厚生労働省の人口動態統計(2019年)によると、2015年以降、初産の平均年齢は30.7歳となっています。
母となる年齢は10代から40台まで幅広く、同時にママ友達の世界の年齢の幅も広くなっています。
3人の子どもたちを育てる中で、度々出会ってきた“若いママ”がいます。
彼女たちは、「若いね」と言われるのを嫌がりました。
「若いね」というママ達と、若いママ側の捉え方の違いを、実際に聞いた若いママの話しを元に検証します。
“若い”がイヤな理由
ママ付き合いに年齢なんて関係ないのに、年齢聞いてわざわざ「若い」って言う必要なくない!?
若ママとは、互いの子どもが0歳の時に知り合いました。10代で妊娠し出産しています。
年齢の差がありますが私と彼女は仲が良く、言いたいことを言い合える仲です。
彼女はママさんたちに「若い」と言われるたびに腹を立てました。
若いって言葉に「考えなしに子どもを作って産んだ人」って意味が入ってる。
言っているママさん達の大半が、事実を言っているだけで、悪い意味はないように感じていましたが、彼女は嫌がり続けました。
もう一人、17歳で妊娠し、高校をやめて同級生と家庭を持って子育てをしているママがいます。(仮にヤングママとし、略してヤンママと記します。)
子ども同士が幼稚園で同級生となり、知り合いました。
見た目からして若く可愛らしかったので、初対面でつい年齢を聞いてしまいました。
そしてつい、
若い!!
と言ってしまいました。
若ママにその話をすると、
出たよ。若いって言われると本当にムカつくから。
怒られました。
絶対ムカついてると思うよ。
苦笑いしてたわ。……謝ったほうがいいかな?
謝られても困るでしょ。「いいですよ。」って許すしかなくなるじゃん。それこそウザいから。
どうにもできず、そのまま数ヶ月の月日が流れました。
ヤンママは挨拶を返してくれますが、他のママさん達とも関わらないようにしているように見えました。
若ママに「若い」と言われて嫌な理由を詳しく聞きました。
若く子どもを産むと、無責任に盛ってるとか、結婚してもどうせ離婚するなどと中傷されることが多いのだと言います。
私の周囲でも、若くして結婚した子の離婚率はそれ以外に比べてとても高いものでした。中傷されやすいのも、あり得ることだと感じました。
若いママのストレス
こういう経験をしてきた上で“若い”と言われると、非難されてる気分になる。
世間の目に、彼女は傷ついていました。
若い結婚はそういう目が付きまとい、酷いストレスだと感じました。
反面、世間の目がそうなってしまう理由もわかりました。
実際に自分の娘が高校生で妊娠したとしたら、素直に応援するのは難しいからです。
子どもを育てるのはとても大変ですし、特にパパが若い場合、精神的に大人になるのは道のりが厳しいことを知ってるからです。
親という土俵ではみんな一緒なはずなのに、年齢の違いだけで上から見られる。だから子どもの親とは付き合いにくくて、若いママだけが集まったサークルができるんだよね。
若いママ達の疎外感は、想像以上に大きいものだと感じました。
“若い”の誤解
その後ヤンママと少しずつ仲良くなり、家族ぐるみで家飲みをしたときのことです。
若いって言われたの嫌でした。
やっぱり!?
謝り倒しました。
私が17歳の時は子どもを産むなんて覚悟が持てなかった。若くして親になるなんて尊敬すると伝えると、そういわれると、“何の覚悟もなしに子どもを作った”と言われているように感じると、ヤンママが笑いました。
そんなつもりは全くなかったのですが、それだけ若いママ達が、厳しい目で見られてきたということなのでしょう。
日々接していれば、どうやって子育てをしているかがある程度わかります。
子どものことを考えて行動していることを知っているし、パパも参観や行事に積極的に参加して素敵でした。
子育てが自分との闘になることを知ってるからこそ、若いのに頑張っていることを尊敬します。
若く遊びたいときに子育ての義務を背負うのは、そんじゃそこらの根性じゃできないことです。
年齢は一回り以上違いますが、ヤンママのしっかりした考え方に、「偉い」と何度も感心していました。
※「偉い」は上から目線の感想ではなく、年齢関係なくママ友間で褒めあう時によく使うワードです。主婦は褒められることが少ないので、度々ママ同士で褒めあっていました。
「若い」には「若いのに凄い!」という感嘆が込められているのだと感じています。
若いママのママ付き合い
実は、ママさん達に混ざりたいと思ってました。
そうなの!?
集まりに声かけても一度も来なかったし、避けてなかった!? と聞くと、行きたかったけど、浮いちゃいそうで行きづらかったと言います。
彼女は人見知りで、会話のキャッチボールが長く続くようになるまで何か月もかかりました。
ママ友間の年齢の幅は大きく、20歳以上の差がある場合も少なくありません。
他のママさんたちもヤンママさんに若干避けられている印象があったから、ストレス与えちゃうかなって心配して、しつこくは誘わなかったんだよ。
彼女はたまたま私と同じ、酒好きでした。
それを彼女から教えてもらっていたので、何度か声をかけていましたが、彼女の妊娠出産があり、しばらく実現しませんでした。そして最近ついに実現したのでした。
また一緒にお酒飲んでほしいです。
飲みますとも!!家が近いし小さい子どもがいるから、子連れで家飲みをしようと持ち掛けました。
若ママもヤンママもちゃんと意見を持って伝えてくれるので、話をしていて面白いです。
人に併せて意見を言えない付き合いは、面白くありません。
意見の違いを認め合えるので、勉強になるし刺激になり、楽しい時間でした。
ママ友は無理に作るものではないのだけれど
厚生労働省の人口動態統計(2019年)による出生順位別出生数の母の年齢は以下の通りです。(参考)
総数 | 第一子 | 第二子 | 第三子以上 | |
総数 | 865234 | 400948 | 315715 | 148571 |
19歳以下 | 7782 | 6895 | 832 | 55 |
20~24 | 72092 | 48515 | 19218 | 4359 |
25~29 | 220932 | 131382 | 67015 | 22535 |
30~34 | 312579 | 129566 | 126435 | 56578 |
35~39 | 201009 | 66212 | 82490 | 52307 |
40~44 | 49191 | 17652 | 19214 | 12325 |
45歳以上 | 1649 | 726 | 511 | 412 |
夫の姉は不妊治療を長く続けて出産に至っており、初産が42歳でした。
周囲が若いママばかりで、混ざりにくいと言います。
ストレスになるなら、ママ友を無理に作る必要はありません。
でも欲しいと思うのに、年齢がネックになっているのなら、無視して突っ込んでいくことをお勧めします。
母になったら年齢関係は関係ありません。同じスタートラインに立っている者同士、対等です。
人として合う、合わないはありますけどね。
「若い」と言われて嫌な思いをしたことがある方には、決して悪い意味で言っているわけではない、と知っていただければと思います。
また、私のように「若い」と言ってしまったことがある方には、「若い」と言われることを嫌がる人が少なくないことを、知っていただきたいと思います。
若くたって、若くなくたって、責任感があるなら母になっていいじゃないか!!