不妊治療経験者が人の妊娠を喜べなくていい理由

私は不妊治療未経験者です。


子どもを産みママ友ができてから、不妊治療で授かる人が多いことを知りました。
これは治療未経験である私が、治療経験のあるママ友に治療中の赤裸々な話しを聞いて感じたことをただ綴る記事です。

不妊治療は辛いらしいという知識しかなかった

☝こちらで少し触れていますが、私は仕事や家庭でストレスを抱え、環境を変えて治療しないと妊娠は難しいと言われたことがあります。

その時結婚したばかりで働いていましたので、子どもはそのうち欲しいと思うくらいで真剣に考えていませんでした。
身体の症状が軽減しなかったこと、夫の姉が不妊治療を10年近く続けていたことから、義母に「無理に仕事を続けなくてもいいのでは。」と勧められ退職をしました。

会社の男の先輩は夫婦で不妊治療に励んでいました。
仕事を調整し抜け出すなどして治療に通ったり、高価らしいサプリを多量に服用していました。

私は体調不良で会社を中抜けしてかかったクリニックで、妊娠は難しいかもと言われましたので、会社に戻り後輩に聞かれた時に、医師に言われたままサラっと話してしまいました。
男性ばかりのフロアでしたが、私の話しが聞こえていたらしい周囲の人たちの動きが止まりました。

治療をしながら退職の引継ぎをしている間に、不妊治療をしていた先輩の奥さんの妊娠が発覚しました。
先輩は私に隠そうとしました。

隠すことが優しさなのだろうかとその時は疑問に思いました。
先輩の奥さんは数年続いた不妊治療で不安定になることが多くあり、人の妊娠の話しを嫌っていたようです。

先輩夫婦の妊娠には心からお祝いを伝えました。
先輩は意外そうな表情をしていました。

私は当時妊娠を望んでいませんでしたので、治療をしている人たちと精神状態がまるで違ったと思います。

私は親との関係がうまく築けませんでしたが、親と仲のいい人を妬んだことはありません。
人の喜びを分かち合えなくなるのは嫌だと、その時は思っていました。

妊娠の報告


体質改善のための漢方薬を三種類処方され、半年ほど飲んだところで妊娠に到り、長女を出産しました。退職しストレスが軽減されたことが大きかったように感じます。

その後次女を出産、一度初期の流産を経験し、三女を出産しました。
流産が一度あるとはいえ、順調だったと思います。

私が妊娠したことは義母が義姉に伝えました。

私の妊娠が義姉のストレスになるのは嫌でしたが、知らせないことが義姉を傷つけることもあるように感じました。
不妊治療でスケジュールが見えないため、海外で挙げた私と夫の結婚式も欠席されていて会う機会が少なかったこと、当時夫は義姉の連絡先を知らないほど付き合いがなかったため、義姉と直接話すことはありませんでした。

しかし私の妊娠が発覚して三か月後に義姉が体外受精によって授かったことがわかりました。
それまでは着床しないことが多かったそうで、いい状況が続き出産まで至りました。

出産後は義姉と義実家でよく会うようになりました。

義姉は、私の妊娠がわかって安心できたのがよかったと言いました。

夫は一生結婚しないだろうと義母や義母に思われていたそうです。
義姉が子どもを産まないと、親に孫を見せてあげられないと長年ストレスに感じていたものが、私と結婚しあっさり妊娠したことで軽くなったのだそうです。
義姉は42歳で初産でした。

自然妊娠と不妊治療妊娠の違い


第一子である長女を出産後、月に一度開かれる地域主催の親子教室に参加しました。

二十歳前から四十代のママが二十人以上集まっていました。

そこで知ったのが、不妊治療をして授かる人が多いということでした。
30代後半から40代の方に多かったと思います。
私が親しくなったママにも数人不妊治療をしていた方がいます。

