「奢ってくれない男は嫌」
「女は化粧で金がかかるんだから、男は奢るべき」
これは私が独身時代に、女友達から度々聞いた話です。
「奢られて当たり前女」の落とし穴
「奢ってくれない男はこういうもの」と彼女たちは言い切りました。
収入が少ない男と結婚したら苦労するのが目に見えている。
収入があっても奢らない男は、彼女を大事にしていないのか、単にケチ。どちらにしろ結婚後苦労するから別れた方がよい。
貯金が全くない男
その彼はデートでかかる大半を出費していました。
彼女にとって、大手の会社に勤め、奢ってくれて、高価な時計やお洒落なスーツを着ている彼は自慢でした。
彼女の給料は多くありませんでしたが、日々の生活費を節約し、20代にしてそれなりの貯金がありました。
彼はたまに「給料日前で厳しい」と話すことがありましたが、年齢も30代でしたし、当然貯金があるだろうと想像していました。
理想通りの指輪をもらい、理想のプロポーズを受けました。
結婚が決まり、結婚式をすることになりました。
互いの親に援助金をもらいましたが、足りない分は自分たちの貯金でカバーすることになりました。
そこで初めて互いの収入や貯金を見せ合いました。
彼は確かに少なくない給料をもらっていましたが、貯金は全くありませんでした。
彼は確かに「貯金はあるよ」と言っていましたが、通帳には10万円も残っていないのです。
彼にとって10万円は余剰金ではなく、貯金に該当するようでした。
彼女は彼氏の金銭感覚に驚き、不安を覚えました。
カードの引き落としに備えるため、彼氏の10万円を口座から降ろすことはできませんでした。
カードで引き落とされる金は、彼女とのデートで使われた金でした。
結局彼氏の貯金を式に充てることはできず、全て彼女が出すことになりました。
「なんで貯金しなかったの?」と彼女が聞くと、「お前に奢ってたろ。他に必要な物を買ったらすぐになくなる」と答えました。
そんな彼は結婚後に彼女が妊娠しても、家計のために給料を使うことを嫌がりました。
沢山の夫婦喧嘩を繰り返し、家計を妻が握ることになりましたが、夫は「結婚で不自由になった」と周囲に愚痴を言っています。
鬼嫁扱いされていることを知った妻は、「こんな落とし穴があるとは思わなかった」と愚痴を言いました。
借金があった風俗店店長
その彼は、風俗店を任されていました。
女性キャストやボーイと上手くコミュニケーションを取り、人の輪の中心にいました。
夜の業界なので、時々非情な対応も取らざるを得ませんでしたが、彼女にはその姿が格好良く見えました。
何より気前がいい男でした。
彼女だけではなく、周囲にもよく奢っていました。
「金は大丈夫なの?」と聞くと、「俺は店長だぞ。稼いでるんだから心配するな。男として当然だ」と言いました。
少しして妊娠したのをきっかけに、結婚をしました。
仕事を辞めて専業主婦になった彼女は、夫と話してクレジットカードを作ることにしました。
小さい子どもを抱えて外出しづらくなった分、通販を利用しようと思ったからでした。
しかし銀行系のクレジットカードはことごとく審査が通りませんでした。
おかしいと思った彼女が彼に訊ねると、「実は借金がある」と白状しました。
多重債務者で、滞納していたのです。
彼女が「ふざけるな!」と怒りをぶつけると、「夜の店の雇われ店長が、稼げるわけねーだろ!」と彼が逆ギレしました。
彼の店はバックに暴力団が居り利益を吸い上げられていたため、給料自体が非常に少なかったのです。
「それならなぜ気前よく奢るんだ」と訊くと、「男は奢らねーと格好悪いだろう」と言いました。
彼にとっての金は、虚栄心を満たすための道具でした。
呆れた彼女は離婚を考えましたが、子どもが産まれたばかりですぐに働くのは難しく、実家にも頼れなかったことから思い留まりました。
そしてこれからの家計を計算しました。
どうやりくりしても、今の夫の職のままでは返済は不可能でした。
彼に「親に頭を下げて借金を立て替えてもらえ。それができるまで帰って来るな」と迫り、家から叩き出しました。
その後転職をさせました。
資格も学歴もない中での転職でしたので転職先でも給料はよくありませんでしたが、「気前よく奢ってしまう衝動」に駆られにくい環境にする必要がありました。
何度も喧嘩を繰り返しながら、借金をしてまで奢ることがどれだけアホなのかを説いて、少しずつ教育をしていきました。
親に借金を立て替えてもらった後、審査が甘くて有名なクレジットカードがあると聞いて試すと、審査に通ることができました。
「あのクソ男。マジで騙されたわ」と彼女は度々愚痴を言っています。
割り勘女
私は言わば、「割り勘」女です。
親の口癖が「お金がない」でしたので、人の金を当てにすることに抵抗がありました。
嵩っているようで、後ろめたさを感じてしまうのです。
そのため、社会人になってからは割り勘か、多く出すようにしていました。
奢られるくらいなら奢る方が、申し訳なさを感じずに済みました。
人前で彼氏を立てるために、私の財布を渡して彼氏に支払いをしてもらうこともありました。
高給取りの上司の奢りも当初は断っていましたので、「管理職手当には部下に奢る金も入っているんだから、素直に奢られろ」と叱られたことがあるほどでした。
本物の高収入男性には、割り勘女は嫌われます
