【親子間操作】母親をコントロールしようとする小学生の娘と、親の駆け引き

三姉妹を育てる母です。

子育ては悩みの連続です。

時には子どもに本気で腹が立つことがありますし、呆れることもあります。
逆にわが子ながら感心することも多々あります。

私よりずっと上手(うわて)なのではないかと驚かされることも珍しくありません。

この記事では、「娘に手の平で転がされた」「親(私)を利用しようとしたな?」と感じた一件をお知らせします。

子どもの主張と親の戸惑い

長女は生まれた時から激しい子でした。

授乳で口が塞がっている時を除いて、起きている間は常に泣いていました。
大きく生まれて体力があったからなのか、泣きつかれて眠ったことは一度もありませんし、声も大きい。

親にとって子どもの泣き声は生存を知らせる音であると同時に、「これやって、あれやって」という強迫にも聞こえるものです。
夜泣きの子守という、かつては拷問にも使われた「眠れない」苦しみを味わいながら、出産で傷んだ体と回らない思考で、途切れることない赤子の泣き声を聞き続けました。

一人で子守をしていると心が落ち着かず、辛くなることがありました。どうしても耐えられない時は、襖一枚を隔てて15分程度泣かせっぱなしにして、その間に手洗いを済ませたりホッと一息つくなどしてどうにか凌ぎました。

当時住んでいたのは築40年を超える古家で、隙間風が入り、蟻が室内を行進していました。
建具はガタが来ていて押せば外れるような古い襖でしたので、泣き声は良く聞こえました。

子どもは泣くことでしか主張ができません。
しかし長女は適温の室内で、オムツが綺麗でお腹もいっぱい。ずっと抱っこをしていても寝かせても、とにかく泣き続けました。

母に、「こんなに泣く子がいるのね」と感心されたのを覚えています。

子どもはズル賢く、策士である

長女は1歳になる前から、言葉をある程度理解している様子が見られました。

しかし主張の激しさは変わることなく続きます。
私は初めての子育てでしたので、子どもはそういうものだと思っていたのですが、ママ友ができて子連れで会う機会が増えると、あることに気が付きました。

長女は近い月齢の子どもやその親の前では、妙に大人しいのです。
私や知らない人の前だと外出先であっても地面に寝転んで大泣きして主張をするのに、友達の前だと一切しません。

場所見知りや人見知りをする子は多いので最初は気にしていなかったのですが、少しずつ「なぜ?」と思う行動が出てきます。

それは成長に従って、よりはっきりとわかるようになりました。

一番顕著だったのは、あるママ友とその子どもとあるショッピングモールに遊びに行ったときのことです。
当時子どもたちは1歳半~2歳頃でした。

ママ友と一緒に行動をしている間はママ友の子どもがぐずることがあったものの、長女はその子をあやすような素振りをするなどして大人しく過ごしていました。

ママ友と私が行きたい店が違ったため、20分後に集合する約束で一旦別行動をすることにしました。

「またあとでね」と、ママ友と私と長女は手を振って別れました。
にこやかに別れたのですが、ママ友とその子どもが通路を曲がり姿が見えなくなった途端に、長女はおもむろに床に寝転び、大泣きをし始めたのです。

私はあまりに突然の出来事に驚きました。
大泣きを始めた理由がわからず声をかけますが、長女は泣くばかりで話をしようとしません。
抱っこをしてベンチに移動しようと考えましたが、えび反りになって抵抗をするので落下の危険を感じて断念しました。

場所は多くの人が行きかう通路のど真ん中です。

通りがかりの年配の女性が長女に声をかけてくれましたが、長女は一切反応せずに泣き続けたので、女性は「お母さん大変ね」と言って去っていきました。

私はただただ、呆然と立ち尽くすことしかできませんでした。

その場から一歩も動けないまま、約束の20分が経とうとしていました。
通路の曲がり角からママ友の姿が見えたので、「あ、来た」と私が呟くと、長女は泣くのをやめてスクッと立ち上がりました。