当然ですが、妊娠に到った経緯などママ友間では何の問題にもなりません。
しかし自然妊娠ではないということを治療経験者が気にする発言がたまにあるように感じます。

不妊治療がない昔であれば授かることはなかったと彼女たちは言いますが、昔は今ほど環境ホルモンや社会的ストレスはなかったはずです。
環境が違えば結果も違うようにも想像します。

私は三人出産して一人目と三人目の出産時に母胎に異常が出て集中治療となりましたので、出産ができても出産と同時に死んでいる可能性が高いです。

医療自体が自然の摂理から離れていることを考えれば、人間自体が自然ではないとも言えます。
不妊治療で妊娠したのも自然妊娠も、かかった金額と精神的ストレス以外は違いがないように感じました。

不妊治療中に感じた黒い感情


不妊治療経験がある人達は皆優しくて朗らかでした。

そのうちの一人は今に至るまで親しくさせてもらっています。
人が良くて包容力があり優しい人です。

その彼女が、不妊治療中は人の妊娠を喜べなかったと言いました。

彼女もそんな風に思うのかと驚きました。

望まない妊娠をして堕胎したり、子どもを捨てたり、虐待する親に憤る気持ちはわかります。
しかし彼女のように朗らかな人でも、知り合いの妊娠に喜べなくなるのかと思いました。

彼女は一度自然妊娠をしましたが後期死産となりました。その後妊娠に到らなかったため不妊治療を5年ほど続け、体外受精で授かっています。

死産はお腹の中で亡くなってしまった子を陣痛を起こして産み落としました。
人生であれほど辛いことは他にないだろうと度々言います。

彼女は中々に波乱万丈な人生を送っているのですが、死産を経験し、長い時間をかけて死産を乗り越えたのだから、何でも耐えられると言います。

どうしてお腹の子は空に帰ってしまったのか、どうしてその後授かれないのか、海外の安価な妊娠検査薬を買い込み、毎月体温や検査結果に一喜一憂し、努力しても叶わない、どうにもならない思いが抑えきれなくなって人の妊娠を喜べなくなるのだと、彼女の話しを聞いて感じました。
人の幸せを喜べない自分が嫌いだったそうです。

不妊治療中の彼女に伝えたい


私は彼女のような経験をしていません。
だからわかった気になってはいけないのかもしれません。

でも不妊治療中の過去の彼女にもし会えるのなら、

人の妊娠を無理に喜ばなくていいよ!
自分の感情を否定しないで

と伝えたいと思いました。

妊娠した本人に苦言を呈するとか、嫌がらせをするなら問題ですが、心で思うだけなら全然いいでしょ。
それだけ頑張っている証拠なんだから。

妊娠出産は未来に続く行為です。
遺伝子上に子どもが欲しくなるよう刻まれているわけです。(環境や理性、志向によって変わることはあります。子孫を繁栄させるために大半はそう思うように組み込まれているということです。)
欲しいと思うように作られているのに、できないということがどれだけのストレスになるか。


つまり冒頭に挙げたように、私が親との関係がうまくいかなかったからと言って他の家に嫉妬しないのとは比べる次元が違うのだと思います。
親は先に死にゆく生物です。実際私は夫という理解者を獲たことで居場所ができ、子どもを持つことで自身の存在価値を実感するようになりました。

私が不妊に悩んでいたら、同じように人を羨み妬んでいたかもしれません。

どんなに素敵な人だって、追い詰められることがあります。
だから今幸せを喜べない人がいたら、

そういう時もある。それでいい! 
私はそう思う! 


と伝えたいと思いました。


この記事で言いたいのはそれだけです。



彼女はその数年後、凍結保存していた二個の受精卵を使って、二人目に挑戦してみると言いました。
彼女が二人の子どもに囲まれている姿がすぐに目に浮かびました。
軽はずみな言葉だったかもしれませんが、できる気がすると言ってしまいました。

どこまで行っても失言野郎ですが、その二個の受精卵で二人目の出産に到りました。



一人で悩むのは辛いから、吐き出せる場がもっとできるといいと思います。
インターネットの世界が数ある吐き出し場の一つとなりますように。

最新情報をチェックしよう!