【衆議院議員早稲田ゆきさん】コロナ自粛に苦しむ舞台業界について直接話をした

舞台業界で仕事をする友人がいます。
舞台などのイベント業界はいち早くコロナの影響を受けました。そのころは給付の話しが殆どなく、非常に苦しい状況でした。

ひょんなことから政治家と繋がり、話しを聞いてもらえることになりました。
その経緯と、結果をお伝えします。

コロナ自粛・舞台業界の厳しい状況

2020年1月中旬に、日本国内で初の新型コロナ感染者が報告されました。

2月上旬には中国国内の感染者が3万人に迫り、死者は500人を超えました。
国内感染者が少しずつ増える中、ダイヤモンドプリンセス船内でコロナ感染者が報告され、横浜港に着岸しています。

2月中旬、中国の感染者が6万人、死者は1500人を超え、医療従事者の集団感染が報告されました。日本国内では感染経路不明の感染報告が出始め、医療従事者の感染も報告されました。

このころ中国は団体旅行を禁止します。海外、国内観光客共にキャンセルが激増し、観光業界に大きな影響が出ていました。民事再生手続きの申し立てや事業停止が相次ぎます。
同じころ国内の感染者が100人を超え、舞台やイベント業界に自粛を求める世論が増えて行きます。

コロナ渦での舞台公演は罪

仲のいい友人に舞台関係者がいます。
夫婦ともに舞台を作り出すことを生業としています。
彼らは有名な劇団に所属していますが保証はありません。個人事業主として様々な劇団から依頼を受け、仕事をしています。

2月中旬頃は新型コロナの影響を受けている業界が少なかったため、補償なき自粛を求めるのが正義であるかのように、世間が舞台業界を責め立てました。

舞台業界が自粛することになったら夫婦ともに全くの無収入になり、二人の幼い子どもを抱え路頭に迷うことになると、友人は精神的に不安定になりました。

舞台業界を自己満足の世界だと思われている方が多くいます。自己満足の学生芝居のイメージが大きいのかもしれません。
商業演劇は感性を売りにしていますが、商業として成り立っているものです。友人夫婦はプライドを持って、商業演劇を支えてきました。
有名芸能人が出ている舞台に多数関わっていますが、それでも大きく稼げる業界ではありません。そのため貯蓄も多くはありません。

収入の不安と、見通しの立たない状況、周囲で続く公演延期や中止に心を痛めていました。
そして舞台が世の中に必要がないものと切り捨て、自己満足で業界にいると決めつけられ、責められることで舞台業界で働く人たちは追い詰められました。

舞台業界の実情

よほど大きなカンパニーでなければ、業界で有名な演出家の舞台だとしても、借金をしてキャストや稽古場、美術照明音響などのスタッフを雇います。チケット総数の数十パーセントで借金を返済し、残りを次回公演への足掛かりとします。
つまり中止となった場合は丸々借金として主催者が背負うことになります。

数年前から構想を練り、劇場を押さえ、キャストやスタッフを囲い、稽古や造作物の製作が始まるのは数か月前からです。

劇場を押さえるのは簡単なことではありません。
ある程度のキャパシティのある劇場や展示会場は、2年ほど前から抑える必要があります。つまり、簡単に延期ができないのです。

2020年2月から5月に予定されていた舞台やイベントは軒並み中止に追い込まれました。
友人から頻繁に弱音を聞くようになります。

数か月から数年かけて皆で作り上げ、開演を目の前にして中止に追い込まれ、組み立てられたセットを黙ってバラさなければならない無念さ。
また、今後の生活が見通せない中、借金を背負う主催者が増えること、収入が途絶える舞台関係者、キャスト、オーケストラの演奏家など、自殺者が出るだろうと強い危機感を持っていました。

文化を財産と捉え、助成し、育成する意識が高い欧米に比べ、日本は全くと言っていいほど保護がありません。日本の文化を支えているのは、現状苦しい思いをしている舞台やイベント関係者です。

☟舞台関係者の状態把握のためのアンケート(2020年3月上旬アンケート)

https://www.tivaa.org/surveyresult/

政治は敵だった

2020年3月上旬、海外では急速に感染者を伸ばし、同時に死者数も増えて行きました。日本国内の感染者数は400人を超え、全国の卒業式に影響を与えました。

友人はますます精神的に追い詰められていきました。
自粛を求めるなら補償がなければ、野垂れ死にしろというのと同じです。しかし世間では影響のない人が多くいましたので、支援を求めるインターネットの書き込みがバッシングを受けました。

安倍政権は何もしていないように見えました。森友や加計学園、桜を見る会、案里議員の問題では驚くべき巨額の裁量を図っていたのに、国民の危機には出さないのだと腹が立ちました。