そして何事もなかったかのようにママ友とその子どもを迎えたのです。

長女のその変わり身の早さに、恐ろしささえ感じました。

ママ友に一歩も移動できなかったと話しましたが、ママ友は信じてくれませんでした。
ママ友からみた長女は、聞き分けがいい利口そうな子どもだったのです。

私がとても仲良くしていた別のママ友の前でだけ、長女は私に見せるような癇癪の片りんを出すことがありましたが、多くの場合は外面を取り繕っていました。

長女は5歳になるころまで、自宅にいる時間の半分は酷い癇癪を起していました。2歳下の次女が私への後追いの時期を卒業しているのに、長女の後追いは続きました。
家にいる間、あまりに長女の泣き方が酷いので、ご近所の方が事故を心配して声をかけてくることもありました。

また公園に遊び行った帰りなどは、どうにもならない主張を繰り返され(日が暮れているのにずっと遊びたいとか、お金を持っていないのにお菓子を買いに行きたい等。「明日買いに行こう」など未来の話が通じませんでした)、それが叶わないと分かるとやはり道端に寝転んで大泣きをしました。

やはり泣き方が激しいために、近隣の家の奥さんが「尋常じゃない泣き声で心配だった」と言って様子を見に出てくることが何度もありました。

家にいる間はずっと走り回り、建具や家具にぶつかってやっと止まります。
毎日掃除機をかけていましたが、掃除機をかけると興奮して走り回るので、物や埃が散乱して困りました。

障子6枚と襖6枚、テーブル2卓、カーテンレールなどありとあらゆるものを壊しました。
叱ったり言い聞かせたりと様々な伝え方を試しましたが、素直に「うん」と返事をするものの数十秒後には繰り返しました。リビングに2リットルのペットボトルの水を撒かれたこともありました。

なぜこのような行動をしたのかを聞くと、「楽しかったから」と言いました。

トイレトレーニングも非常に手がかかりました。
オムツを拒否してパンツを履くけれど、トイレには行きたくないと主張するので、一日に7~8回着替える生活が始まりました。ある程度トイレトレーニングが進んでからは、外出先のトイレで今度はパンツもズボンも履きたくないと泣き、そのあまりの激しさに事故を疑われて、男性スタッフが女性トイレに様子を見に来ることもありました。

叱ると逆効果らしいことが実感としてありましたので、言い聞かせるように心がけましたが、次女を蹴ったり殴ったりする暴力が続くと我慢がならず、酷く怒りをぶつけてしまうことが一時期ありました。

長女の対処に悩んで、幼稚園に相談をしました。

家での様子を聞いた担任の先生は、絶句しました。とても想像ができないというのです。

園での長女は周囲をよく見ていて、次に何が必要かなどもよくわかっている。理解が早い。先生や友達の手伝いをよくしていて、とても優等生だと言いました。また、精神面の成長が早いのではないかとも言われました。

私は長女が発達に問題があるのではないかと疑っていました。
しかし先生は全く心配していないと言います。先生には2~3度相談をしましたが、どれも同様の答えをもらいました。

ある日、長女は寝ている次女の顔を2回蹴りました。
子育ては、上の子を優先する方が情緒面において良いと聞いていましたので、長女を優先するよう心がけていたのに、次女への攻撃が何年も続いていました。

次女は目のすぐ横に大きな青あざを作りました。
なぜ蹴ったのかを聞いても、明確な答えは返ってきません。

長女のあまりの激しさに悩んでいた私は、次女の怪我を診てもらった小児科で、長女について相談をしました。

すると医師は、場面ごとに対応を使い分けていることや幼稚園の先生が心配していないことから、「長女の激しさは性格」と言いました。

激しい子はいるから。
お母さんは大変だけど、向き合っていればちゃんと育つ。いつか落ち着く。
辛いときは相談に来て。

次女や三女を夫に預けて長女と二人で出掛けたり、長女の言葉をとことん聞くための時間を設けたり、交換日記をするなどして、日々を重ねて行きました。

店では床に転がって泣くか、走り回るのが常でした。
走る時には、たまに親が追ってきているかを確認している様子が見られました。追いかけられるのが楽しいのかと思いましたが、興味のあるものに釣られてどこに行ったか分からなくなることがあり、店員を巻き込んで探すことがありました。

IKEAで見失った時は小学校入学を控えた頃でした。親が追ってくるのを面白がっている様子がはっきりとわかりましたし、長女は逆走をしていて周囲に迷惑になることもあり、途中で追うのをやめました。今思えば危険な行為ですが、それほど私は疲れていました。

20分ほどその場に留まっていると、親が追ってきていないことに気付いた長女が、泣きながら私を探して歩いてきました。
長女は私が長女を追わなくなったことに傷つき、怒っていました。