私はまた極端だったのですが、振り返ると「金で主導権を握られたくない」という思いもあったように思います。
奢る男性の中には、女性を集らせて釣るために、金を餌に使う人がいました。
奢る男の下心
優位に立ちたい男
シングルマザーの友人が付き合った彼は、毎回必ずデート代の全額を出してくれました。
彼女は「大切にされている」と感じました。
彼は自分の年収を告げ、彼女と子どもを支えると言いました。
二人はその後結婚をしました。
彼女も仕事をしていましたが、彼よりずっと低い給料でした。
生活費は折半で、旅行代や外食費を彼が追加で出してくれましたが、彼女はあまり余裕がありませんでした。
彼の子どもを妊娠してからは収入がなくなり、彼に生活費をもらいましたが、何かにつけ出し渋るので肩身の狭い思いをしました。
しかし子連れでの再婚でしたので、多くを求めませんでした。
家を建てることになり、彼がローンを組みました。
家の名義は彼だけでしたので、自然とローン全額を彼が支払うことになりました。
家の壁紙を選ぶことができましたが、数千円の追加料金の支払いも嫌がったため、彼女の理想の家にはなりませんでした。
家が建ってすぐに、彼の不倫が発覚します。
離婚をされたくないのであれば家計の管理を渡せと求めると、彼はしぶしぶ応じました。
不倫相手にも奢り、余裕のある収入をチラつかせて、頼りがいがあるように見せかけていたことがわかりました。
彼にとって平均を大幅に上回る年収は、男としての武器であり、女性を釣るための道具でした。
奢る男の目的
私が男性ばかりの職場に勤めていた頃の話しです。
よく奢ろうとする男性もいれば、奢らない男性もいました。
奢ろうとする男性はやはり年齢が高い場合が多かったです。
単に年収が高い割合が多いということもありますし、バブル期を経験している世代は特に「奢ってこそ男」「金を出せない男は格好悪い」というイメージが強いようでした。
逆に若い男性は割り勘派が多く、奢りたがる男性は一部に限られました。
割り勘派は、「奢らなきゃいけない意味が分からない」と言いました。働く女性が増え、給料の差が縮まって来ていましたし、不景気で給料が上がりにくい状況ですので、奢る意味が分からないのも当然です。
奢りたがる男性は「奢っていい思いをさせて、その後いただく」と笑顔で言い切りました。
いただくとは、一夜限りの関係を求めるということです。
奢らずに一夜の関係に行きつくのは大変ですが、気前よく奢って煽てて、いい気分にさせると成功率が上がるのだと言います。
しかしその後の付き合いに発展することはほとんどないのだとか。
「奢るんだから対価を求めるのは当然でしょ。奢られて自分だけいい思いをして帰宅する女はどうかと思うし、かと言ってホイホイついてくる女も彼女にはしたくない。支払い時に払おうとしない女は嫌」と言いました。
奢らない男はケチなのか
ある職場の先輩男性と後輩女性が結婚をしました。
彼は飲みに行った先で、財布を出そうとしないことで有名でした。
酒を飲むと、支払いをすることを忘れるようです。
そのためその彼と飲みに行った人は、高確率で全額を出すことになりました。
或いは半額出してとせっつくと、思い出したように出してくれました。
周囲も彼女も「もしかして彼はケチなのか?」と思いましたが、彼女は彼の人柄の良さに惹かれて結婚をしました。
結婚後、彼は家計をあっさり彼女に任せました。
彼女が睨んでいた通り、彼はたんまりと貯金をしていました。
支払いをしないのは、単に酒の力でのほほんとしていたら時が過ぎてしまった、というだけのことでした。
結婚後も彼は度々職場の仲間と飲みに行きましたが、のほほんと支払いを逃れることが多いため、家計の負担にならずに済んでいるとのことです。
……職場の飲み仲間にとってそれでいいのかは不明ですが、家計は平和とのことでした。
収入≠金の使い方
私は割り勘派の夫と結婚しました。
結婚が決まってから収入がよいことを知らされて感心しましたが、その後、知人に騙されて借金があることもカミングアウトされて、
となりました。
結婚後に私の貯金などで完済しましたが、大金を失いました。
色んな例がありますね。
稼いでいる額を、奢るかどうかで判断するのは危険です。
大手企業だからと言って高収入とは限りませんし、身なりがいいからと言って高収入とも限りません。
また高収入であっても、入った分だけ使う男性と結婚すると苦労します。
ご注意ください。
夫の風俗が発覚し、大揉めに揉めた経験があります。パチンコ中毒に陥ったのちに、風俗やキャバクラ通いに発展していました。中毒期間に家族を蔑ろにしていたことが、悔しくて悲しくてたまりませんでした。その上、金の使い込みや風俗(ソ[…]
男性ばかりの職場に勤めていたころ、家庭ののろけを聞くことがよくありました。世の中の妻たちは、夫のそんな姿を知らないのだろうと、もったいなく感じます。しかし同時に、大抵の女性が嫌がる風俗の利用についてもよく聞くことになりました。昨[…]
信頼していてた夫や妻に裏切られた時、足元から世界が崩れ、アイデンティティの崩壊を招きます。楽しかった思い出が嘘に感じ、怒り憎しみ喪失感や寂しさに襲われます。踏みにじられた尊厳を取り戻すために自分の価値を確認しようとしたり、辛い状[…]