度の発音(か行とさ行以外は明瞭)であれば、そのまま小学校に上がる子はいるようです。
「気になるようであれば、市の療育センターで言葉の教室が開かれているので相談してみては」と教えてもらいました。
☟先生にもらった療育センターの資料はこちらです。
言葉の特徴と相談時期がこちらです。
これによると、次女の症状は100人に2~4人。
相談時期は年中後半とあります。
まずい、出遅れた! と焦り、即電話をしました。
言葉の教室・療育センターに問い合わせ~初診まで
電話口で紹介元の幼稚園の名前や、次女の症状や生活状況を細かく聞かれました。
続いて、「言葉の教室」は大きく2種類に分かれると説明されます。
もう一つは発達や身体的機能に問題がなく、舌使いの癖の問題がある場合。
電話での聞き取りの結果、次女は恐らく舌使いの癖である可能性があると言われましたが、詳しくは初診時に、発達、聴覚、内科の検査をして確かめるとのことでした。
いざ初回の予約を! と前のめりでお願いしたところ、初回診察に2か月から3か月待ちと言われました。
発達障がいの疑いで受診の予約をしたママ友が、やはり数ヶ月待ったと話していたことが思い出されました。言葉の教室も同じなようです。私にできることは、待つだけでした。
初回診察までにしたこと
次女は自分の発音が他の子と違うことを自覚していました。
そして発音できないことに苛立ちを覚えていました。
診察を待つ間に、発音の練習をしてみました。
かきくけこは口を開けて発音するため、舌の使い方を見て真似してもらおうと、私がゆっくり発音をして見せてみました。
すると、「か」「き」と少しずつ発音ができるようになりました。
上手く発音できた時には、思い切り褒めました。
次女は喜び、幼稚園の先生にも逐一報告するようになります。先生も思い切り褒めてくれました。次女はますますやる気になり、家に帰ると練習をしたがりました。
か行を一文字ずつ発音することはできるようになりましたが、他の言葉と連続して発音しようとすると、タ行の発音になってしまうことが多くありました。
今ちょっと違ったから、もう一度言ってみようと話し、根気よく練習していきました。
これは言葉の教室は必要ないか? と思ったこともありましたが、次女は言葉の教室に通い、話せるようになりたいと意欲的でした。
そしてさ行は口を閉じて発音するため、舌使いを見せることが難しく、上手く練習が進みませんでした。
手探りで、歯の隙間から「し」や「す」に近い発音で空気を出す練習をしました。それであればできたからです。
言葉の教室ではどう教えるのだろうと、知りたくなりました。
言葉の教室・初回内容
初診の日。
初めて療育センターに入りました。
女性職員が多い印象で、落ち着いていて綺麗な病院といった印象でした。
まずは聴覚のテストをしました。
遮音性のある部屋に入り、ヘッドフォンを着けてテストをします。
親は同席してもしなくてもよいとのことでしたが、次女が一緒に来てほしいと頼まれましたので、三女も連れて部屋に入りました。三女は当時二歳になったばかりでしたので、静かにさせるのに苦労しました。
続けて発達の検査をしました。
言葉の理解度などについての質問が多数あり、「当てずっぽうに答えているな」と思う回答が多く、発達の問題なのかな? と思いました。
しかし聴覚発達共に問題がないとの結論。
当てずっぽうで外しまくっていましたが、年齢相応だったようです。
続けて内科(耳鼻科?)の診察を受けました。
診察は驚くほどあっさり終わりましたが、聴覚と発達の検査を含めて一時間半程度かかったように記憶しています。
やはり舌使いの癖の問題だとのことで、一週間に一度(幼稚園を休んだり教室後に遅刻して行くなどして)、言葉の教室に通うことになりました。
幼稚園卒業までに治らなかった場合は、小学校に上がったあとにも授業時間内に周辺の小学校の生徒で集まり、集団で言葉の教室を開催すると説明されました。(参加を断ることも可能)授業時間内ですが、出席扱いになるのだそうです。
違う小学校に移動するときには親が付き添うことになるのかの確認はしませんでしたが、そうなったら大変そうだと思いました。
舌の癖は言葉の教室に通わない場合、いつ治る?