店は追いかけっこをする場所ではないこと、危ない人にさらわれてしまったら二度と会えなくなることもあるのだと、長女への怒りや不満を込めてその場で話しました。怒るというより鬼気迫る言い方だったと思います。すると長女は理解したようで、以来店で走っていなくなることが減って行きました。

とても手がかかる子ですが、夫と私が共通して感じたことは、「長女は頭が良い」という事です。
学力ではなく、ズル賢いという意味合いが近いかもしれません。人の裏側をよく見ているように感じられました。

自分がどう振る舞えば周囲がどうするのかを、よくわかっているのです。
そしてどこまでやっても、母親である私が見放すことはないと分かっています。

子どもは周囲の大人の反応を見て行動を学んでいきますので、当たり前のことなのかもしれません。どんな子どもにも見られる現象だとは思いますが、次女や三女に比べて性格が激しい分、顕著に感じられました。

私に対して傍若無人に振る舞うのは、知り合いに気を使っている反動であったり、母親への甘えなのだと理解しました。

親子間操作?エスカレートする子どもの主張

6歳までは壮絶な日々を送っていましたが、その後は徐々に落ち着いて行きました。

小学生になってからも外では優等生、家では暴れん坊ですが、癇癪は減っていきましたし、次女が強くなったことで暴力も以前ほど酷くなくなって行きました。

小学校低学年の時には、友達と近所の公園で遊ぶからと、車を出して送迎して欲しいと言われることが度々ありました。
親に送迎してもらっている友人がいたことが影響したようです。

私は次女と三女が幼く留守番ができないことや、送迎すると決まって「友達のあの子も途中で乗せて」と勝手に友達と約束をしてきてしまうので、断るようになりました。(他人の子どもを親の許可なく乗せることが常態化すると、責任の所在が難しくなるためです)

長女は「ママは優しくない」と怒りましたが、中途半端に要望をのむと癇癪が酷くなるので、特別な場合を除いて「遊びのための送迎はしない」ことにしました。少しの間長女は送迎を求めては癇癪を起しましたが、暫くすると要望をしなくなりました。

活発であることに変わりはありませんが、ダンスの習い事を初めてからはダンスにのめり込むことで、エネルギーを発散するようになりました。

ダンスは週に3回、2時間から3時間のレッスンを受けに、少し離れた場所に車で送迎をする形で通っています。
近所にあるダンス教室は週に1日、1時間から2時間程度のレッスンなので、体力が有り余っている長女には物足りないと考えてのことでした。

ダンス教室ではめきめきと上達をして、どんどんと上のクラスに上がって行きました。

母親をコントロールしようとする娘と、親の駆け引き

現在長女は小学5年生になりました。
11歳です。

長女は相変わらず次女や三女と激しい喧嘩をしますが、とても仲が良い一面もあります。癇癪を起すことも、一月に数えるほどまで減りました。
様々なことに興味を持って、挑戦をする意欲も強いです。家事にも興味を持って、よく手伝いをしてくれています。

ダンスにも相変わらず熱心ですが、ダンスの発表会前になると週に4日~5日送迎が必要になることもあり、私の他のスケジュールとかち合って困ることが出てきました。

小学校高学年ともなると、バスや電車を乗り継いでレッスンに通う子が増えています。
できれば長女にも、電車で通ってほしいと思うことがありました。(乗り継ぎの仕方は同スタジオメンバーと何度も経験済みです)

しかし長女は嫌がり、車での送迎を望みました。
車では30分の道のりですがバスや電車を使うと1時間程度かかりますので、嫌がるのも仕方ないと思い、何とか予定を調整して送迎をしていました。

不機嫌で親を操作する

ある晩のこと。

私はいつものように、ダンスのスタジオの前でレッスンが終わるのを待っていました。
送迎後に帰宅をしたら、作りかけの夕食を仕上げて洗い物をして子どもたちに食べさせ、夫の相手をして風呂の準備をして……と仕事が山済みです。

こなすべきタスクを考えながら、長女の帰りを待ちました。

長女は翌々日に、学校行事の宿泊体験を控えていました。
持ち物の確認は前もって済ませており、新たに用意が必要なものはありません。

宿泊体験の前日、子どもたちが学校や幼稚園に行っている間に夫と近所の寿司屋でランチを食べて、軽く酒を飲もうと話していました。何か月も前から行きたかったのですが、安くて人気がある店なので中々席が取れませんでした。やっと予約がとれたので、楽しみにしていたのです。