しかし私は無力で、何もできることがありませんでした。

「政治家早稲田ゆき」との接点

3月上旬のことです。家の前で作業していると、見知らぬおじさんが我が家のポストにチラシを入れようとしていました。

そのころは3密という言葉が生まれる前でしたので、私はおじさんに、「直接受け取ります」と手を差し出しました。
渡されたのは立憲民主党衆議院議員、神奈川県第4区の早稲田ゆきさんの活動報告のチラシでした。

私は時たま見る国会中継で、批判ばかりでなく建設的で説得力のある意見を述べた人をfacebookでフォローしていました。早稲田さんはそのうちの一人でした。

 

この方知ってます。facebook でフォローしてますよ。

 

とチラシ配りのおじさんに言うと、

 

若いのに政治に興味があるんですね! 嬉しいなあ。

 

おじさんは嬉々として話し出しました。

 

僕はね、幅広い年代の方に広く政治に関わってもらいたいと思っていて、出入り自由で縛りのない団体を作って、早稲田さんの支援活動をしているんだ。

 

チラシ配りのアルバイトの方だと思っていましたが、支援活動団体の頭の方でした。支援の一環でチラシを投函しているようです。

おじさんとはすでに始まっていた学校の休校措置について話をしました。保育園の待機児童や、病児保育について地域の事情などを教えてもらいました。政治支援の押し売りなどは一切ありませんでした。世間話のような話をした後、お願いをしました。

 

私の友人が舞台関係者で、仕事を失いかけています。精神的に非常に追い詰められていて、何とかしたいけど私にはできることがありません。政治家の方にお会いする機会があるなら、友人のような人がいることを知らせてください。会社員だけでなく、個人事業主の救済を検討してもらえるよう、働きかけてください。

 
 

それは直接伝えた方がいいね。このチラシに事務所の連絡先が書いてあるから、電話なりメールなりして意見を寄せるといいよ。
ここの事務所は意見をきちんと聞いてくれるから。政治家が全国各地にいるのは、地域の人たちの意見を聞くためにいるんだよ。

 
 

友人は神奈川県民ではありません。都民の訴えになるんですが、大丈夫でしょうか。

 
 

関係ないよ。都内で聞いてくれる政治家がいるならそちらでもいいと思う。県が違っても早稲田さんは聞いてくれるよ。

 

政治家が個人の話しを聞いてくれるなんて、そんなこと考えたこともありませんでした。
市議会議員でさえ地主など土地にゆかりのある家が数世代に渡って担うなどして、一般世間に触れず、社会の一端にいないイメージがありました。

突然、政治が身近に感じました。

訴えて現状が変わるのか疑問がありましたが、できることがあるならしたいと思いました。

政治家秘書が家に来る

おじさんと別れて3時間後、家のインターフォンが鳴りました。
モニターには先ほどのおじさんの姿と、見慣れないスーツ姿の男性が二人映っていました。
玄関先に出ると、スーツの二人は早稲田さんの秘書と、市議会議員の秘書の方だと紹介されました。

おじさんは私と話しをしたあと秘書の方に連絡を取り、切実な意見があると伝えたそうです。その言葉に秘書が動いてくれたのでした。それにしても3時間後に来るなんて、すごい対応力です。もしかしておじさんは影の権力者?

 

早稲田は本日国会におり、来れませんでしたので、代理で伺います。

 

政治家の秘書というと堅いイメージがありましたが、柔らかい印象で、話しやすい方でした。
友人の現状の話しをしたのですが、又聞きになり不明瞭な点が多かったこと、説得力に欠けるようでは友人に不利益になりかねないことから、後日友人と資料をまとめて改めて連絡することにしました。

訴えたこと

友人は色々な悩みを抱えており、何をどう伝えるべきか悩んでいました。共通の友人に劇場管理者やテレビや舞台などの製作会社勤めが数人いましたので、現状を聞き参考にしました。

友人はコロナで主催者が軒並み潰れてしまった場合、自粛が解禁された後も舞台を作ることができず、業界が死んでしまうことを恐れていました。個人の給付はありがたいが、その先の生きるすべをなくしてしまう方が怖いと、主催団体への救済を求める内容をまとめました。
信頼のおける団体が集計したコロナの影響のアンケート結果や、有名演出家のコロナによる業界打撃の手記を添付し、秘書に送りました。

政治家の活動

友人が要望を寄せてすぐ、以下のような活動報告をもらいました。

○文化庁芸術文化担当舞台芸術係および雇用環境・均等局就業子育て支援対策室に対し意見を直接伝え、早稲田さんの意見として正規非正規の差別なく、休業補償すべきことを強く訴えたこと。
○同様の意見が届いているとのことで、文化庁長官、文科大臣は危機意識をさらに高め、政府対策本部において声を反映させるよう発言したこと。
○厚生労働大臣に対しても直接働きかけを行うよう強く求めたこと。
○今後も国会においてさらに取り組んでいくこと。
○これで仕事が終わりでなく、引き続き政府の対応について回答を求め、事態について注視すること。対応が遅ければ急かしていくこと。

