離婚しない理由「離婚しなよ」がストレス

「子どもために離婚しない」と言いながら割り切れず、辛い思いをしている友人がいます。
八方ふさがりな話しを聞くたびに、精神がおかしくなってしまうのではと心配で、離婚を勧めてきました。

しかしある人のブログにこんな記載がありました。

「なんで離婚しないの。」と言われると腹が立つ。
他人事だから簡単に言えるのだ。
簡単に離婚ができるなら結婚していない。
離婚しなよと言われるたびに追い詰められる。
だから誰にも相談できない。

私は友人を追い詰めているのかもしれません。

離婚を選ばない理由と、友人として何ができるのか考えます。

離婚しない理由

経済的不安

子どもがいる場合に特に問題となるのが経済的不安です。

公立の学校であっても、制服や部活動費、塾代とバカになりません。
子どもが複数いる場合は、給食費や諸経費だけで月に万単位の出費となります。

夫婦ともに居れば成り立つ生活も、別れて暮らせば経費が増すため子どもに出せる金額に影響が出ることがあります。

【感想】
確かに経済的問題は非常に大きいです。
女性の方が出世しにくく、収入が伸びにくい社会です。
子ども連れで離婚する場合には、ネックとなります。

離婚経験のある男性が、前妻の元にいる子どものために養育費を払い続けている話しをすると「払わなくなる人も多いと言うのに、偉いね。」と言われることも。
イヤイヤ、偉いんじゃなくて当たり前だから。
逃げ得なんておかしい。こう言われて久しいのに、未だに養育費の強制徴収が法制化されません。おかしな社会です。

世間体

近所の目、子どもの保護者の目、親戚の目、友人たちの目、職場の目が変わるのではないかと言う恐怖心が生まれることがあります。

同情心で見られることも、興味本位で聴かれることも精神的負担となります。

【感想】
ある友人が夫の不倫でボロボロに傷ついて離婚しました。しばらくして新しく彼氏ができました。
離婚で傷つきすぎて疲れていた彼女は、既婚者ばかりの友人たちに離婚したことを報告していませんでした。
偶然街で友人たちと会った時に、彼氏を不倫相手と誤解されたかもしれないと焦り、周囲にどう伝えたらいいかと相談されたことがありました。

私の共通の友人たちでしたので、彼女立ち合いのもと、離婚理由(元夫の不倫)からボロボロになって別れたことを掻い摘んで話し、彼氏との出会いや人柄についても話す場を設けました。
友人たちは驚いたものの、特に抵抗なく受け入れていました。

当初は、自分からさらっと話してしまえばいいんじゃないの、と彼女に伝えたのですが、離婚やその後の彼氏をよく思わない人もいる、と本人は怖がっていました。
心が散々傷ついた後は、もう傷つきたくないと防衛本能が働き、敏感になります。そんな時に周囲に気を遣うのは、辛いですね。

しかし普段から関係を築けていれば、責めたり偏見を持つことは少ないように思います。理想論でしょうか?

社会的信用を失わないため

勤める会社によっては妻帯者になると「職を辞めないだろう。」と、責任ある職を任されやすくなり、出世街道に乗る場合があります。
出世を手放さないために離婚を避ける場合があります。

【感想】
正直一昔前の体制の会社です。
結婚したと見るや否や、転勤を言い渡す会社によくあるスタイルです。
ずっと独身だと人間性に問題があると判断するなど、見方が浅い。
早いところ廃れてほしい風潮です。

片親の偏見を避けるため

片親だからしっかり育てられなかった、と子どもが偏見の目にさらされることがあります。

父親しかいないから手作りグッズは作れないと決めつけられたり、母親しかいないから乱暴な子になるんだ、と言われるなど。

【感想】
母親がいたって裁縫できなかったり(我が家)、両親が揃っていたって乱暴な子はいます。
経済的な問題を抱えている母子家庭は多いとは思いますが、全てではありませんし、離婚しないから余計に困窮する家もあります。(散財癖のある夫がいるなど)

片親だからどうこうっていう人達は、もう10年もすれば亡くなっていく年齢ではないでしょうか。古い。離婚するからこそ守れるものもあると、広く知られてほしいです。

子どもの環境を変えないため

思春期の子どもの精神的影響が心配される場合や、発達障がいを抱えていたり、敏感な性質の子がいて変化に弱いなど、環境を変えないよう努めている場合があります。

【感想】
まさに「子どものために離婚しない」という例です。
両親の喧嘩や冷めきった関係を目の当たりにすることで、子どもが傷つくことがありますが、お母さん(仮定)は自分をすり減らして頑張っているということです。
紛れもない子どもへの愛ゆえとも言えます。

慰謝料、養育費が支払われるか不安

離婚後年収が減るケースが多いため、子どものために養育費は必ず確保しておきたい収入です。

しかし約束を守られなそうという心配から、離婚に踏み込めない場合があります。

公正証書を作ってから離婚する方がいいと知ってはいても、手続きに費用が発生し、夫婦の意見を一致させ、原則二人で公正役場に出向くという高いハードルがあります。
口約束のみで離婚し、あっという間に支払われなくなることが少なくありません。
子どもにとって「離れて暮らす親に愛されている実感」が形となって見えるのが養育費です。支払いがなくなることで、さらに子どもや自分が傷つくことを恐れることがあります。