長女は何かと要望が多く、さして必要がない物も欲しいと言い出して、私に車を出すよう求めることがあります。
それが叶わないと分かると何時間も無言を貫いて、食事や風呂も拒否することがありました。

面倒なことにならないよう、宿泊体験の前日は車を出すことができないと、前もって話しておく必要がありました。

ダンスレッスンを終えた長女が車に乗り込んだので、家への道を走りながら、「明日は昼にパパとお酒を飲むから、車を出せないからね」と話しました。

長女が「なんで」と聞きました。

長女は家のゴミ箱を見て家族が何を食べたかを聞いて来たり、どこに買い物に行ったのか知りたがったり、親のスケジュールを逐一チェックする癖があります。濁して答えると追及をやめないので、「近所の寿司屋に食べに行く」と正直に答えました。

すると「なんでパパとママだけで行くの!?」と怒り出して、黙り込んでしまいました。

長女はその寿司屋が特別好きなわけではありません。
長女が好きな店には、別の機会に行っています。

私と夫は共に酒好きですが、家族で出かける時はいつも自家用車なので、出先で夫婦で酒を楽しめることはまずありません。
近所にあるその寿司屋に行くときだけが、唯一夫婦で外食と酒を楽しめる機会でした。

週に3回、長女の送迎をするために私は一日あたり2時間運転をします。
片道30分の時間をかけて送り届けて一度帰宅し、迎えに行って家に帰るのに2往復するからです。

送迎に限らず長女にはとても手をかけているのに、夫婦でランチに1時間ちょっと出かけて酒を飲むのもダメなのか……と心が毛羽経つのを感じました。

「滅多にない機会なんだから怒らないでよ。ダンスの送迎もあなたが車がいいというから運転しているのに、そうやって黙って『怒ってます』という空気を出されるのは嫌だよ」と言いましたが、相変わらず長女は黙ったまま、泣き始めました。

私に、「寿司屋に行くのは辞める」と言わせたいのはよくわかりました。
これまでの経験から、そう言えばすぐに笑顔になることも分かっています。でも言いたくありませんでした。

「寿司屋に行くのはやめないよ。パパと楽しみにしていたんだから」と言った後に、世間話をしてみましたが、長女は無言を貫きました。

家に着いても長女は不機嫌でした。
風呂に入ろうとせず、夕食にも手をつけずに自室にこもりました。

事態を夫に伝えると、「またか」と呆れ、夫は長女に「なんでお前の要望に全て合わせなければならないんだ」と半ば怒りながら伝えました。

長女が不在のまま、家族で夕食を食べ始めました。
暫くしてやっとリビングに顔を出した長女は、「ダンススタジオに折りたたみ傘を忘れた」と言いました。

折りたたみ傘は宿泊体験の持ち物に含まれていました。
正確にはレインコートか折りたたみ傘があればよく、レインコートを荷物に入れていましたので、折りたたみ傘がなくても問題がありません。降水確率も低く、そもそも雨具の必要性が低い状況でした。

そう伝えると、「レインコートは雨が降って来た時にすぐに着られない。折りたたみ傘を必ず持っていきたい」と主張しました。

その晩に折りたたみ傘を取りに戻るには、時間が遅すぎました。
傘を取りに行くなら、翌日の、私と夫が寿司屋に行くその日に、車を運転して取りに行く必要がありました。

スタジオは午後にならないと空きません。
つまり楽しみにしていた夫婦で酒を飲むことを、諦めなければなりませんでした。

私は「次女の折りたたみ傘を借りたら?」と提案しましたが、長女は「自分の傘が気に入っている。絶対にあれを持っていきたい」と言いました。

「ママもパパもお酒を飲むから取りに行けないよ。どうしてもその傘がいいなら、明日自分でバスと電車を乗り継いで取りに行っておいで」と言いました。宿泊体験の前日は午前中で授業が終わることもあり、明るい時間に取りに行って帰ることができるのです。

そうはいったものの、子どもが要望しているのに「酒を飲むから無理」と親が断っていいものなのかと、罪悪感に苛まれました。

子どものわがままと、親としての努め

楽しみにしていた、数か月越しの夫とのお出かけ。
かたや、長女の希望……。

長女が寝付いたあとに、私は夫に「明日は私は酒を飲むのをやめるね。それで車で傘を取りに行こうと思う」と伝えました。夫は「寿司屋の予約をキャンセルしようか。それか俺が飲むのやめて、長女と傘を取りに行くよ」と言ってくれました。

