日本人と外国出身者の仕事・家族の考え方の違い

家族で付き合いのある外国出身者の方がいます。
彼は職場で配置換えがあり、不満を会社に訴えていました。

また別の外国出身夫婦の旦那さんにも共通する行動が見られました。

彼らの考え方、行動に気付かされたことについて記します。

会社への不満の伝え方


会社に不満があるとき、自信を持って会社に訴えることができる人はどれだけいるでしょうか。



私は新卒で地方都市のレストランウエディング経営会社に就職しました。

口頭で募集要項に記載された基本給を約束されており、書面での提示はありませんでした。
当時私は、書面で確約を取らなければ守られないことがあることを知りませんでした。

使用期間が終わっても最低基本給や社会保険が守られず、改善を求めても守られなかったため転職しました。

労働基準局に相談しましたが、同様の訴えが多くの会社で起きており、数百人規模の訴えがなければすぐには動けないと言われ、諦めました。

転職先のウエディング会社でも入社してすぐに条件を変えると一方的に伝えられ、即退社しています。



その後東京のイベント会社に転職しました。
初めて社内規約が個人に配られ、雇用契約のサインを求められ、条件が守られました。

仕事に対して条件を守って給金を受け取れることは当たり前ではなく、雇用側と労働側が対等ではないことを痛感しました。

外国人パパAのケース


ある外国出身夫婦の家に遊びに行った際、旦那さん(A)が会社の不満を上司にしっかり伝えていると聞きました。

Aは日本の大企業に勤めています。

男性が多い職場で、勤務時間について不満を持っているのに、陰で言うだけで会社に伝えようとしない日本人の同僚に疑問を持っていました。

影で言うだけでは解決にならないのにね。

雇用主の権限が強いから、不利な扱いを受けたくないんだよ。
そんなに会社に苦言を呈して、大丈夫なの?

上司も日本人だからね。
俺は外国人だから、色々言うのは「仕方ない」と思ってるみたい。

日本人が言うのはダメだけど、外国人が言うのはOKってこと!?

そうみたいだね。だから日本の同僚の不満も合わせて言うようにしてるよ。

なんだそりゃ!?

外国人の言うことは聞くけど、日本人は我慢しろってこと?
おかしな話だね。

俺が言ったところで何かが変わるわけじゃないから、外国人には言わせておけって感じなのかも。
でも言えるか、心にため込むかは大きな違いがあるよね。

不満があるなら会社を辞めろって言われたらどうするの?

労働者の環境が良くならなきゃ、生産性が落ちるし人も離れていくよ。
自分のためもあるけど、会社のためにもなる、当たり前のことを言っている。
それで辞めろっておかしいでしょ。
解雇の理由にならないし、こちらには権利があるから辞めろと言われたら戦うよ。

逞しい!


私が三番目に入った会社は給料体制がしっかりしていて、やりがいもあったので長く勤めました。
男性ばかりの職場で女性が少なく、私は意見が言いやすい立場にありました。
男性に嫌われたとしても気にならなかったからです。同性に嫌われる方が面倒が多いので、子どもの保護者間で意見する方が気を使いました。


会社の反応は、「これだから女はうるさい。」でした。

飲みの場や管理職がいない場所で愚痴ばかり言い、直接会社に求めない男性社員の言葉を言っただけでしたが、「女は好き勝手言えていいよな。」と思われていました。


外国人パパAの「外国人だから言える」と共通するように感じました。

日本人男性が会社に弱い理由


日本人男性が会社に意見を言えない理由を考えました。

〇 “耐えてこそ美徳”という古い価値観が根付いている。
〇 事を荒立てる人を嫌う文化を恐れている。
〇 意見=文句と捉え、文句を言うのは格好悪いと避けている。
〇 仕事はできても、心情面の話し合いや交渉が下手。
〇 給与や雇用、仕事に圧力がかかることを恐れている。
〇 新卒雇用が未だに根強く、転職は給与が落ちることも多いため、大黒柱として耐えなければならないと思っている。


私は男性ばかりの会社に長く勤めました。その時の印象が☝これです。

女性ばかりの世界は陰湿で大変だと聞きますが、男性ばかりの世界も厄介でした。
男女混ざるのがバランスがいいと思ったものです。

会社のストレスは会社で解決するべきなのに、ストレスを溜めて家に帰って、家族との時間が楽しくなくなるのはおかしいでしょ?