舌の使い方の癖が問題の場合は、教室に通わなくても徐々に改善するそうです。
しかし教室に通うほうが、早く改善するのだとか。
これは先輩ママさん達からも聞いていたことでした。
舌ったらずで言っていることがわからないことがあるけど、それが可愛いから放っておいたと言うママさんもいます。
周囲の経験談によると、小学校4年生頃には自然と発音できるようになっている例が多いようです。
中には、歯列矯正をしたことで発音が明瞭になったという話しも聞きました。
歯列矯正でマウスピースや装置を口に入れることにより、舌の置き場所が変わることがあるため、(私は反対咬合(受け口)の歯列矯正経験者です)“たまたま”矯正がきっかけになったのではないかと思います。
言葉の教室の練習内容とノート公開
言葉の教室はか行とさ行以外も含め、全ての発音の確認から始まりました。
次女の場合はか行はある程度できるようになっているけれど、他の言葉に続いて発音する場合は舌が釣られてしまっているので、はっきりと言えるようにすること。
さ行はか行より発音が難しい行だけれど「し」の発音がある程度できているので、問題は大きくない。練習あるのみだと先生が言いました。
なんでも、「し」はさ行の中でも発音の仕方が違うので、さ行を習得する際に「し」が発音できているかそうでないかで、難易度が変わるのだそうです。
自己流ではありましたが、歯の隙間から空気を出して「し」の発音練習をしていたのは、効果が大きかったようです。
さらに次女が「他の子と発音が違う」と自覚し、「正しく発音できるようになりたい」と思っていることは、大きくプラスになると言われました。
自覚していると、間違った時に「違う」と自分で気づけるので、そういう子は習得が早いのだそうです。
か行の練習内容
言葉の教室はマンツーマンで行われました。
保険適応になり、横浜市の小児医療証があれば無料となりました。
言葉の教室中は親は待合室で待つこともできるのですが、次女の希望により毎回私も同じ部屋に入って付き添うことになりました。その際に厄介なのが三女です。
一時間弱の教室の時間中、ずっと静かにしているわけがなく、先生がジグソーパズルを貸してくれたり、家からパズルやおもちゃを持っていき時間を潰しました。
か行を練習する際にはガ行もセットで練習しました。
ノートを一冊用意します。先生がノートにその日練習する文字を書き、それを繰り返し発音をします。
初回は「か」と「が」でした。
実際のノートがこちらです。
発音練習をクリアする度に、先生が用意したハンコをノートに押すことができます。
ご褒美形式です。
練習はまず一番上の四角で囲まれた「か」と、両脇に線でつながれている「あいうえお」を連続して発音することから始まりました。
「あ、か、あ」「い、か、い」「う、か、う」「え、か、え」「お、か、お」の順で続けて発音します。
発音が不明瞭な部分は、数回繰り返します。
続けて次女が思いついた「か」のつく単語を、先生が書き出しました。思いつく単語が少ない場合は、先生が単語を足して描きます。
単語の中の「か」の部分に赤丸をつけ、文字を見ながら意識して発音をさせていきます。
「かさ」「かわ」「かお」といったように次々と発音をさせて、前後の言葉に釣られるなどして上手く発音ができない場合は、繰り返して練習しました。
左ページの「が」も同様に進められました。
次女はか行は粗方言えるようになっていましたので、難なくクリアしていきました。
一通り練習したあとは先生とゲームをして、保護者に向けた進捗状況の説明があり、終了です。
家でも毎日、教室と同じように発音を練習する宿題が出されました。
次女の場合は発音を治したいという意欲がありましたので、私が何も言わなくても自らノートを広げて練習をしていました。
「か」と「が」の次は「き」と「ぎ」かと思っていましたが、次は「こ」と「ご」でした。
それもクリアすると、次は前の週にやった「か」のつく文を読む練習をしました。
発音がしやすい音から練習を進めるのだそうです。
翌週は「こ」のつく文と「く」「ぐ」の練習でした。「く」と「ぐ」は発音しやすいのでしょうか? それとも発音ができていたからなのか、例文が少なかったです。
言葉の教室は楽しい
次女は言葉の教室に通い、より発音がはっきりしてきました。
どの音から練習すると習得しやすいのかは、プロでないとわかりませんね。
遊びを入れて、楽しませるのも重要なのだと思います。
先生は終始優しかったです。
さ行に入ると発音が難しい音もありましたが、何度か繰り返し練習させるものの、できるまでやらせるとか、無理強いするようなことは全くありませんでした。
さ行の練習内容
さ行は「せ」から始まりました。
か行の時と同じように、「あ・せ・あ」「い・せ・い」と順々に発音していきます。
「せ」が終わるとか行に戻って、「け」「げ」の練習となりました。
次は「さ」
「そ」「す」「ぜ」
「せ」の文
☝100点をもらっていますね。
次女は、少し休んだら? と声をかけるほど、家で練習をしまくっていました。
先生に100点をもらって、益々やる気を出して行きました。
次は「ざ」「ぞ」「ず」の順で練習して行きました。
自覚があると発音の習得が早い
通い始めて二か月半程度で、ほぼ発音の習得を終えました。
先生は、「やっぱり自覚がある子は早い」と言っていました。
丸三ヶ月で教室は終了となります。
次女の場合は年長に上がり割とすぐに療育センターに問い合わせて、初心が7月でした。
教室が始まったのは9月です。
先生の話しでは、小学校入学前の言葉の教室に通うには、ぎりぎりのタイミングだったそうです。
それより遅れると、小学校に入学してから言葉の教室に通うことになっていたのだとか。
小学校に上がると療育センターの言葉の教室の管轄ではなくなるため、教育できる期間の都合により、受付に期限があるのだそうです。
※横浜居住の場合です。住む地域により変わる可能性があります。
滑り込みセーフの割りに順調に習得し、卒業することができました。
舌の使い方が原因の場合は、発音ができない程度にもよりますが、教室に通わなくてもそれほど問題はないようです。
しかし次女のように本人が気にしている場合は、それがコンプレックスになる可能性があることから、練習できる環境があるといいのではないかと感じました。
「言葉の教室に通うか迷っている」
「家庭で教えられそうだけどちょっとわからないことがある」
そんな方の参考になりますように。
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