【作文の書き方】小学生に勧める方法

何を書いたらいいかわからない。
どうやって書き出したらいいかわからない。


そういうお子さんは多いようです。

例に漏れず我が家の長女も「作文苦手。」と言い出して、原稿用紙を前に膨れっ面をしていました。

試して効果的だった「作文が苦でなくなる方法」についてお知らせします。

テーマを決める


小学校から出されたお題が「夏休みの思い出」だったとします。

〇 印象深かったある一日にスポットを当てた作文
〇 夏休み全体を通し総括的に見た作文

大きく二種をテーマにすることができます。

「夏休みの間に思い出に残っている日はいつだった?」と聞いて特定の日が挙げられたらその日をテーマとし、「あの日も、あの日も楽しかった!」とたくさん上がるようであれば、総括的な作文とすると書きやすいと思います。

いずれもテーマとする内容は「楽しかった、悲しかった、悔しかった。」など、感情の記憶が濃いものがお勧めです。

感情の記憶がないと、事実の羅列になり、起伏がなく面白みに欠ける文章になりやすいためです。

内容の候補を書き出す


我が家の長女の場合は動物園に行った日が挙げられました。しかし、

楽しかったけど、何が楽しかったのかわからない。

と言います。

なるほど。じゃあ、順番に思い出してみようか。

スケッチブックを出し、書き出すことにしました。

マインドマップ


書き出し方はマインドマップとしました。

マインドマップとは、頭の中にある情報を芋ずる式に書き出し、視覚的に捉えて整理する方法です。

書き方は大きめの紙などの中心にテーマを書き、そこから連想するものを線で繋いで書き出していきます。

昔流行った、「マジカルバナナ」の文字版でしょうか。
「〇〇と言ったら○○」というように、連想されるものを書き出していきます。

マインドマップを書き出す


長女が挙げたのは「友達と動物園に行った日」でした。※2019年の話しです。

スケッチブックの中心に動物園と書きました。

動物園で何があった?

わかんない。動物がいた。

どんな動物がいた?

……鳥? あんまり覚えてない。

ガクッ!!(膝から崩れ落ちる感覚)

大丈夫なのか、我が娘。
楽しかったと言う割に、全然覚えてないじゃないか!!

若干の焦りを感じましたが、最初から順を追って思い出してみることにしました。

動物園に行った日のことを最初から思い出してみよう。


その日の朝から、何をしたかを書き出してみました。

バスで行った
  ↓
どんなバスだった?
  ↓
大きいバスだった
  ↓
目線が高くて、他の車を上から見た
  ↓
 ……。

特に思い出すことがなくなったらそこでおしまいです。

次の行動の書き出しに移ります。

段々と思い出してきたようで、長女が自ら書き出し始めました。

思い出せなくなったときは、

白熊は見た? お弁当はどこで食べたの?

と少しヒントを出すと、途端に思い出すことがあるようです。

こんなマインドマップが出来上がりました。

内容を決める


小学校低学年であれば、出来事を羅列するだけでもいいと個人的に思っています。

「文章が書けない。」という苦手意識を持たせないことが重要だと考えました。

文章が思いつかない、下手だと思っているときに、「もっと掘り下げて」「発展的に連想して書いて」と言われても、混乱してしまい、益々苦手意識を持ちかねません。


書くことに慣れてくれば、「自分は文章が書ける」という自信に繋がります。

自信が持てるようになれば、「もっと上手くなりたい」という挑戦心に繋がりやすくなると考えました。

マインドマップを見ながら、原稿用紙の文字数に合わせて羅列してみたら

羅列するだけで原稿用紙がいっぱいになってもいいやと思い、そう声をかけました。

スケッチブックに文章を下書きをするよう勧めます。
ぶっつけ本番で原稿用紙に書くと、書き直すときに「綺麗に消せない」などと癇癪を起し面倒なことになるからです。

羅列すると文字数がいっぱいになってしまうことに、長女が気が付きました。

書ききれなかった。

内容を絞ろう。特に人に伝えたいことは何?

うーん……。

改めて聞かれると、悩んでしまいました。

じゃあ、ママに動物園で楽しかったことを話して教えて。

友達のサルのモノマネがすっごく面白かったんだよ。
お弁当が美味しかったけど、他の動物も見たくて急いで食べたんだ。
ゾウがご飯を食べていて、長い鼻にリンゴが吸い付くみたいだった。
私に長い鼻があったら何ができるかなって考えたら面白かった。

それだよ、それ!!

それを書いたらいいと思うよ!

内容を決めるためのステップ


作文を書こうと原稿用紙を前にしたときには、「動物園が楽しかった」という思い出だけで、具体的な内容が全く出てきませんでした。

しかしマインドマップを作ったことで、記憶が蘇り、具体的なエピソードを思い出しました。

書く内容を絞る際、「何を一番伝えたいか」と言葉で聞かれても分からない場合は、「ママに教えて」など「伝える相手」を具体的に設けることで「伝えたいこと」が明確になる場合があります。

掘り下げる


マインドマップが功を奏し、長女がこんなものを作っていました。

ゾウから発展し、想像したことを書いていました。

まさに発想の発展でした。

作文に発展を書き込むことで、より面白みが膨らみます。

これも書いたらいいんじゃない?
面白いと思うよ。

そうなの? じゃあ書く!

褒められると嬉々として書き出しました。

動物園に行きましたから始まり、ゾウの鼻の水浴びで虹が出る中、妹たちと遊びたいと思ったこと。帰りのバスは朝と違い静かだったこと、楽しかったことがつづられました。

下書きを見直す


「わたしは」が一つの文章に二度出て来る、デスマス調が統一されていないなど、文章がおかしい箇所がいくつかありました。

自分で気づいてほしいと思い、

文章で少しおかしいところがあるから、見返してみな。

と言いましたが、見返した長女が一言。

おかしくないよ!

ガクッ!(二度目)

黙読しただけでは気づかないようです。

声に出して読んでみな。

わたしはお弁当を急いで食べて、わたしは……あ! えへへ。

声に出すとよくわかるようです。

そうして直した文章を原稿用紙に書いて終わりました。

意識の変化


この一件以来、「作文苦手」から「作文得意」と言うように変わりました。

小学生はちょっとしたきっかけで気持ちが変わるのだと感心しました。

文章が劇的に上手くなったわけではありませんが、苦手意識を脱したことは大きな一歩だと思います。


作文が苦手なお子さんに是非お試しください。

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