なるほど。


外国人パパBのケース


家族で付き合いのある、外国出身のパパB(奥さんが日本人)の会社も男性ばかりです。少し前に社内で配置換えがありました。
新しい職種は人間関係がギスギスしていて、非常にストレスが溜まったと言います。

みんな悪口を陰で言い合ってる。文句があるなら直接言えばいいのに、陰険!

男ばかりの職場も大変だよね。

ストレス溜まっちゃって、配置を戻してくれって会社に言ったの。
仕事自体はいいんだけど、人間がダメ。
戻してくれないなら、辞めるって言った。

え、でも辞めちゃったら生活大変じゃない?
奥さん働いてるけど、厳しくなるよね。(旦那さんが高給取りです)
せめて次の会社決めてからじゃないと……。

何言ってんの!?
仕事してたら転職活動なんてできないよ。

は、白熱している……。

だけど住宅ローンとか子どもたちもいるし、次の仕事を決めてからじゃないと生活大変だよね。(住宅ローンやお金の話をしてきた関係です)

勢いで退職したら奥さんが辛くなると思い、お節介なことを言ってしまいました。

家族のために辞めるんだよ!
俺が仕事でストレス溜めて家に帰って、家族が暗い気持ちになったら、家族のためにならないでしょ!?
家族が幸せになるために働くんだから。

家族みんなが笑顔にならないなら、そんな会社に居たらダメだよ!

!!

衝撃を受けました。

家族を守るために


我慢をし続けて体を崩すようなら転職するべきだと思います。
しかしどの会社に行っても、自分で起業したとしても、不満や不安は何かしら抱くでしょう。

収入や勤務時間や自分の能力、年齢等を天秤にかけて選択をするものだと思っていました。



家族のためなら“自分が我慢する”という感覚が日本人には根強いように思います。
そういうものだ、それでいいと思いがちです。


私の中の凝り固まった先入観に気が付きました。

外国出身パパABは共通して、自分だけが犠牲になることを良しとしませんでした。
自分も含めて家族みんなが幸せになることを目標としていました。



無理をして我慢しても、家族のために自分が犠牲になる不満が、家族に向かうことが少なくないように思います。その結果が亭主関白(悪い意味で)やモラハラに繋がります。
結果的に家族の幸せにはならず、本末転倒です。


本当に守りたいものは何なのか、ABの判断基準が世間体や生活レベルでなく、心にあることに感動しました。


とはいえ、海外とは子どもにかかる金額が違いますし(国によりますが)、やはりお金がないと精神的に追い詰められることがありますので、すぐに「会社を辞めよう!」と踏み切れないことが多くあるのではないでしょうか。



ABは今も同じ会社で働いています。


Bについては、会社への要望を継続して出しています。
配置をすぐに変えることはできないが、検討すると返答を得ています。

今後どうなるのかはわかりませんが、冷静に状況を見て今後を考えている姿勢に感動しました。

家庭は逃げ場


私の夫は人に意見することが苦手です。
会社ではひたすら耐えてしまいがちです。


第一子を出産してすぐ、職場で問題視されていた方に集中的に責められることがあり、酷く落ち込みました。

仕事を辞めたいと言ったらどうする?


その時私は体調を崩し、仕事を辞めていました。
子どもも産まれたばかりで、中古で買った家のローンがありました。

私が社会復帰するまで待ってほしい。ゴメン。



「辞めていい」と言えなかったことを、後悔しています。
夫にだけ辛い思いをさせてしまいました。

その後夫とたくさん話し、夫は意を決して、会社に当該者と距離を取りたいと求めました。
会社が状況を把握していたこともあり、希望が通ったことでストレスが解消されました。

それ以来一度も会社を辞めたいと言ったことはありません。
むしろこの会社に入ってよかったと言いますので、結果的に辞めなくてよかったのですが、結果論です。




外国出身の旦那さんの話を聞いて、家族の幸せとは、誰かの犠牲の上に立っていてはいけないのだと改めて思いました。


安らげるはずの家庭の維持のために、追い詰められることがあってはいけません。



会社の犠牲にならないためには夫婦ともに働いている方が、リスクが少ないのは確かです。
しかしABは当時専業主婦だった奥さんがいても、旦那さんが台所に立ったり掃除をしたり、子どもの送迎や遊び相手をしていました。

外食やテイクアウトも積極的にしていて、奥さんの負担が少なく、旦那さんへの愛情が高まる要因となっていました。
そして家事が自分に偏らないことを知っている奥さんは、積極的に働きに出るようになりました。


そういった相乗効果が安らげる家庭を作るのだと学びました。




家庭ごとに正解の形は違いますが、学ぶことが多くある一件でした。







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