あなたがいるから離婚できなかった。と言われて育った私が結婚し、親になり、親の気持ちと子どもの気持ち、離婚に悩む親を見守る立場も経験しました。
「離婚するべき」「我慢して家庭を続けるべき」の結論を求めるのではなく、子どものためと言われた子どもの気持ち、親の気持ちを連ねるページです。
離婚率と離婚理由
離婚に至る理由は夫婦により様々です。
挙げられる離婚理由、一位は性格の不一致です。
二位、生活費を渡さない。
三位、精神的虐待。
四位、暴力を奮う。
五位、異性関係。
六位、浪費……と続いていきます。
参考令和元年(2019)人口動態統計の年間推計(厚生労働省HPより)
周辺のママ友の離婚理由を見ると、不倫などの不貞(本人は認めないが、状況的に濃厚な場合を含む)と、経済的な理由が多く挙げられます。
そこから喧嘩に発展し、義実家の干渉や夫のDVに繋がり、収拾がつかなくなって離婚に向かっています。
令和元年は婚姻583000組に対し、離婚が210000組とされています。婚姻数の1/3近くの夫婦が離婚していることになります。
推計では人口1000人あたり(未婚者含む)で計算されるため離婚率は1.7%ですが、日本全体の婚姻数から離婚率を計算すれば、もっと高くなるでしょう。
離婚件数は増加傾向にあるのに対し、離婚率はここ15年以上減る傾向にあります。
死亡数が増え、出生数は減っていますので、人口が減少しており、そのような結果になっていると思われます。
離婚自体は珍しいことではなくなりました。
離婚に悩むママ友の事例
ママ友は、夫の下記の行動に長年苦しめられてきました。
〇 頻繁な風俗利用(詫びれない、家族が不在中に家に呼ぶ)
〇 インターネットで知り合い会ったことのない女性に数十万金を貸し逃げられる
〇 個人の活動を応援する募金サイトに大金を投入する
〇 買い物依存症
〇 通帳を隠しても探し出して使い込む
〇 精神的虐待
借金は夫の両親に借りたり、彼女の稼ぎを充てています。
数年ごとに数百万単位の借金が発覚するため、夫の親からの借金が膨らみ、資産が食いつぶされる可能性があるとして、親の資産を管理する税理士から止められる事態となっています。
夫は仕事も上手くいっておらず、近々仕事を失うことが決まっています。
流産した話しを持ち出し「子どもを殺した。」と妻を責めたり、仕事に行く彼女の代わりに仕事のない夫が自ら具合の悪い子どもを病院に連れて行くと言ったのに一日放置し、子どもは母親が面倒みるべき、母親失格だと逆ギレするなどが日常的に起こりました。
夫の問題行動を知ったのは結婚当初からでしたが、義理の両親は独身時代から彼の問題に薄々気づいていたようです。
しかし初めは彼女に同情的だった義父も、時間が経つにつれて「嫁のせい」と怒り出すようになりました。
彼女は自分が悪いのだろうかと自問自答をしながら、夫や義父と激しい喧嘩を繰り返し、何度も家出をしました。
夫は変わりませんでした。
夫は自分を棚に上げて、「子どものために離婚しない。」と言いました。
私は、彼女が泣いて連絡してくるたびに「なぜ離婚しないのだろう。」と思うようになりました。
話し合いができず行動がエスカレートするばかりでしたので、離婚をした方がいいのではと話しましたが、彼女はかたくなに「子どものために離婚しない」と言い続けました。
離婚はできないと怒る理由
数年前、追い詰められた彼女が「旦那が〇んでくれたら悩まなくていいのに。」と言ったことがありました。
そこまで思うのなら別れた方がいいと言うと、彼女は怒りました。
「そんな簡単に離婚はできない。子どもの将来に関わるから離婚はしない」と言いました。
しかし旦那さんは稼ぎ以上の借金を重ねる人です。
子どもと遊ぶこともしません。
子守はしますが、ゲームやテレビを見せてお菓子やジュースを与えるだけです。
彼女の説明は矛盾していました。
「子どものため」を強調するばかりで、何が子どものためなのかを口にしませんでした。
子どものためとは
私は不仲な両親のもとで育ちました。
とりわけ辛かったのは、夫へのストレスをぶつけてくる母の存在でした。
父の暴力に耐え、激しい喧嘩を繰り返し、「私の結婚は失敗だった。」と繰り返す母の人生を哀れに思いました。
