「親ガチャハズレと言うのは中流層」に納得した話・メッセンジャー黒田氏の発言を考える

メッセンジャー黒田さんがある番組にて、「親ガチャハズレと言うのは中流層」と発言されました。

インパクトが強いこの言葉に、もしかしたら反感を覚える方がいるかもしれません。

私は黒田さんの言葉をネットの記事で読み、後追いをして番組を見ました。
そして、黒田さんの発言の前後を知り、とても納得をしました。

私は、親との関係に悩んで育ちました。

自身の経験に当てはめて、黒田さんの言葉について考えます。

〝親ガチャ論争〟メッセンジャー黒田氏の発言

黒田さんが発言されたのは、ABEMAで放映された「NewsBAR橋下〝親ガチャ論争〟貧困家庭出身の本音」でのことです。

「親ガチャ」について番組内ではこう説明されています。(要約)

子どもは親を選ぶことができないため、どんな親や境遇で生まれてくるか「運で左右される」ことをカプセルトイ(通称ガチャガチャ)に例えて「親ガチャ」と称した言葉

「親ガチャ」という言葉をどう思うか問われた黒田さんは、「教育問題ではないか」と切り出しました。

そして以下の持論を展開します。(要約、補足アリ)

・親ガチャのワードを使う子どもを持つ親は、親を尊敬させない親である。
・親ガチャと言う子どもの家庭は、中流層ではないか。
・親がもう少しお金持ちだったら、などの希望があるのが「親ガチャ」
・底辺の貧乏は、親を選べないという不平自体がない。考える余裕がないから。
・親ガチャと言って喜んでいる人は、幸せな人。
・本当に厳しい環境の子どもは言う余裕がない。

黒田さんは非常に貧乏な家庭に育ち、腹を満たすことで頭がいっぱいだったのだそうです。

橋下徹氏は黒田さんに対し、「親が(別の親に)代わってくれたらと思ったことはないか」と問いました。

黒田さんはこう答えました。

・親が違えば、と思わなかったと言えばうそになるが、母親の哀れさを目の当たりにしていた。
・今は酷い貧乏の家庭が少ない。自分の部屋がある家庭が多く、母親の背中を見ていない。
・親が子どもに気を使い過ぎて、哀と怒を見せていない気がする。
・親の不仲など子どもに隠している部分を敏感な子どもは感じて、吸収してしまっているのではないか。(マイナス思考になりやすい)
・行政のサポートが進んでいる今、どの子供もある程度の生活ができるようになっているため、比較しやすくなっている。

親をどう思っていたのかという問いの答えがこちらです。

・親が惨めだった(貧乏だったため)
・母親自身が人生をやり直したいと思っているのが、子ども心にわかった。
・親を選ぶ選ばないより、正義感が先に立った。
・貧乏だったけど、結果としてこの家に生まれてよかったと思っている。

「人間はコンプレックスを持つもの。コンプレックスがバネになることがある。若いうちから平等を言い過ぎるのはよくないのではないか」と黒田さんが語りました。

虐待や貧乏の連鎖が進まないよう、お金がない家庭でも大学進学等の教育が行き届くよう、行政が整える必要があるのではないかと橋下徹氏が結びました。

動画はこちらから無料で見ることができます☟

「親ガチャハズレと言うのは中流層」を考える

黒田さんの言葉に、終始納得しながら観ました。

特に以下の発言です。

人と比べやすい世の中になっており、親は子どもに哀と怒を隠すが子どもは感じてしまう(マイナス思考になりやすい)
大変な境遇の子どもは考える余裕がないから、親ガチャという不平等も感じない。

人生をやり直したいか

時間を戻せるなら、いつに戻りたい? と聞かれることがありますが、私には戻りたいときがありません。

ないと答えると、何でもいいから言ってみてよと言われます。
私は、いつにも戻りたくありません。

実家にいた時はずっと辛かったし、実家を出た後は実家で鬱々としていた気持ちの揺り返しのようなものがあり、精神的に不安定となりました。

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結婚して、子どもが生まれるまで10年以上続きました。

考えて思考を整理して、感情と向き合って、自分を保つのに精一杯でした。
生まれ変わったらとか、親が違ったらなんて考える余裕がありませんでした。

両親は揃っていました。持ち家に住み、奨学金とアルバイトで稼ぎながらではあったものの、大学を卒業させてもらいました。
近所に毎日の激しい夫婦喧嘩を知られていたと思いますが、刑事事件になったことはありません。