こんな話をしながらも、代用が効くものを敢えて取りに行きたいと言い張る長女を優先する必要が本当にあるのか、グルグルと考え続けました。

翌朝、長女に改めて確認しましたが、「絶対に自分の傘を宿泊体験に持っていきたい」と改めて言われました。
敢えて私は、「自分で傘を取りに行っておいで」と言いました。

すると長女は自分のスマートフォンで、バスや電車の時間を調べ出しました。

検索結果を逐一私に見せて、どれに乗ったらいいかを聞いてきました。
経路は難しくありませんので、どれに乗っても同じです。

まるで長女は「仕方がないから今日寿司屋にはいかない。酒も当然飲まない。だから長女が学校から帰ったら、車で取りに行こう」と言われるのを期待しているように感じられました。でも本当にそう思っているかの確信はありません。

「学校から帰ったら、傘を取りに行くから!」と言い残し、長女は学校に行きました。

迷う親心

私と夫は寿司屋に向かって歩きながら、まだ酒を飲むか飲まないかの話しをしていました。

せっかくのお出かけで、滅多にない機会です。楽しみにしていたのに酒が飲めないのは悲しいという思いが共通していました。
そこで夫婦共に酒を楽しみ、長女が帰宅したときにやはり傘を取りに行きたいと言ったら、夫が長女と一緒に電車に乗って取りに行くことにしました。夫の提案です。

長女はメンバーと一緒に電車で行ったことは何度もあり、行き方がわかっていますが、一人で行くのは初めてであること、私にも夫にも“親なのに飲酒する”という後ろめたさがあったため、“長女と一緒に電車で取りに行く”ことで決着をつけました。

夫と久しぶりに外で飲む酒は、とても美味しくて楽しい時間でした。

満足して帰宅して少しすると、長女が帰宅しました。

長女は家で昼食が食べられた痕跡がないことを確認すると、「寿司屋に行ったんだね」と言いました。

夫が長女の気持ちを確認するべく敢えて「傘は次女のを借りて持っていったら?」と聞くと、驚くほどあっさりと「うん。そうする」と長女が答えました。

まるでそうすることが決まっているかのようでした。

娘の失敗と親の驚き

帰宅した次女に、長女に折りたたみ傘を貸してほしいと声をかけると、次女は、「うん。昨日の夜に、長女から貸してって言われてるよ」とあっけらかんと答えました。

長女は昨晩から今朝まで、ずっと私に「傘を取りに行きたいから車を出して」と暗に求めていました。
それは「寿司屋に行かないで」というメッセージだと感じていたのですが、昨晩既に長女は、次女に傘を貸してほしいと頼んでいたのです。

つまり元から長女は、バスや電車を使い、自分で傘を取りに行くことなど毛頭なかったという事になります。
長女は私と夫が寿司屋に行くのを止めたいがために傘を取りに行くと言い張り、それが叶わない時には次女の傘を借りようと最初から決めていたのです。

寿司屋に行くのを阻止したいのは、単に気に食わないからでしょう。

私と夫が悩んだ時間はなんだったのか。

長女がこんな手法を使い私がそれに翻弄されるという事は、私が長女に甘すぎるという現れなのか、子育てとはそもそも親子の知恵比べなのかとグルグルと思考が巡りました。

いやいや、長女が策士なのはわかっているが、親である私が被害妄想に取り付かれているようではいけない。
穿った見方をして子どもを疑うようではダメだ。

そう思った私は、長女に聞いてみました。

「次女に傘貸してって前から言ってたらしいね。本当はバスと電車で取りに行くつもりがなかったんじゃない?」

すると長女はあっさりと「そうだよ」と答えました。

「なんで。そんなに寿司屋に行かれたくなかったの?」
「うん。何かズルいなと思って。でも行っちゃったみたいだからもういい」

長女はにこやかでした。

怖い。

長女が怖い!!
狡猾ささえ感じました。親をこんな言い方でコントロールしようとするものでしょうか?

これが子育てというものなのか、長女が特殊なのか、私が親として未熟すぎるのか、考えさせられる一件でした。

子育て中の皆さん、共に頑張りましょう。
乾杯!

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