「あんたができたから離婚できなかった。」と言われ、私のせいで母は不幸なのだと自分を責めた時期もありました。
「子どものため」という親の言葉は子どもだった私にとって支配的で、首を絞める行為とも言えるほどでした。
母が哀れな人生を送り、その理由を私のせいだと言うなら、私を産んでほしくなかった、と思うのです。
母が悲しむとわかっていますので、口には出しません。
それだけのストレスを与えたことを、親は自覚していないでしょう。
ある時祖母から、母が結婚当初、激高した父に髪を掴まれ引きずられ怪我をして、実家に帰ったことがあると聞きました。
父の暴力は、私を妊娠する一年以上前の、結婚当初からだと知りました。
祖父母が離婚を勧めたにも関わらず、母は世間体から離婚をしませんでした。
覚悟がつかず踏み出せない理由を、後から生まれた私のせいにしている、この事実が母に嫌悪感を覚えさせました。
母が頑なに離婚を拒む理由は、
〇 子どもの学費や自分の老後までの経済的問題。
〇 子育ての責任を一人で負えない。
〇 両親がそろわないと子どもが可哀そうという先入観。
でした。
これらを総称し、「子どものために離婚しない」と言い換えていました。
そこにあるのは「保身」でした。
ママ友の話しを聞きながら、よく母を思い出しました。
母に友人がいたら、きっと私と同じように感じたのだろうと想像します。
ママ友が子どもを思う気持ちに嘘はありません。
頑張って耐えてしまう人だということもわかります。
優しい人なのです。
母もそうだったのかもしれません。
でも、子どもは親の心に敏感です。
子どももまた、耐える生活になります。
私は子どもの気持ちを知っています。
親の婚姻継続、離婚選択が子どもに及ぼす影響例
離婚しない家庭で育った例
冷めた両親を見て育ち、精神不安を抱えたり、自己肯定感が低く育つことがあります。
環境によりますが、経済的に安定している割合が多くあります。
もし両親が年を取り、分かり合える時が来たなら、辛い時期が報われるかもしれません。
一種のギャンブルとも言えます。
離婚した家庭で育った友人たちの例
親が離婚した友人の多くは、母親に引き取られ、経済的に苦労していました。
母の実家に頼れない場合はより顕著で、子どもの進学に影響していました。
子どもが大学入学後、学費を払いきる目途をつけてから離婚することを決めている夫婦もいました。
子どもは離婚までの期限を知っていて傷つき続けていましたので、子どもにとっていいことなのか、疑問を感じました。
経済的な問題があり、進学したくてもできないというネックがあっても、意外にも両親が離婚してよかったという子が多くいました。
母親の笑顔が増えたり、怒鳴り声を聞かなくて済む、家の中の雰囲気が良くなったと言います。
親が離婚していると「可哀そうだね」と言われるが、離婚前の方が“可哀そうな子供”だったと笑う子もいました。
しかし一部、離婚したことで母親がプレッシャーを感じ酷く怒るようになったり、娘を頼るあまり子どもの家事や精神的負担が大幅に増し、勉学に影響したという話しも聞きました。
幸せは親が決めるものではない
子どもの進学が迫っていて、子どもも進学を希望している、離婚してしまうと通わせられない、という場合もあると思います。
そんな状況なら私も「子どものため」と思い、離婚を思いとどまるでしょう。
しかし絶対に「子どものため」とは言葉に出さないと決めています。
私の稼ぎでは学校に通わせてあげられない、進学はさせてあげたい、子どもを手放したくない。
だから、「私自身の希望のために離婚しない」そう言い切ろうと思っています。
子どもは親の幸せを願うからです。
自分のせいで親が不幸になることを、子どもは望んでいません。
それを痛いほど知っています。
目の前で「子どものために」と発言していないつもりでも、子どもは親の言葉や態度に敏感です。
本心から自分のためだと思う必要があります。
今現在、夫婦仲に悩んでいる方は、心をすり減らして日々頑張って居られると思います。
もっと強くなれと言うようで心苦しいですが、子どもを愛しているのなら、「子どものために離婚しない」とは言わないで。
そう願います。