【感想】
離婚届けを出すのと同時に、役所で公正証書同様の手続きができたらいいのですが、なんでこうも面倒な手続きばかりなのでしょうか。

受け取る養育費の総額に対し、かかる費用も変わります。
お金を使い込む困った伴侶と離婚するなど、今まさに余裕がない家庭はまず公正証書を作ろうとは思いません。
離婚前に余裕がない家庭はそもそも養育費を払う能力がない、と国は考えているのでしょうか。
稼ぎはあるのに、ギャンブルや酒や女などで食いつぶす人もいますから、給料から天引きなどにして、自動的に振り込まれるようになってほしいと思います。

マイナンバーに口座を紐づける案が出ていますが、養育費の強制徴収にも役立てるよう考えてもらいたいものです。

身勝手な理由を許せない

自由になりたい、遊びたい、自分の稼いだ金は自分だけで使いたいという伴侶の離婚希望に納得できず、拒み続ける場合があります。

【感想】
ふざけるな、思い通りになるものかと思って当然です。

伴侶の再婚を阻止するため

不倫し、離婚し、相手と新しい家庭を築こうとする伴侶に納得できず、離婚を拒む場合があります。

【感想】
そもそも不倫は心の殺人です。目に見えないことをいいことに、人を傷つけまくっておいて、幸せになるなんて許されていいのか?
抵抗して気が晴れるのならいいと思います。しかし晴れるより前に、心がズタズタに傷ついていそうで、心配でもあります。

愛情があるから離したくない

夫婦関係はうまくいかなくても、好きだから離れたくないと、離婚を拒む場合があります。

【感想】
何も言えることはありません。傷ついても一緒にいたいなら、それでいいと思います。

情があり、楽しかった時を失うようで怖い

今は上手くいかないけど、楽しかった日々まで失うようで離婚を拒む場合があります。

【感想】
離婚は「死んでほしい」と思うくらい心底憎まないとできない、という理由はここにあるのでしょうか。
若くして結婚し、若くして離婚した友人は、離婚後の方が夫と仲が良くなったと言っています。
近所に住み、子どもの世話を協力して見ているのだとか。
彼女は「完全に嫌いになる前に別れた。でももっと堪えて、離婚しなければよかったのかも。」と言っていました。
離婚してから復縁する夫婦もいます。
何が最良かは夫婦によりけりですね。

心が傷つき億劫、環境の変化に恐怖心

心が傷つきすぎて物事の判断がつかなくなり、環境の変化を恐れて離婚を拒む場合があります。

【感想】
強烈なストレスに晒されることで現れる反応です。
離婚してもしなくても、そのままだと鬱等に進行する可能性があります。

大きな決断を避け、ストレスの原因である伴侶から離れ、安らげる場で暮らし、感情を安定させることが先決ではないでしょうか。

揉めて離婚する場合、多くの場合この状態に陥るように感じます。

鬱など病気の発症

心の傷が進行し、鬱に陥り、判断能力がない状況で離婚を拒む場合があります。

【感想】
上記同様、多くの場合鬱状態かその一歩手前まで行くように思います。
それだけ大きいストレスと言うことです。
大きい決断をするには適さない時期です。公正証書が作れない理由も関係しているかも知れません。

伴侶の気持ちが戻ってくるかもしれないという希望

伴侶に愛情があったり良い思い出が残っていると、希望にすがりやすくなる場合があります。

【感想】
戻ってきても信じられなそうだけど、何年も待ち続けて、そのまま添い遂げる夫婦がいます。報われるか傷つくか、未来がわからないのが怖いです。

寂しい、不安などから一人になりたくない

一人身に(子連れであっても)なることに抵抗がある場合があります。

【感想】
依存しています。依存度合いによりますが、判断能力を奪いますので、健全な関係とは言えません。一度別居等で離れてみることを勧めます。

存在価値が下げられたようで納得がいかない

伴侶に離婚を迫られている場合、伴侶の中で自分の価値が下げられたように感じ、受け入れられない場合があります。

【感想】
何で結婚したんだよ、と納得できないのは当然です。
しかし今後優先順位が上がるのは、伴侶が介護状態になってあなたに頼らざるを得なくなったときでしょうか。

定年など、伴侶が一番嫌うタイミングを待つため

団塊世代に流行った離婚方法です。
子どもが巣立ち、多くは夫が定年を迎えて妻や家を省みた時に去ることで、寂しさを味合わせ後悔させる方法です。

【感想】
経済的問題や子どもの問題などをクリアして別れるのはいい方法です。
それまでさんざん耐えてきて、いざその時になったら別れるのが面倒になってそのまま添い遂げることもあるでしょう。
好き勝手した夫(仮)は何も痛い目を見ずに一生を送るのか、と思ったら釈然としませんが、それもまた人生でしょうか。

友人としてできること

離婚しない理由を書いていて、正解がない問題がいくつもありました。

「なんで離婚しないの。」と言われて腹が立つ、離婚しなよと言われるたびに追い詰められる意味が分かりました。

わかっていたつもりであまりわかっていませんでした。


離婚した方がいいのでは、と言うと若干怒るのに、相談してきてくれる友人は、私のどんな言葉を求めているのでしょうか。

黙って聞き役に徹するべきでしょうか。
あまりに辛そうで、ただ聞いているだけでは彼女が押しつぶされるのを黙って見過ごすような気になります。


離婚を恐れ、精神的に病んで子どもに当たる人も知っています。

黙って聞き役に徹し、見守る。
これが最良の形でしょうか。


難しい。

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