その後も私と友人宛にメールや封書で定期的に活動報告を知らせてくれています。
また、引き続き何かあれば連絡が欲しいと言われています。

対応の早さに驚きました。

早稲田ゆき本人が現る

3月中旬になっていました。学校の休校の影響で出勤できなくなった保護者を対象に、休業補償案が打ち出されていたころです。
舞台業界はかなりの打撃を受けていて、マスコミに取り上げられることが増えてきたころでした。

家のインターフォンが鳴りました。
秘書の方の姿が確認できましたので、玄関先に出ると、早稲田さんが名刺を持って立っていました。

 

わあ! 早稲田さん!

 

政治家が我が家を訪ねて来るとは、驚きです。友人のその後について聞かれ、子どもが3人いる我が家の現状を尋ねられました。
その時、国民皆に現金を配らなければ、助けられなくなる命があると力説されていました。求めているけれど、野党だから聞き入れられないともどかしさを訴えられていました。

その時の私は、お金をもらえるのは嬉しいけど、国民全員には無理があるのではないか、そこまで必要なのかと思っていました。

しかしその後、飲食業を始めとしたサービス業や関係団体に甚大な影響が出ていることが報道されるようになり、補償を求める声が大きくなっていきました。
早稲田さんは積極的に意見を聞いて回っているので、苦しい声を国よりも、マスコミよりも早く聞いており、そのように訴えられていたのだと思います。

その後暫く経って、我が家の収入にも大きな影響が出ました。自民党の仲間である公明党が支持率に危機感を持ち、現金支給を提言、自民党が採用することになります。もっと早くから訴えていた政治家がいるのに、公明党や自民党の手柄のようにふるまわれることに不快感がありました。

支持政党は人それぞれ

私は自民党が好きではありませんが、立憲民主党支持者でもありません。成り行きでたまたまお世話になった政党が、立憲民主党だっただけです。

しかしマスコミや世間が言うように、立憲民主党が文句ばかり言っているわけではないということを、今回の一件で知りました。訴えても取り合われず、結果決まった給付は公明党と自民党の支持率に利用されてしまいました。そりゃ、判断が遅い、きちんと国民の意見を聞いていたのか!? と国会で責めたくなりますね。

確かに文句ばかり言っている人はいるし、自粛を言われているにもかかわらず、風俗に行く不届き者もいます。おいおい、と呆れるのも分かります。私もそうです。自民党にも名前を隠してしか本音を言えない政治家がいますしね。

その後、秘書の方から進捗状況のメール報告があったり、買い出しのために不在にしている間に訪ねて来らた形跡があるなど、積極的に活動していることがわかります。状況が大きく変わらなくても、動いてくれているということが、勇気になります。

政治は身近な存在なのだと教えられました。

きっとどの政党にも、真摯に国民に向き合う政治家がいるのだと思います。
それを見極めて、選挙に臨もうと思います。

※2020年11月現在。この記事を書いてから半年の間に、さらに3回ほど早稲田ゆきさんや秘書の方が近況を尋ねに来られています。
一度の報告で終わるかと思っていましたが、その後も継続して活動していただいています。政治ってこんなに身近なものだったのですね。感謝しています。

支援の取り組み 2020年5月現在

全国で☟のような文化芸術活動支援の取り組みが始まっています。以下は横浜対象

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59389200R20C20A5L82000/

☟クラウドファンディングで業界のフリーランスを救う取り組みがあります。

https://camp-fire.jp/projects/view/271390

独立行政法人日本芸術文化振興会が民間企業や個人からの寄付を原資とした支援基金の創設をする方針が発表されています。国が財政面で下支えする案も浮上しているそうです。☟ニュース

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59274420Z10C20A5000000/

☟寄付先

https://nbs-foundation.jp/support-us/fundraising/corona.html

☟文化庁の文化芸術関係者対象支援窓口

https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/sonota_oshirase/2020020601.html

政治が国民の味方であるために、政治家に声を届けよう

「政治家は高給を受け取り、いい暮らしをしている。二世、三世が実権を握り、一般社会を知らないまま育った世間知らずが多い。国民を金を稼ぐ道具としか思っていない」

そんな風にしか見えない政治家がいます。

しかし困っている国民を助けるために活動をしている政治家もいます。

ネットニュースの記事だけでは政治家を見抜けません。
声にして政治家に訴え、それでどう動くのかを見て、一票を投じることが大切です。

政治が国民のためのものであることを実感できた一件でした。
勉強になりました。

 

 

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