弟(両親にとって息子)は一流大学の中でもレベルの高い学部を出ていて、学内で賞をとって学費の一部免除も受けている優秀な子です。経歴を見たら、私は順風満帆な人生と見えるでしょう。

黒田さんはとても経済的に苦労されている家庭に育ち、クラスで唯一ランドセルがなかったと話されていました。

それに比べたら私はとても恵まれています。

しかし辛い時間が長くありました。
さらなる不幸を知らないからだと言われたら、そうかもしれません。

でももう一度、あの閉鎖的な家庭内で起こる精神的ストレスを耐えろと言われたら、耐えられる自信がありません。

他の家庭と比べる余裕がない

黒田さんのいう、「他者と比べやすい世間になっている」からという事もなかったと思います。他の家庭を羨ましいと思ったことがないからです。

たまに両親のいざこざがなくなり、団欒するような空気になると、とても気分が悪くなりました。

これは嘘だ。
またすぐに大変な事態となる。油断するな。

と自分に言い聞かせていました。

案の定、父親の癇癪や母親の喚きが始まると、ホッとしました。
油断しなくてよかったと思うのです。

自分を守ることに精一杯でした。

他の家庭がどうだとか、気にする余裕がありませんでした。

同級生の親に母親の束縛を知られて同情された時も、その家庭が羨ましいと思いませんでした。
思ったのは、誰も私を憐れまないで、という事でした。

どんな家庭にも問題はある

問題がない家庭などあるのでしょうかね。

問題の大小の違いはあると思いますが、大病院に生まれ、医師になって継ぐことを望まれる子どもも気の毒だと思いますし、芸能人の子どもも他者からの目線、干渉があり大変だと思います。

金があって喧嘩がなくて暴力がなくても、干渉する親なら大変です。

余程ひどい虐待をする家庭以外は、日本のどの家庭に生まれても変わらないように思っています。
そこに希望などありません。

だから「親ガチャ」には違和感がありました。
親が変わっても、生き直すのはもう嫌です。

黒田さんが言うように「親が変わって生き直せたら」と希望を持てるのは、それだけの余力がある人や、思考の転換ができる人なのかもしれませんね。

自分の人生は自分で作るしかない

家庭は、人間関係の究極の「るつぼ」です。

特に子どもは逃げられません。
親や境遇が辛いなら、子どもは抜け出す手段を考えなければなりません。

私は安心できる居場所が欲しくて、家庭を持ちました。

育った環境や自分の精神状態が影響するのか、きちんと見定めたつもりで被虐待児で不安定だったり、勝手な男性と付き合うことが多かったです。

なぜか安定している人を好きになれないという問題や、流されるように結婚した後、離婚危機に陥ることもありました。
紆余曲折ありましたが、今はとても幸せです。

理想の家庭、環境は、自分の力で作るしかないのです。

誰かに与えられるものではないのですよね。

……これで自分の子どもに「親ガチャ失敗」と言われていたら、辛いですが。

仮定の親ガチャより教育で子どもを救え

橋下徹氏が、進学等の教育を受けられるように行政を整えるべきと言ったことに、納得しました。

貧困家庭に生まれ、下に兄弟がいることもあり中卒で働きに出た知人(元カレ)がいます。
親に進学を許されませんでした。

境遇を知らない一般家庭の方は、夜学があるとか、奨学金を受ければいいと言いますが、10代のやっと子どもから大人になろうとしている15歳の男子が、働きながら学校に通うのは簡単ではありません。

友達は楽しそうに学校に通っているのに、なんで俺は働かなきゃならないんだと溢す愚痴を、私はただ聞くしかできませんでした。

中卒で起業して成功する人がいますが、ほんの一握りです。
大抵の企業では、学歴が低いと給料が安く設定されてしまいます。

最近は学歴社会ではないと言われていますが、本当にそうでしょうか。
15年前まで中卒で入れた高所得水準のある業界で、複数の会社が募集要項を大卒以上からと変えていました。

教育の機会を与え、世界を広げることは子どもの未来を作ることでもあります。

不平等を呪う「親ガチャ」は幸せな子の発言ではないか、から始まり、不平等なのが社会の当たり前でそれがバネにもなるという黒田氏の発言がありました。しかし、高等教育まで“平等”に受けられる社会にする必要があるという橋本氏の結びにも、一同が納得していました。

どれもこれも納得がいき、面白い番組でした。

興味のある方はご覧になられてはいかがでしょうか。

 

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